遺言 の商品レビュー
この事件を機にストーカー規制法ができたという事くらいで、詳細についての知識はなかった。被害者の友達の話から経緯を知るにつれ、もっと早く警察が動いてくれていたらと思わずにはいられない。また事件後の警察の捜査にもやるせなさが募るとともに、怒りさえ感じる。著者が取材を進めていなかったら...
この事件を機にストーカー規制法ができたという事くらいで、詳細についての知識はなかった。被害者の友達の話から経緯を知るにつれ、もっと早く警察が動いてくれていたらと思わずにはいられない。また事件後の警察の捜査にもやるせなさが募るとともに、怒りさえ感じる。著者が取材を進めていなかったらと考えると恐ろしい。
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まさに事実は小説より奇なり。事件を暴く執念、取材を通して進む事実確認がミステリー小説のようでありながら、しかし、ノンフィクションのため実際に起こった事として追体験するにもスリリングである。ストーカー規制法の契機ともなった事件を追う。 清水潔は、記者として読ませる文章を書くだけで...
まさに事実は小説より奇なり。事件を暴く執念、取材を通して進む事実確認がミステリー小説のようでありながら、しかし、ノンフィクションのため実際に起こった事として追体験するにもスリリングである。ストーカー規制法の契機ともなった事件を追う。 清水潔は、記者として読ませる文章を書くだけではなく、時々見せる職業ポリシーや内省に非常に共感させられる所があり、自らのキャラクターをまるで探偵小説の登場人物のように、意図してか否か、上手く描いていると思う。実際の事件だから不謹慎かも知れないが、十分エンタメとして成立している。 しかし、事件そのものはスッキリしない面もあり、結局は、どのような角度、立場で描かれるかで印象が随分違う。暴力団関係者、精神薄弱者、虚言癖、偏執症、あるいは誰かに完全に操られていたか。被害者も夜の仕事をしていたかで随分イメージ操作をされてしまったようだ。この事件も、ただの痴話喧嘩のように警察に扱われた。印象、イメージとは何か。外野や第三者から、正しいと思われるか、その逆か。報道や偏った一部の人間よって事実が歪められ、自らの主張が受け入れられない事は恐怖である。
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桶川ストーカー事件の概要は知っていたが、 これが事実なのが、とても怖い。 作者は記者なので、書くことがとてもうまく、読んでて、ヒヤヒヤや警察の対応などのイライラを感じた。 とても面白くて、一気よみしました。 私も娘がいますが、とても心が痛くなりました。 人は不公平ではあるが、法...
桶川ストーカー事件の概要は知っていたが、 これが事実なのが、とても怖い。 作者は記者なので、書くことがとてもうまく、読んでて、ヒヤヒヤや警察の対応などのイライラを感じた。 とても面白くて、一気よみしました。 私も娘がいますが、とても心が痛くなりました。 人は不公平ではあるが、法の下では公平であってほしいと思います。
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清水潔『遺言 桶川ストーカー殺人事件の深層』(新潮社、2000年)は埼玉県警の不祥事である桶川ストーカー殺人事件の真相を明らかにした書籍である。埼玉県の桶川駅前で1999年10月26日、女子大生が殺された。週刊誌記者の著者は被害者の遺した言葉を頼りに取材を続け、警察より先に犯人に...
清水潔『遺言 桶川ストーカー殺人事件の深層』(新潮社、2000年)は埼玉県警の不祥事である桶川ストーカー殺人事件の真相を明らかにした書籍である。埼玉県の桶川駅前で1999年10月26日、女子大生が殺された。週刊誌記者の著者は被害者の遺した言葉を頼りに取材を続け、警察より先に犯人に辿りつく。ジャーナリズムの存在意義を感じる仕事である。 この事件はストーカー規制法成立の端緒となった。しかし、典型的な個人によるストーカー犯罪とは様相が異なる。集団的な嫌がらせ、攻撃である。後に社会問題になる半グレ集団の犯罪に重なる。当時は半グレという言葉はなかったが、今から振り返れば半グレの問題である。逆恨みした半グレが個人を攻撃した問題と捉え直すべきではないか。そのような典型的なストーカー犯罪と異なる半グレ犯罪に対応できているか。恋愛以外でも逆恨みした半グレが恨みを晴らすために個人を攻撃することはある。 埼玉県警は執拗なストーカー行為に全く動こうとしなかった。埼玉県警は半グレの味方ではないかと思わせる対応であった。この事件は民事不介入を金科玉条にした警察の消極主義が批判される傾向にあるが、戦前の警察国家の反省は重要である。批判されるべきは半グレの味方をするような埼玉県警のスタンスではないか。
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久々のノンフィクション。警察やマスコミが嘘をあたかも真実であるかのように報告、報道していく様には恐怖を覚えました。犯人・小松和人の異常性は言うに及ばず。 犠牲になった詩織さんのご冥福と、本当の正義が貫かれることを心から祈ります。
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★本物の事件記者★「殺人犯はそこにいる」からさかのぼって読んだ。警察発表に依拠できない雑誌で、センセーショナルな見出しや警察の誘導に引きずられることなく、地道に取材して被害者周辺の声をきちんと伝える粘り強さ。被害者家族とのつながりは、アリバイのように「家族の声」を取りに行く凡百の...
★本物の事件記者★「殺人犯はそこにいる」からさかのぼって読んだ。警察発表に依拠できない雑誌で、センセーショナルな見出しや警察の誘導に引きずられることなく、地道に取材して被害者周辺の声をきちんと伝える粘り強さ。被害者家族とのつながりは、アリバイのように「家族の声」を取りに行く凡百のマスコミとの違いが素晴らしい。 警察より先に犯人に行き着いたというだけでも一生に一度モノの案件なのに、翻って警察の怠慢と嘘まで暴くとは。「殺人犯~」でも驚いたが、被害者の家族がいかに警察から放置されているのか、そして警察はミスを隠すために一度決めた自らのロジックを守るためにはどんな無茶でもするのか、ということに改めて驚いた。警察からの情報に頼らないだけに、ほかにない事件モノの作品となるのだろう。新聞記者が自らを「事件記者ではなく警察記者」と自嘲するのが響く。
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清水さんの本はとにかく読みやすい。臨場感もあるからどんどんページが進む。 桶川ストーカー殺人事件は犯人の異常さが際立つが、警察のあまりの怠慢ぶりに開いた口がふさがらない。全ての警察署がそうではないことを祈るばかりだ。最後の砦だと思って駆け込んだ警察が、この状況下で何もしてくれない...
清水さんの本はとにかく読みやすい。臨場感もあるからどんどんページが進む。 桶川ストーカー殺人事件は犯人の異常さが際立つが、警察のあまりの怠慢ぶりに開いた口がふさがらない。全ての警察署がそうではないことを祈るばかりだ。最後の砦だと思って駆け込んだ警察が、この状況下で何もしてくれないのではどこに助けを求めたらいいのかと思ってしまう。
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写真誌記者という"三流の"仕事をしていた著者が人として、職業人として、突き動かされ事件の真相に至るまでを綴ったノンフィクションだが、圧倒され、また激しい怒りが再燃した。当時、かなりのインパクトを事件から受けたが、警察の怠慢は想像以上だった。残念ながら自らの体験...
写真誌記者という"三流の"仕事をしていた著者が人として、職業人として、突き動かされ事件の真相に至るまでを綴ったノンフィクションだが、圧倒され、また激しい怒りが再燃した。当時、かなりのインパクトを事件から受けたが、警察の怠慢は想像以上だった。残念ながら自らの体験からすると警察のこの体質は今でもあまり変わってないと思うが、著者の仕事が各方面で社会を良い方向に動かしたと思う。それでも謙虚さを失っていない著者の高い職業意識にも敬服した。
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1999年に桶川市で起きたストーカー殺人事件のルポ。 著者の取材が、あきれるほど地道で丁寧で、でも信念に溢れたものであることは、他の著書からもよくわかる。 マスコミの取材を一切拒否していた被害者のご両親が、唯一著者にだけは信頼を寄せ、会って話をしたというのも頷ける。 当時、女...
1999年に桶川市で起きたストーカー殺人事件のルポ。 著者の取材が、あきれるほど地道で丁寧で、でも信念に溢れたものであることは、他の著書からもよくわかる。 マスコミの取材を一切拒否していた被害者のご両親が、唯一著者にだけは信頼を寄せ、会って話をしたというのも頷ける。 当時、女子大生が刺殺されたとセンセーショナルに騒がれた割には、その後あまり捜査の進展が伝わってこなかったことも、しばらくしてストーカー行為をしていた人物の兄を逮捕という、ちょっと意味不明なニュースが流れたことも、年が明けてストーカー本人が自殺して見つかったことも、よく覚えている。のちに、実は警察の怠慢だったと判明したことも。 これが世に出たのも、著者の執念の取材の結果だったということか。 頼みの綱の警察からも体よくあしらわれ、なすすべもなくギリギリまで追い詰められた中で被害に遭われたご本人とご家族の無念を思うと、言葉がない。 警察への社会の目が厳しくなったのもこの事件がきっかけだったと聞く。 ストーカー行為の根絶は難しいかもしれないが、警察のお粗末な体質は、金輪際根絶されなければならない。 それさえも難しいのだろうか。 だとすれば悲しすぎる。
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被害者の立場で真摯に向き合い、警察の及ばないほどの粘りと運にも助けられて、事件、犯人に迫っていく。素晴らしいです。それにしても、警察に腹がたちました。
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