オイディプスの刃 の商品レビュー
著者の短編作品は沢山…
著者の短編作品は沢山読んでいたが、長編は初めて読んでみた。独特の妖艶で幻想的な美の世界が展開されていて楽しめた。
文庫OFF
刀をめぐるミステリー…
刀をめぐるミステリー。大変美しい小説です。3人兄弟、それぞれ立場や視点が異なり、思惑も違う。見事です。
文庫OFF
赤江の代表作で映画化…
赤江の代表作で映画化もされました。耽美的な長編推理小説。
文庫OFF
赤江瀑の作品の中では…
赤江瀑の作品の中ではよくできている方だと思います。調香師や刀鍛冶など、独自の世界を舞台にした長編ミステリーで、耽美的です。
文庫OFF
長編ミステリー。香水…
長編ミステリー。香水や日本刀が絡む高雅な世界です。ギリシャ的な肉体美が強調される美少年は個人的に苦手なのですが、赤江作品の特徴でしょう。他の作品と比べても良く出来ている方です。
文庫OFF
凄いお話を読んだ気がする。解説を読んだということもあるが、ものすごく考えて作り込まれているのだと思った。妖刀次吉、香水、家族構成などこれらが複雑に絡み合い、濃密なストーリーを産み出した。まさに圧巻といった感想、最後はページを捲る手が止まらなかった。
Posted by
表題にもあるとおり、エディプス神話がひとつのモチーフになっている。 夫婦に対して、夫の連れ子である長男、妻の連れ子である次男主人公、ふたりの子である三男が、 それぞれ重なり合いつつも異なる感情を抱いている、というのが前提。 そこに父親から母親を獲ろうとする研ぎ師が現れて……...
表題にもあるとおり、エディプス神話がひとつのモチーフになっている。 夫婦に対して、夫の連れ子である長男、妻の連れ子である次男主人公、ふたりの子である三男が、 それぞれ重なり合いつつも異なる感情を抱いている、というのが前提。 そこに父親から母親を獲ろうとする研ぎ師が現れて……。という話。 話自体は非常に耽美的で、おもしろいが、文体が荒いという印象。 やけに改行も多く繰り返しも多い。 長編と短編で文体を使いわけるタイプの作家か。
Posted by
謎解き要素は希薄ですが、三兄弟が名刀と香水に翻弄される様子を描いた人間ドラマは完成度が高く、耽美的で読み応えがあります。 最近こういった独特な雰囲気を楽しむ小説は少ないので貴重な一冊だと思います。
Posted by
濃密な兄弟ものグハッ(吐血) 刀と香水とか、どんだけエロなフェティッシュかって話ですよ…… そこに愛憎まみれる兄弟の話とか絡んだらアカーン! 興奮するしかないですね。赤江瀑恐るべし。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ある真夏日の美しい庭の真ん中。 赤いハンモックの上で腹を割かれ息耐えた一人の青年と、その傍らで自害を遂げた一組の夫婦。 彼らの死に纏わり付く「妖刀」と「香水」が 残された三兄弟の人生を絡めとっていく様を描いたミステリ。 始めて手に取った赤江瀑さんの本でした。 「和」への造詣が深く、伝統芸能や古美術をモチーフに扱うのが特徴の作家さん、というぼんやりとした認識しかなかったのですが 湿り気のある妖麗な日本語の選びがとても独特で 徹底的に世界観の完成された文章を紡ぐ人だなあ、という印象。 あと、直接的な描写こそ無いのだけれど、物語の川底にずっと男色の気が滲んで見えていて それが作者の何から湧き出たものなのかは判断しきれませんでした。 字ヅラの美しさやブレの無い美意識はとても面白かったけれど ぬっとりねっとりとした言葉選びや、むせ返るような雰囲気の濃厚さが、ちょっと私は好みではなかった。 ハマる人には堪らない個性だと思います。 父の血を引く長男は、母に。 母の血を引く次男は、父に。 唯一両親の血を引く三男は、また母に。 それぞれがフロイトのエディプス・コンプレックス的な情念を抱いている様だったり 主人公の核にある捻じれた疎外感の描写だったり 一応ミステリの体は取られているのですが、犯人探しよりも人間の情念の移り変わりの描写に重きが置かれているので 読み心地はふわふわと浮遊感に包まれているようでした。 終盤、ツトムはきっと現場へ駆け付けたのだと思います。 そこにまた関わりが産まれ、刀もヒロシへと受け継がれて行くのだろうと考えると、結構やるせない。
Posted by
- 1
- 2