ミラン・クンデラの思想 の商品レビュー
謎の表紙絵はなんとミラン・クンデラ直筆のもの。フランス語で出版された作品を翻訳してきた著者による、一連の作品の通底音に対する思考の補助線。クンデラの作品とは小説それ自体が雄弁なため、各作品の引用量が多くなってしまうのは仕方がないところだが、それらの言説をクンデラの生涯と対比させる...
謎の表紙絵はなんとミラン・クンデラ直筆のもの。フランス語で出版された作品を翻訳してきた著者による、一連の作品の通底音に対する思考の補助線。クンデラの作品とは小説それ自体が雄弁なため、各作品の引用量が多くなってしまうのは仕方がないところだが、それらの言説をクンデラの生涯と対比させることで、言葉の外に示されている逆説的意図を炙りだすことに成功している。特に、ここでは彼自身が決して大きな声で語ろうとしない亡命作家としてのクンデラの立ち位置が示されているのが大きい。それは悲劇の、歴史の向こう側に位置する事なのだ。
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