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ブレヒト戯曲全集(第4巻) の商品レビュー

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2011/06/24

『第三帝国~』は短編オムニバスみたいな感じだけど、けっこう重たいものが多くて頭使ったな。 『カラール~』はブレヒトには珍しい叙情演劇で、確かに叙事演劇よりストレートで茶番くさいんだけど、葛藤はやっぱり厳然としてそこにあって。ブレヒトが何で「叙事演劇」に辿りついたのか、何で「was...

『第三帝国~』は短編オムニバスみたいな感じだけど、けっこう重たいものが多くて頭使ったな。 『カラール~』はブレヒトには珍しい叙情演劇で、確かに叙事演劇よりストレートで茶番くさいんだけど、葛藤はやっぱり厳然としてそこにあって。ブレヒトが何で「叙事演劇」に辿りついたのか、何で「wasじゃなくてwie(whatじゃなくてhow)」を重視したのか、おばかな私も最近やとこさ解ってきましたです。 『ガリレイ~』はその叙事と抒情が絡み合ってて、本人は「技術的後退」とかぬかしてるけど、大好きな作品だな。つうかブレヒトもまんざらじゃなかったと思う。受け入れがたいアメリカという国での外国語の作業で、ビザを待ちつづけて、原爆が落ちて。すさまじい環境のもとで生まれたけど、彼には信頼できる共働者がいたし。 作品が生まれる過程は、時に作品そのものよりドラマチック。

Posted byブクログ