たけまる文庫 怪の巻 の商品レビュー
小説武丸増刊号からホ…
小説武丸増刊号からホラーばかりを集めた短編集。どれもページ数が少ないが、精神的な怖さがあります。
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ホラーというより、ホ…
ホラーというより、ホラ話。作者のストーリーテリングが大いに楽しめる。
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古典落語をモチーフに…
古典落語をモチーフにした短編集。元ネタを知らないものもあったので、本当に楽しめたかは分からない。
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生々しさも中途半端、…
生々しさも中途半端、ホラー的にも中途半端。強いて言うならば「世にも奇妙な物語り」調の作品。暇な時に読むには良いかもしれない。
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まず、1話読むと、「なんだ、これは」と見事に惹き込まれていきました。だって、ネコを避ける理由として真っ先に思い出すのは、ネコが嫌いだからでしょ。だが、言われてみれば避ける理由は他にもあるよな、となります。 一つ一つの短編が面白くて、もっと読みたいなぁと嵌りました。
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物語の文章を、一字一句疑ってかかる事は、 反対にその物語を信じて読む事に等しいのではないか? 結局作者の掌の中でいいように転がされる道化だ。 どれだけ先を予測して寸前までよみ切ったとしても、最後の数行で容易く車線変更してしまう。 思うようなラストにならないし、 そもそもミステ...
物語の文章を、一字一句疑ってかかる事は、 反対にその物語を信じて読む事に等しいのではないか? 結局作者の掌の中でいいように転がされる道化だ。 どれだけ先を予測して寸前までよみ切ったとしても、最後の数行で容易く車線変更してしまう。 思うようなラストにならないし、 そもそもミステリに思うようなラストなど望んではいない。 「思惑が外れる方が、 外れれば外れるほど面白いなんて、 おかしな話だなぁ。 当たれば当たるほどいい、占いとは正反対だ」 賢いふりして馬鹿みたいに転がされる事が、 実はミステリを楽しむ一番の方法かもしれない。 と馬鹿話はこのくらいにして、 本書はホラー7篇、ミステリ2篇の短篇集。 個人的には、 ・再開 ・嫉妬 ・患者 ・猟奇小説家 の4つが面白かった。 短篇集だから当然とはいえどれも2.30ページほどの短い話で、 とくにホラー話は、 結構膨らみそうな展開なのに、 あっさり最後の数行でとってつけたようにオトす。 ミルクボーイのコーンフレークのネタを、 1分くらいで、 駒場 : オトンが言うには、頭蓋骨ちゃうか 内海 : 絶対ちゃうやろ、もうええわ とオトすような話。 狐につままれたような妙な読み応えに、 言いようのない引っ掛かりがあって、 ホラー話なんだからそれはそうなんですが、 その怪しさとはまた性質が違う、 なんかどこか手を抜かれているような、 ターゲットを子供にしぼった物語のような違和感。 なんだろうなとそのまま7篇読み終えて、 解題でその違和感の正体に気づいた。 思い返せば、 1発目の猫の話で気づけたかもしれない。 ホラー7篇に隠された裏テーマの正体を。 こういう趣向とかユーモアは楽しい。 あとがきにもあるが全編通して、 現実?虚構?どっち? と白黒つかないままどちらとも取れる終わり方をする話が多い。 虚構は虚構のまま、 物語はその追及を許さず終息する。 江戸川乱歩なんかの世界観。 叙述トリックが巧みで、 患者なんかは、精神病院の設定を活かした信頼できない語り手モノで、 再開なんかも結局そう。 「だいたい主人公がバチくそ狂ってるんだよなぁ」 猟奇小説家は、 最近読んだウロボロスの偽書にそっくりで、 まぁミステリの王道設定なんでしょうが、 小説の模倣殺人が起きて、 小説家の元に警察が来てって話だけど、 オチのひっくり返しは2.3発斜め。 物語は初めから読み進めなければならず、 少ない情報を頼りに、 状況を想像し、未来を予測する。 そこでプロファイルされた人物像や設定が、 (特にミステリは) 最後まで正しかったことなんて殆どない。 思い込みを作り込み、それに漬け込んで、 いかにひっくり返すのが肝だからだ。 そんな当たり前を徹底するのは、 生半可なストーリーテラーではつとまらない。 我孫子武丸にはそれが十分すぎるほど務まる。 たけまるはつとまる。 つまらない話はこのくらいにしておきます。 ……はて、頭からこの文章を読み返してみたら変だ。 「」で書かれてるセリフみたいな所は、 僕の記憶では書いた覚えがない。 それ以外のところは一字一句僕が書いた確信があるが、「」の文章だけは全く記憶にない。 「一体誰なんだろう?」 と考えても無駄なのかもしれない。 白黒つかない灰色の中で、 頬をつねってみるが、 痛みはしっかりと存在を証明する。 窓の外は明るくなっていた。 SNSに投稿を終えると、 僕は「布団を」頭までくるま「り、深く目を閉じた。 あれ、今ってどっちなのかなぁ……… あぁ怖い怖い 何が怖いって 文章が怖い
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※このレビューにはネタバレを含みます
休日を利用して「たけまる文庫 謎の巻」と本書「たけまる文庫 怪の巻」を2冊続けて読み終えました。 「謎の巻」はどんでん返しのミステリー作品、本作「怪の巻」は完全にホラー作品です。 ホラー作品なのに、ところどころエロいシーンが描かれていて、僅かな行数にもかかわらずなんともリアリティを感じる。 しかし、本作の醍醐味は短編なのになんともいえない恐ろしさ。 手にしたのが明るい時間でよかった(苦笑) 説明 内容紹介 単行本刊行時に個人雑誌形式で世間をあっと言わせた話題の短篇集が、なんと今度は個人文庫になって帰ってきた。今回配本分はホラー作品を集めた「怪の巻」。怖いです。(解説・笹川吉晴) 内容(「BOOK」データベースより) 業界初(?)の「ひとり雑誌」形式で世間を「あ~っ?」と言わせた話題の短編集「小説たけまる増刊号」が、なんと今度は驚きの「個人文庫」になって帰ってきた―。記念すべき第一回配本分はホラー作品を集めた「怪の巻」をお届けします。猫を異常に恐れる男の話「猫恐怖症」、桜が頭蓋を食い破る「春爛漫」、小説の通りに起きる惨殺事件の謎「猟奇小説家」など選りすぐりの九編。…怖いです。
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死の猟犬的な短編集のネタがあるのかなと考えていましたが、違う仕掛けがありました。 個人的には猫恐怖症が一番面白かった。
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猫恐怖症 / 初出 小説すばる 1993年8月号 春爛漫 / 初出 小説すばる 1994年1月号 芋羊羹 / 初出 小説すばる 1994年4月号 再会 / 初出 小説すばる 1994年7月号 青い花嫁 / 初出 小説すばる 1994年11月号 嫉妬 / 初出 小説すばる 1995...
猫恐怖症 / 初出 小説すばる 1993年8月号 春爛漫 / 初出 小説すばる 1994年1月号 芋羊羹 / 初出 小説すばる 1994年4月号 再会 / 初出 小説すばる 1994年7月号 青い花嫁 / 初出 小説すばる 1994年11月号 嫉妬 / 初出 小説すばる 1995年7月号 二重生活 / 初出 小説すばる 1995年12月号 解題 / 書き下ろし 患者 / 初出 ミステリマガジン 1995年11月増刊号 猟奇小説家 / 初出 小説すばる 1996年6月号 あとがき 解説 (笹川吉晴) 『小説たけまる増刊号』 1997.11 集英社刊 再編集文庫化 装幀 京極夏彦 With FISCO 印刷 凸版印刷 製本 凸版印刷
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落語を題材にミステリ、というかホラー化させたようなショートストーリー。 かまいたちの夜でいえば、底蟲編みたいな。 そんな気味の悪い話が多い。 落語という縛りの中で展開する話は面白い。 エロいネタが多いため、怪というより淫としても良いかも知れない。
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