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遺言 の商品レビュー

4.8

21件のお客様レビュー

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2014/04/05

緊迫感連続のルポだった。犯人と事件の実行犯に迫って行く著者含め、敏腕カメラマン達の仕事への、犯人への執念は鬼気迫るものを感じた。桶川の事件から10年以上もたった今なお、ストーカー殺人事件は後を絶たない。こういった事件を再度振り返り、風化させないことが我々読者の使命な気がした。

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2014/02/20

「凶悪」よろしく在野にいる犯人に迫っていく過程がスリリング。 三流ゴシップ誌が記者クラブマスコミを出し抜いて、という構図がドラマチックでもある。 当時もテレビで知ったつもりでいたけど、犯人像については目が行かなかった。

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2014/01/06

市図書館。 「遺体」の著者石井光太氏がおススメしている本つながりで、本書にたどり着く。 権力を手にした人間はどこまでもそれを守ろうとし、失態を隠ぺいして事なきを得ようとする。メディアもそれを暴くのではなく、一様に同じ方向を向いて「わが身」を守ろうとする。 では、誰がいったいこ...

市図書館。 「遺体」の著者石井光太氏がおススメしている本つながりで、本書にたどり着く。 権力を手にした人間はどこまでもそれを守ろうとし、失態を隠ぺいして事なきを得ようとする。メディアもそれを暴くのではなく、一様に同じ方向を向いて「わが身」を守ろうとする。 では、誰がいったいこの無念を晴らしてくれるんだろうな。 特定秘密なんちゃらになっちゃったら、あきらめるしかないんだろうな。おつかれ~ってな。

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2015/12/27

日本ジャーナリスト会議(JCJ)大賞受賞作。 「ストーカー規制法」成立の契機となった事件です。 作者の取材にかけるジャーナリスト魂、被害者の遺族への誠意を持った対応、また掲載されている写真の生々しさ、ノンフィクションでは考えられない展開など、色んな意味で凄い本だと思います。 結局...

日本ジャーナリスト会議(JCJ)大賞受賞作。 「ストーカー規制法」成立の契機となった事件です。 作者の取材にかけるジャーナリスト魂、被害者の遺族への誠意を持った対応、また掲載されている写真の生々しさ、ノンフィクションでは考えられない展開など、色んな意味で凄い本だと思います。 結局、警察の怠慢は犯人がやっていることと同類でとても憤りを感じます。桶川ストーカー事件の真実が知れて本当に良かったです。

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2013/06/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【遺言 桶川ストーカー殺人事件の深層】 清水潔さん 1999年10月にJR桶川駅で起こった女子大生殺人事件。 当初、警察は通り魔の犯行と考えていたが、被害者は 以前から自分が殺された場合の犯人を言い当てていた。 遅々として進まない警察の捜査。 警察よりも先に犯人にたどり着いたのは 記者クラブにも加盟していない、写真週刊誌の記者だった。 記者は取材を続けていく内に、信じがたい警察の対応に驚愕する。 ☆ 被害届の黙殺、告訴状の改ざん、被害者の人格を貶める ミスリードのリークや記者発表。 この事件で明らかになった警察組織による犯罪行為が氷山の一角であることは 事件後にも、引きも切らずに起こる警察官の不祥事を見ていてもよく分かる。 最近、内田康夫さんの浅見光彦シリーズをよく読んでいるんですが、 毎回毎回、警察の怠慢や思いこみによる手落ちなどに、光彦が嘆く場面が 書かれているんですが、小説の中でもこの事件ほど露骨な怠慢や手落ちは 書かれていません。 「事実は小説よりも奇なり」といいますが、小説にもならないような 現実はシャレにもなりません。 二度と、こういう事件は起きて欲しくないです。  

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2010/06/14

被害者の再三の訴えに対し、いかに警察が動かなかったか、また、当時報道されていた「被害者は派手な女子大生だった」的な表現に被害者家族がどれだけ心を痛めたかがよくわかる。

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2009/10/18

この立場になって、警察の協力を得られなかったら地獄でしょうね。 マスゴミの品の無さも再確認できました。

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2014/09/09

警察の恣意的な情報操作が行われていた事件の真相を暴いた週刊誌記者の実録。大手マスコミは警察の嘘発表を「事実」に仕立ててしまうし、警察を信用できないというのは凄く怖い、ということをひしひし感じました。

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2022/06/03

桶川で起きたストーカー殺人事件のルポルタージュ。 被害者は再三警察に相談したにもかかわらず、人事不介入と無視されて結局殺された。 この事件が契機となってストーカー規制法が成立する。 警察の不手際・無関心のみならず、捜査の不備を糊塗するための記者会見では被害者の服装を詳細に語って...

桶川で起きたストーカー殺人事件のルポルタージュ。 被害者は再三警察に相談したにもかかわらず、人事不介入と無視されて結局殺された。 この事件が契機となってストーカー規制法が成立する。 警察の不手際・無関心のみならず、捜査の不備を糊塗するための記者会見では被害者の服装を詳細に語って、「アバズレの自業自得」であるかのように印象付ける発言がなされる。笑いながら。 そして報道はなんの考察も加えずにそのイメージをあおりたてる。 この本の著者は週刊誌の記者。 週刊誌の記事と、その後のテレビ番組からようやくことの真相が報じられるようになる。 酷い、本当に酷すぎる話。 だからこそちゃんと覚えておかなくちゃいけない。 敵が加害者だけじゃなかったこと、無関係の(テレビを見ているだけの)自分も、報道を鵜呑みにしたら加害者になる可能性があること。 忘れてはいけない話。

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2009/10/04

清水潔というFOCUSの事件記者が真実を追い求めた「桶川女子大生ストーカー殺人事件」を、しがない三流雑誌記者(自称)の目を通して追体験できる手記です。 この事件は、地元から4キロほどのところで起こった事件だったこともあり、現場は小さいころから映画を見るために頻繁に足を運んだこ...

清水潔というFOCUSの事件記者が真実を追い求めた「桶川女子大生ストーカー殺人事件」を、しがない三流雑誌記者(自称)の目を通して追体験できる手記です。 この事件は、地元から4キロほどのところで起こった事件だったこともあり、現場は小さいころから映画を見るために頻繁に足を運んだこともあって個人的にもとても興味深い事件でした。 大学に入り、「犯罪被害者報道の現代的課題」についてのシンポジウムが日弁連主催で開かれることを知り、日比谷まで足を運んだことがありました。その会場でパネリストとして参加されていたのは、事件当時「ザ・スクープ」という番組のアンカーをなさっていた鳥越俊太郎氏。彼の誘いで事件の被害者遺族、猪野京子さん(詩織さんの母)もいらっしゃっていました。 このときから俺のこの事件に対する興味は再燃し、多数の裁判記録や書籍、テレビ番組などを自分なりに調べてきました。その中でも本書はもっとも早く真犯人を特定した雑誌記者が書いたものであるため、その秘めている訴求力は他のどの本にも劣らないものであると思います。 自分の町を管轄する上尾署の失態や、大手マスメディアの過大なメディアスクラム、その他さまざまな問題点を露呈させたこの事件は今後風化させてはならないものだと思います。

Posted byブクログ