へたも絵のうち の商品レビュー
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------ 「どうしたらいい絵がかけるか」と聞かれたときなど、私は「自分を生かす自然な絵をかけばいい」と答えていました。下品な人は下品な絵をかきなさい、ばかな人はばかな絵をかきなさい、下手な人は下手な絵をかきなさい、と、そういっていました。 結局、絵などは自分を出して自分を生かすしかないのだと思います。自分にないものを、無理になんとかしようとしても、ロクなことにはなりません。だから、私はよく二科の仲間に、下手な絵も認めよといっていました。 ------ 熊谷守一の語りをまとめた本作は、金言の宝庫だった。 「自分を出して自分を生かすしかない。」と、熊谷守一に語りかけられてからというもの、急に絵を描くのが愉しくて仕方なくなった。 いくら自分を立派に、素晴らしく見せようとしたって、限界があるのだ。へたも絵のうち。自分のうち。 これは絵以外のことにも言える。 仕事をする上でも、この言葉にかなり励まされている。
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「へたな絵も認めよ」という熊谷先生。へたな人はへたな絵を、ばかな人はばかな絵をとのこと。結局表現とはその人自身から湧き上がってくるもので、変に違うことしても良いものにはならないという。
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生誕140周年 熊谷守一展 わたしはわたし 伊丹市立美術館 「Assemble -集積する技法と身体-」展 伊丹市立工芸センター 青木千絵 田中雅文 釣光穂 中村弘峰 宮田彩加
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一般的に、ことばというのはものを正確に伝えることはできません。絵なら、一本の線でも一つの色でも、描いて仕舞えばそれで決まってしまいます。青色はだれが見ても青色です。しかしことばの文章となると、「青」と書いても、どんな感じの青か正確にはわからない。いくら詳しく説明してもだめです。私は、ほんとうは文章というものは信用していません。(p.83) いつか誰かが「絵は才能ですか」と訊いたら「いや経験ですよ」と熊谷さんは答えたという。経験とは普段の探求の蓄積である。それは志賀直哉さんのいう「普段の意志」をもつことによって初めて生きるものである。その生きた経験を熊谷さんが尊重するのに不思議はない。そしてそれはまたそのまま熊谷さんが永遠の探求者だということである。(pp.180-181) そういう、見て、見て、見て、それをぎりぎりの形と色とにしぼりあげる作業を、熊谷さんは、毎日勤勉に画布や画板に向う仕事によらないで、昼寝や日向ボッコや、猫や草や花や蟻やガマや蠅と遊ぶ生活の中で自然に会得する。その蓄積と醗酵の時間の長さに比べて、熊谷さんの制作の時間は極めて短い。そこで作品は即興的とも習作的ともいえるものになりがちで、そこには力の籠もった重さはない。しかし小さいながらに、しっかりと骨太に、静かに沈んで、清らかに輝いた、生きた絵とそれはなるのである。(p.185)
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読書の意義の1つはユニークな人物との出会えることだと思います。「こんな人がいたのか」と思える本です。
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著者は画家なので絵はもちろんのこと、「書」が良い、「人」が素晴らしいというファンの声も多い。本文は、日本経済新聞の「私の履歴書」に掲載されたもの。緩やかなようでただ甘いだけではない著者の人生に触れ、作品も人柄も永く敬愛されてきた理由がわかる気がする。秋の夜長にゆっくり読みたい一冊...
著者は画家なので絵はもちろんのこと、「書」が良い、「人」が素晴らしいというファンの声も多い。本文は、日本経済新聞の「私の履歴書」に掲載されたもの。緩やかなようでただ甘いだけではない著者の人生に触れ、作品も人柄も永く敬愛されてきた理由がわかる気がする。秋の夜長にゆっくり読みたい一冊。
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(2000.07.18読了)(2000.07.12購入) (「BOOK」データベースより)amazon 朝起きて奥さんと碁を打ち昼寝して絵を描いて寝る―。こんな日課がもう何十年も続く。その絵が「天狗の落とし礼」と呼ばれた超俗の画家から紡ぎ出された思い出の数々。やわらかさのなかに鋭...
(2000.07.18読了)(2000.07.12購入) (「BOOK」データベースより)amazon 朝起きて奥さんと碁を打ち昼寝して絵を描いて寝る―。こんな日課がもう何十年も続く。その絵が「天狗の落とし礼」と呼ばれた超俗の画家から紡ぎ出された思い出の数々。やわらかさのなかに鋭く光る、物の核心を見つめる確かな眼差し。
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熊谷守一の随筆 とろとろと、 思い出を紡ぎながら文章を書いてるかんじがほほえましいです 最後の方の絵についての一文が素敵だし本質
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熊谷守一の自伝をたどっても、飄々とした画家独特の雰囲気が漂い、題名の“へたも絵のうち”といった印象的な言葉を味わうことができます。
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日本経済新聞の「私の履歴書」に連載された熊谷守一の自伝。画家という存在の特異さをこれほど忠実に生きた人は稀だろう。「その絵筆はあっさりとしたものだけど、そこに至るまでの綿密なまなざしの、気の遠くなるほどの長い時間があるのだろう。」と、赤瀬川原平が解説で書いている。まさに、「気の遠...
日本経済新聞の「私の履歴書」に連載された熊谷守一の自伝。画家という存在の特異さをこれほど忠実に生きた人は稀だろう。「その絵筆はあっさりとしたものだけど、そこに至るまでの綿密なまなざしの、気の遠くなるほどの長い時間があるのだろう。」と、赤瀬川原平が解説で書いている。まさに、「気の遠くなるほどの長い時間」に耐える力こそが天才なのだ。すさまじい人生を飄々と生きた偉大な日本人の記録。
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