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影が行く の商品レビュー

3.7

22件のお客様レビュー

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2015/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『消えた少女 』 リチャード・マシスン 夜中に泣き出した娘ティーナをあやしにティーナの部屋に入ったクリス。カウチの下から鳴き声は聞こえるがティーナの姿はない。友人のビルを呼びティーナを探すクリスとルース。飼い犬のマックが入り込んだ異次元への扉。 『悪夢団』 ディーン・R・クーツ ギャング団を率いるルイス。不思議な力でギャング団をまとめあげ、土産物屋などで虐殺を行わせるルイス。ルイスが海辺で読んでいた新聞の記事を読んだトミー。翌朝ルイスが連れてきた新しいギャング。新聞に載っていた死刑を執行された死刑囚。 『群体』 シオドア・L・トーマス 都市の地下の水道の中で生まれた群体。水道管を通り人間世界に現れる。触れた人間を同化していく群体。群体と戦う人々。 『歴戦の勇士』 フリッツ・ライバー 酒場で仲間たちと自分の戦歴を話すマックス。火星での戦いなどジョークを飛ばすマックス。マックスに憧れるブレッド。フレッドの家で起きたマックスを追うものたちとの戦い。 『ボールターのカナリヤ』 キース・ロバーツ フレイ僧院で起きるポルターガイストを調査するポールター。友人のグリンとフレイ僧院を調べる。何者かの意思を感じるポールター。フィルムに写る黒い影。 『影が行く』 南極調査隊が発見した10万年前の宇宙船。外に出て氷付けになったと思われる乗員の発見。乗員の氷を溶かすか議論する隊員たち。氷から復活した怪物。人間に同化する怪物。 『探検隊帰る』 フィリップ・K・ディック

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2013/11/15

良いですねぇ、実に良い。良くも悪くも「古い」作品ばかりですが、独特のエレガントさを感じます。 タイトル通り、ホラーテイストが強い作品を集めた短編集です。ただし、恐いかどうかは読む人次第。むしろ、「ホラーSF」の一語の下にこれだけ多様多彩な作品が集まるところに、ホラー/SFの懐の深...

良いですねぇ、実に良い。良くも悪くも「古い」作品ばかりですが、独特のエレガントさを感じます。 タイトル通り、ホラーテイストが強い作品を集めた短編集です。ただし、恐いかどうかは読む人次第。むしろ、「ホラーSF」の一語の下にこれだけ多様多彩な作品が集まるところに、ホラー/SFの懐の深さを感じました。中には「これSFじゃねーだろ」的な作品もありますが、そこはご愛嬌。 不肖鴨、SFとホラーは親和性が高いと考えます。その理由は、どちらも「読者の想像力に全幅の信頼を置くことを前提とする」ジャンルであるから。作家が表現したいことを100%文章化するのではなく、何割かを読者の想像力に委ね、想像力を如何に喚起するかに心血を注ぐ、したがって読者の側にもある程度のセンスとスキルが求められる(だから決してメジャーになれないヽ( ´ー`)ノ)ジャンルだと鴨は思っています。だから、面白いSF/ホラーは読み進めると同時に物語のヴィジョンが映画のように目の前に広がりますし、音も聞こえてきそうな気がします。 この本に収められた短編は、どれも鮮烈なヴィジョンが広がる「絵になる」作品ばかりです。中には最近とんと聞かなくなった作家の作品や埋もれた珍品もあったりして、一読しての印象は玉石混淆。訳調が時折妙に古臭いのも気にはなります。が、良い作品も多数含まれていて、全体的には「読む価値あり」と評価できるかと。 鴨が気に入ったのはライバー、キャンベル、ディック、ヴァンス、ベスターの各編。 ライバーの溢れる香気には痺れましたね!想像力の乏しい人にはこのエレガントさは全く伝わらないと思います。映画「遊星からの物体X」の原作として名高いキャンベルの作品は、サスペンスとしても一級品。SF文学史上におけるキャンベルの評価に照らして、こんなハイレベルなSFを書ける人だとは思いませんでした(^_^;何の解決策も見いだせないまま淡々と終わってしまうディックの不穏さ、孤高の雰囲気溢れるヴァンスの美しさ、ぶっ飛んだ文体でグイグイと押し進めるベスターの猥雑さ、どれも素晴らしい。 何分にもホラーですから、アンハッピーで後味の悪い作品が多いです。まぁでも、物語に予定調和を求める人はそもそもSFもホラーも読まんでしょうから(笑)SF好き・ホラー好きどちらにもおススメです。

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2013/09/26

SFというかホラーに近いアンソロジー  「消えた少女(リチャード・マシスン)」 は異次元もの。海外短篇によく見られるように、オチの切れ味がよくない。  「悪夢団(ディーン・R・クーンツ)」 も同様。ゾンビものかな?でもオチが大雑把。  よくあるネバネバ生物もの「群体(シオド...

SFというかホラーに近いアンソロジー  「消えた少女(リチャード・マシスン)」 は異次元もの。海外短篇によく見られるように、オチの切れ味がよくない。  「悪夢団(ディーン・R・クーンツ)」 も同様。ゾンビものかな?でもオチが大雑把。  よくあるネバネバ生物もの「群体(シオドア・L・トーマス)」 も早い展開がいいが、オチは平凡。  「歴戦の勇士(フリッツ・ライバー)」 はB級かなぁ。乗れなくて、流し読みモードだった。  「ボールターのカナリア(キース・ロバーツ)」 に至っては、意味わからん。  遊星からの・・・の源作っぽい「影が行く(ジョン・W・キャンベル・ジュニア)」 はさすがのひとこと。映画の興奮が蘇る。オチも映画よりもいい感じ。二重丸。再読したい作品だ。  今回も目的である「探検隊帰る(フィリップ・K・ディック)」 は佳作。自分は何者?といういつもの味。オチが甘いな。  「仮面(デーモン・ナイト)」はアンドロイドものだが、ピンと来ない。文章がおもしろくないんだな。  「吸血機伝説(ロジャー・ゼラズニイ)」 のアイデアはいいが、さっぱりおもしろくない。  「ヨー・ヴォムビスの地下墓地(クラーク・アシュトン・スミス)」はパス状態。なぜか読む気になれなかった。  「五つの月が昇るとき(ジャック・ヴァンス)」はわかりやすい設定。孤島の灯台なんていい感じ。でも中身は平凡、  「ごきげん目盛り(アルフレッド・ベスター)」 には期待したけど、乗り切れず。  「唾の樹(ブライアン・W・オールディス)」は長すぎるので今回はパス。

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2015/11/05

蔵書だと思っていたが見当たらず、買うとなったなら長らく店頭から姿を消し、一時はAmazonのプレミア価格もやむなしとした程に探していた本書。偶然にも表題作でもある『影が行く』がリメイク作品『遊星からの物体X・ファーストコンタクト』の原作として公開に合わせてジャケットデザインも一新...

蔵書だと思っていたが見当たらず、買うとなったなら長らく店頭から姿を消し、一時はAmazonのプレミア価格もやむなしとした程に探していた本書。偶然にも表題作でもある『影が行く』がリメイク作品『遊星からの物体X・ファーストコンタクト』の原作として公開に合わせてジャケットデザインも一新されての再版となった。 SFミステリーのアンソロジー集としても実に質が高く、作家と物語の選定のわびさびが効いており、リチャード・マシスン、アルフレッド・ベスター、フィリップ・K・ディックらの初期作品は非常にクセがあるものの、今となっては大変貴重である。

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2013/09/02

SFホラーアンソロジーの本書収録作は、末尾のとおり。 アンソロジーだけあって、モンスター系あり幻想系ありと、多様な”SF”ホラーを提供してくれます。 傑作ホラー映画として名高い、ジョン・カーペンター監督「遊星からの物体X」の原作である表題作。「隣にいるのは本当に人間なのか」とい...

SFホラーアンソロジーの本書収録作は、末尾のとおり。 アンソロジーだけあって、モンスター系あり幻想系ありと、多様な”SF”ホラーを提供してくれます。 傑作ホラー映画として名高い、ジョン・カーペンター監督「遊星からの物体X」の原作である表題作。「隣にいるのは本当に人間なのか」という疑心暗鬼から生じる恐怖を見事に描く傑作ですが、著者がジョン・W・キャンベルであることに注目。 ジョン・W・キャンベルといえば、アメリカのSF雑誌「アスタウンディング」にて、アシモフやハインラインらを育て、SFの黄金時代を築いた「編集者」としてのイメージがあったから、彼が筆を走らせている姿に少し驚きました。 さて、未知なものに直面したとき、ひとの心に冷やりと忍びこむものが、”恐怖”ですが、それとともに、心の奥深くからこみ上げてくるものが”好奇心”です。恐怖心と好奇心は表裏一体なもので(というか起点が同じ)、「見てはいけない。でも見てみたい…!」という、そのあたりを絶妙に描いた「歴戦の勇士」が本書で一番のお気に入りです。 つづいて、ディックの「探検隊帰る」について。 これが、本書で一番浮いています。なんていうか、この作品だけ結末がないんですよね。怖いというよりも、気持ち悪い。この不快感は、流石、ディックならではというべきでしょうか。 ほかにも、ブライアン・W・オールディスの「唾の樹」は読み応えばっちりだったし、ベスターの「ごきげん目盛り」はコミカルで面白かったです。 全体を通じて、とても満足できるアンソロジーでした。 ・「消えた少女」 リチャード・マシスン ・「悪夢団」 ディーン・R・クーンツ  ・「群体」 シオドア・L・トーマス ・「歴戦の勇士」 フリッツ・ライバー ・「ポールターのカナリア」 キース・ロバーツ ・「影が行く」 ジョン・W・キャンベル・ジュニア ・「探検隊帰る」 フィリップ・K・ディック ・「仮面」 デーモン・ナイト ・「吸血機伝説」 ロジャー・ゼラズニイ ・「ヨー・ヴォムビスの地下墓地」 クラーク・アシュトン・スミス ・「五つの月が昇るとき」 ジャック・ヴァンス ・「ごきげん目盛り」 アルフレッド・ベスター ・「唾の樹」 ブライアン・W・オールディス

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2013/04/05

ホラー要素の強い海外SFのアンソロジー アメーバ、気持ちの悪い宇宙生物など映画にするとB級になりそうなものも、小説として読むとまた違った味わいがあっていいですね。 印象的なのはそのアメーバ生物の出てくる『群体』 人がアメーバに飲み込まれるというB級感満載の作品ながらも、描写や...

ホラー要素の強い海外SFのアンソロジー アメーバ、気持ちの悪い宇宙生物など映画にするとB級になりそうなものも、小説として読むとまた違った味わいがあっていいですね。 印象的なのはそのアメーバ生物の出てくる『群体』 人がアメーバに飲み込まれるというB級感満載の作品ながらも、描写やアメーバの科学的な記述が短編ながらもしっかりしているので、意外に引き込まれてしまいました。 『探検隊帰る』は宇宙から帰ってきた探検隊を描く話。この話の著者フィリップ・K・ディックの話は何編か読みましたが、この後味の悪さはなかなかクセになりつつあります。 『吸血鬼伝説』はSFと吸血鬼という二つのキーワードをどう組み合わせるのか興味があったのですが、そう書くのか、とこの二つを組み合わせたアイディアが面白かったです。 一番は最終作の『唾の樹』かな。農場の近くに隕石が落ち、その日から農場の家畜や作物が異常繁殖をはじめて…という話なのですが、後半からの描写力に感服でした。映像化するとどんなふうになるんだろう、と嫌な想像をしてしまいます(笑)

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2012/10/31

SFとは、ホラーとは、なんて小難しい定義はさておき、ホラーSFの日本オリジナル編集のアンソロジー。 刊行当時ですら少々古めの作品が多いが、クーンツ、マシスン等々十分に愉しめる。 気に入ったのはP・K・ディック「探検隊帰る」。有名な作品のようだがこれ、SFといいながら中身はホラーと...

SFとは、ホラーとは、なんて小難しい定義はさておき、ホラーSFの日本オリジナル編集のアンソロジー。 刊行当時ですら少々古めの作品が多いが、クーンツ、マシスン等々十分に愉しめる。 気に入ったのはP・K・ディック「探検隊帰る」。有名な作品のようだがこれ、SFといいながら中身はホラーというか奇妙な味というか。この後味の悪さと言ったら……。

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2012/09/19

ホラーSFのアンソロジー。結構当たりだった。満遍なく面白かった! 表題の「影が行く」は、映画「遊星からの物体X」の原作。閉塞した南極基地で擬態生物による侵略という、仲間が誰一人信用できないという状況に追い込まれた隊員達のてんやわんや。面白かった。映画の方は見ていないのだが。 他に...

ホラーSFのアンソロジー。結構当たりだった。満遍なく面白かった! 表題の「影が行く」は、映画「遊星からの物体X」の原作。閉塞した南極基地で擬態生物による侵略という、仲間が誰一人信用できないという状況に追い込まれた隊員達のてんやわんや。面白かった。映画の方は見ていないのだが。 他にも、謎の生命体を観測して友人に大迷惑をかける天才変人の話や、自称時かけソルジャーとその友人の話とか、娘が4次元に閉じ込められちゃってさあ大変といった話が入っている。 全編に渡り面白いのに、多分もしも映像化されたらどれもこれもB級映画扱いされてしまうだろう。これは絶対文章で読んでおくべき物語たちだと思う。

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2010/11/25

映画「遊星よりの物体X」および「遊星からの物体X」の原作にあたる「影が行く」が素晴らしい。短い話ながら単なるモンスターパニック物にとどまらず、人間の強さと可能性がよく描写されていると思います。他の幻想怪奇系の作品も面白かったです。

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2010/10/08

友人に借してもらったSFホラーの傑作選です。 表題作『影が行く』は「遊星からの物体X」の原作。 これだけでテンションだだ燃えです。映画がまた見たくなりました。 それから痺れたのが『歴戦の勇士』とディックの『探検隊帰る』 それから『ボールターのカナリア』がちょうすきかもー!!

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