竜馬がゆく 新装版(七) の商品レビュー
船を手に入れ活気付くも、再び沈没する。一方、中岡慎太郎に陸援隊の構想を伝え、討幕への準備を進めていく。乾や大隈などが登場し、社会科の授業では教わらなかった事柄を知る事ができた。大隈が一時期ヒモだったとはね。
Posted by
気宇を地球上にひろげれば、幕府も諸藩もない。人は利(ここでは経済)で動く。経済が時代の底をゆり動かし、政治がそれについていく。 堤防が崩れ、奔流が山野に満ちつつある、そんな時勢のなか、経験と記憶の引き出しから導き出す竜馬の創見に、 幕末の終焉に向けてわくわくさせられる。 「批評は...
気宇を地球上にひろげれば、幕府も諸藩もない。人は利(ここでは経済)で動く。経済が時代の底をゆり動かし、政治がそれについていく。 堤防が崩れ、奔流が山野に満ちつつある、そんな時勢のなか、経験と記憶の引き出しから導き出す竜馬の創見に、 幕末の終焉に向けてわくわくさせられる。 「批評は頭脳の仕事、その施すべき時機をみつけるのが実行者のカンというべきもので ある。」
Posted by
このころになると、竜馬にまつわる痛快エピソードは減り、前半の明るくちょいとのほほんとした展開がなくなって、各登場人物の行動も実務的になってきて、心地よさがなくなってきます。ここから読み始めるとすると、痛快さがない分、物語の面白さが半減するような気もします。最初から読んでいる人は、...
このころになると、竜馬にまつわる痛快エピソードは減り、前半の明るくちょいとのほほんとした展開がなくなって、各登場人物の行動も実務的になってきて、心地よさがなくなってきます。ここから読み始めるとすると、痛快さがない分、物語の面白さが半減するような気もします。最初から読んでいる人は、その勢いで読み進むことができますけれど、楽しさの観点から言えば、以前のお田鶴さんや、おりょう、おさなさん、桂小五郎とのエピソードのころが心地よいです。そんな中、紀州の船と衝突して、竜馬の船が沈没してしまうところは、漫画のような展開で、娯楽小説風。
Posted by
(人の世に、道は一つということはない。道は百も千も万もある。道は一つだと信じて猪突する中岡とは、いずれおれは袂をわかたねばならぬときがくるかもしれない。しかし倒幕まではこの男と同じ道を進めるだろう)(p.197) 「談ずる前に」 と、退助はいった。 「解決しておかねばならぬことが...
(人の世に、道は一つということはない。道は百も千も万もある。道は一つだと信じて猪突する中岡とは、いずれおれは袂をわかたねばならぬときがくるかもしれない。しかし倒幕まではこの男と同じ道を進めるだろう)(p.197) 「談ずる前に」 と、退助はいった。 「解決しておかねばならぬことがある。でなければ胸襟をひらくわけにはいかない」 「胸襟を」 「そう。今年のはじめのことだ。わしが京にあったとき、ぬしゃ、わしを斬ろうと企てていたな」 「いや、左様なことは」 と中岡は顔色を変えずにいうと、退助は大喝一声して、 「中岡慎太郎は男児ではないか」 といった。中岡は退助の気魄にうたれ、参った、そのとおりである、といった。退助はうなずき、されば天下の事を談じようとはじめて微笑した。(p.343)
Posted by