日暮れ竹河岸 の商品レビュー
藤沢周平のいわゆる町人モノ。平凡な主婦、職人、商人など、ごく普通の人々の日常で起こる心の揺れ、小さな感動や喜怒哀楽が描かれている。 あとがきに浮世絵をもとに小説を描くという趣旨の連載だったとある。試験的な作品でもあったようなので、正直かなり不完全な作品もあるように感じた。 藤沢周...
藤沢周平のいわゆる町人モノ。平凡な主婦、職人、商人など、ごく普通の人々の日常で起こる心の揺れ、小さな感動や喜怒哀楽が描かれている。 あとがきに浮世絵をもとに小説を描くという趣旨の連載だったとある。試験的な作品でもあったようなので、正直かなり不完全な作品もあるように感じた。 藤沢周平作品に読み慣れない人にはあまりオススメできないかも。先生の町人モノが好きな上級者はぜひ。
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江戸散歩に出かけてみませんか? 浮世絵をモチーフにした19の物語。 江戸に住む人たちの哀歓や情感の風景を、静かな筆致で切り取った短編集。 これが作者生前最後の作品集だそうだけど、流石、すばらしい。 淡々と書かれた物語に漂う情景がとても重厚で、闇や静けさまでもが瑞々しく美しい。
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「江戸おんな絵姿十二景」として12作、広重「名所江戸百景」より7作を収録。 藤沢さんの巧さが凝縮されており、贅沢な内容だ。 魅力的な女性に出会える!
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実際の人生は、小説のように結末なんてありません。 日々の生活の中で、考え、悩み、試行錯誤することを延々、 死を迎えるまで繰り返します。 例えば、今、この瞬間に思い悩んでいることは、実は 明日になればすっきりと解決してしまうことだったとします。 けれど、そんなことは明日...
実際の人生は、小説のように結末なんてありません。 日々の生活の中で、考え、悩み、試行錯誤することを延々、 死を迎えるまで繰り返します。 例えば、今、この瞬間に思い悩んでいることは、実は 明日になればすっきりと解決してしまうことだったとします。 けれど、そんなことは明日にならなければ分からないことです。 だから、今はただ思い悩むしかありません。 この本は、平凡な日々を営む人々が思考する「今」を 描いた短編集です。 本の中で「今」を生きる人々に自らを投影し 奇妙な親近感を覚えてしまいました。
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