復活の日 の商品レビュー
氏の初期の作品で、小説的な面白さはこの頃から変わらない。 科学とは、人間とは何かという説教臭い所があり、そういうのが好きじゃないと途中でダレてくる。
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初の小松左京作品だが、 書かれてから何十年と経っているにもかかわらず 全く色褪せない傑作を読み終えた満足感に胸がいっぱい。 終末・破局ものというジャンルに位置づけられるが どうして終末を迎えてしまったのかという原因と どのようにして終末に至っていったかという過程の 描写が緻密か...
初の小松左京作品だが、 書かれてから何十年と経っているにもかかわらず 全く色褪せない傑作を読み終えた満足感に胸がいっぱい。 終末・破局ものというジャンルに位置づけられるが どうして終末を迎えてしまったのかという原因と どのようにして終末に至っていったかという過程の 描写が緻密かつ秀逸で、 終末ものというジャンルは今でも数が多いが 今の作品群とは比較にならないくらい 設定と描写が練りこまれている。 良くも悪くも単なるSF娯楽小説に留まらない 作者による文明論、人類論、ヒューマニズムが 色濃く投影されていて、昨今の小説では そういった作品が少なくなっているだけに 好き嫌いはあるだろうが、 作品に深みを与えていたように思う。
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「さよならジュピター」や「日本沈没」でおなじみ小松左京先生の作品である。 最初こそローテンポであるものの後半からのたたみかけが素晴らしかった。 また人類に様々な点から警鐘を鳴らす良作である。
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「人類が生み出した大量殺人兵器による人類滅亡」をテーマにしたSF。 前半は退屈な部分があるが、中盤から急展開していく。 本書では、人類は二度の滅亡の危機を迎える。これにより、人類はたった一万人を残して地球から消え去る。 第一には秘密裏に開発された細菌兵器に関わる想定外のトラ...
「人類が生み出した大量殺人兵器による人類滅亡」をテーマにしたSF。 前半は退屈な部分があるが、中盤から急展開していく。 本書では、人類は二度の滅亡の危機を迎える。これにより、人類はたった一万人を残して地球から消え去る。 第一には秘密裏に開発された細菌兵器に関わる想定外のトラブルによる滅亡。 第二には、これから縮小に向かおうとしていた核兵器による滅亡。 ただのパニックSFではなく、人類の行く末について考えさせられる作品。 ところどころに挿入本書に登場する科学者の独白や、あとがき、解説が、本書のテーマをより深みのあるものにしている。
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終末物の走りのような本。超ベストセラー。 世界が細菌兵器で滅亡し、無人となってしまった米ソ両大国の自己防衛構造が作動するのを防ぐために、残された人々から有志が旅立つ。 細菌によって見る見る人々が死んでいくさまがあまりにもすごすぎてぞくぞくした。 しかしながら数ページに及ぶヒ...
終末物の走りのような本。超ベストセラー。 世界が細菌兵器で滅亡し、無人となってしまった米ソ両大国の自己防衛構造が作動するのを防ぐために、残された人々から有志が旅立つ。 細菌によって見る見る人々が死んでいくさまがあまりにもすごすぎてぞくぞくした。 しかしながら数ページに及ぶヒューマニズム的著者の持論が4・5か所にあり、キリスト者としては辟易した。 星3つ。
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今更ながら初読である。(^^; 実は映画も見てないんだよね。 事前の思い込みとは別に実は人類がほぼ滅亡するまでの書き込みの方が分量も多く、内容も濃かったです。 多分、インターネットと携帯電話の現代でも、同じ事故が起きれば同じように人類が滅ぶだろうなと思うリアルさがありますね。 古...
今更ながら初読である。(^^; 実は映画も見てないんだよね。 事前の思い込みとは別に実は人類がほぼ滅亡するまでの書き込みの方が分量も多く、内容も濃かったです。 多分、インターネットと携帯電話の現代でも、同じ事故が起きれば同じように人類が滅ぶだろうなと思うリアルさがありますね。 古くなっていないと言うんですかね。 一番の読みどころは、第一部終盤の文明史担当の教授の講義ですね。 逆に第二部はちょっと蛇足気味かも。 映画的にはきっと第二部をたくさん描いたんだろうと思うけど。(^^;
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重厚なタイトルに惹かれて... 扱われてるテーマも重厚で、 これが古い作品だとは普通の人じゃ感じ無い程、 緻密に練り上げられたSF。 こうした限界状態に置かれたとき、 果たして人間はこんな状態になるのだろうか? 自分はどうなのだろうか? 読み終った後、 きっと頭の片隅を支配...
重厚なタイトルに惹かれて... 扱われてるテーマも重厚で、 これが古い作品だとは普通の人じゃ感じ無い程、 緻密に練り上げられたSF。 こうした限界状態に置かれたとき、 果たして人間はこんな状態になるのだろうか? 自分はどうなのだろうか? 読み終った後、 きっと頭の片隅を支配し続けるだろう、そんな作品。 ちょいとディープな作品を読みたいときにお勧めの一冊。
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小松左京が1964年に発表した長編SF作品の第二作。(初刊は早川書房が日本人SF作家による長編小説作品ブランド「日本SFシリーズ」の第1巻) 細菌兵器の漏えい事故による人類の絶滅から地球上の人類として復活する足がかりを掴むまでを描いた本作は、ジョン・ウィンダム著『トリフィド時代』...
小松左京が1964年に発表した長編SF作品の第二作。(初刊は早川書房が日本人SF作家による長編小説作品ブランド「日本SFシリーズ」の第1巻) 細菌兵器の漏えい事故による人類の絶滅から地球上の人類として復活する足がかりを掴むまでを描いた本作は、ジョン・ウィンダム著『トリフィド時代』での人類が滅亡するという世界観、ネビル・シュート著『渚にて』の全面核戦争により絶滅に瀕した人々の人間ドラマを下敷きにしている。 米ソによる冷戦のさ中、抑止力としての核兵器以外の「細菌兵器」による事故によって世界規模で爆発的に蔓延した致死性の高い菌種で全世界は壊滅してしまう。軍事、世界情勢と気象学から生物学に至る綿密なる設定で、新たな人類として地球上に復活する足がかりを掴むまでを描いた日本初の人類滅亡を扱った長編SF小説。 奇跡的に生き残った少数の人々は地球上の「人類」としての存続をかけて様々な苦難に立ち向う姿を347ページに及ぶ“プロローグ”と、85ページの「本編」で構成される大スケールで紡がれる壮大な人間の賛歌。 1965年、東宝映画で映画化の企画が立ち上げられるも、大スケールのストーリーは膨大な予算が必要になり、当時、東宝が米映画会社との合作を精力的に行っていた時期でもあり、この基本プロットを20世紀フォックスへ売り込んでいた。折しも20世紀フォックスに脚本家として出入りしていたマイケル・クライトンがこのプロットを読み、4年後の1969年に『アンドロメダ病原体』を出版、映画化されたのは有名な逸話。
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日本SF界の巨匠、小松左京の代表作。 私はSFはあまり読まないけれど、ある本で薦められていたので読んでみた。 もう50年も前に書かれたというのに、古さを感じさせないスケールが大きい作品だった。 第一部の人類が滅亡に向かう過程は読むのが辛かった。世界中で人はバタバタ死んでいくのを...
日本SF界の巨匠、小松左京の代表作。 私はSFはあまり読まないけれど、ある本で薦められていたので読んでみた。 もう50年も前に書かれたというのに、古さを感じさせないスケールが大きい作品だった。 第一部の人類が滅亡に向かう過程は読むのが辛かった。世界中で人はバタバタ死んでいくのを丁寧に書かれてるけど、もう分かったから話を進めてください…と思っていた。 第二部では、南極に残された人達が人類が再生のために模索するのだが、そこからが面白かった。 無力感でいっぱいになって、やるせない。読んでぐったりして、ぼんやりしてしまう。 運命の皮肉、という言葉が作中に出てくる。とても、しっくりくる言葉だと思った。 ☆あらすじ☆ MM‐八八菌―実験では、摂氏五度で異常な増殖を みせ、感染後五時間で九十八%のハツカネズミが 死滅!生物化学兵器として開発されたこの菌を搭載 した小型機が冬のアルプス山中に墜落する。やが て春を迎え、爆発的な勢いで世界各地を襲い始め た菌の前に、人類はなすすべもなく滅亡する…南極 に一万人たらずの人々を残して。人類滅亡の恐怖 と、再生への模索という壮大なテーマを描き切る 感動のドラマ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
細菌兵器の恐ろしさを味わえるSF小説。南極以外の地域の人類が絶滅していく過程の描写が恐くて、面白い。 作者は、冷戦時の緊張感に色々と思いを巡らせながらこの作品を作ったことが、あとがきから伝わってくる。 バクテリオファージとか、プロファージとか、生物学を学んだ自分には懐かしい単語が出てきて、復習になった。 やっぱり生物の世界は面白い。 正直、どこからがフィクションなのか分からなかった。核酸だけ増えていく現象って、無かったんだっけ…? 最後の展開も面白い。エンターテイメントとしてもよく出来ているなあ。
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