イングリッシュローズの庭で の商品レビュー
児童書とはおもえない読みごたえ。でも一気に読み進めることができる面白さもある。さまざまな体験を通して、真実の愛を知る。女の子にはぜひ呼んでいもらいたい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ジャンル分けをするのは、とても意味のない難しい作業だけれど、この本も難しい。図書館では児童書の棚に仕分けされていたが、子ども向けではない。強いて言えば、ヤングアダルト的ラブストーリーだろう。 イギリスの戦争中の17歳の少女・ローズの物語。美人の姉に対してのコンプレックス、そして恋への憧れ。気まぐれと好奇心とプライドなど、とても「少女」らしく、本来は苦手な分野だったけれど、それほど嫌悪感もなく読めたのは、戦時中という稀な時期の物語だったからかもしれない。 当初は、ローズが疎開して暮らすことになる千鳥荘の元の住人、狂人ヒルダがどんな女性だったのかを知るための日記を読むという謎解きにも似たストーリーが展開し、そういったテーマなのかなと思っていたが、友人となった未婚の少女ドットの出産という生々しい出来事もあったりと、どんどん児童小説から離れていった。 楽しく読んだけれど、アレックスの正体が、ちょっと話の先が読めてしまうところもあり、評価が難しい。ことにアレックスの戦争に行ってに何があったのか、どうなってしまったのか、詳しい説明がされないところが、最後まで消化不良になった。
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少女ローズの愛と成長の物語。上流社会の淑女の物語と思いきや、自由奔放なローズが何度も笑わせてくれました。時代は第二次世界大戦下でいろんな社会問題もからんで辛いお話もあるんですけど、ストーリーの軽快なテンポとローズの元気さが重い空気をとっ払ってくれます。ヒルダという女性の謎もからん...
少女ローズの愛と成長の物語。上流社会の淑女の物語と思いきや、自由奔放なローズが何度も笑わせてくれました。時代は第二次世界大戦下でいろんな社会問題もからんで辛いお話もあるんですけど、ストーリーの軽快なテンポとローズの元気さが重い空気をとっ払ってくれます。ヒルダという女性の謎もからんで最後まで目が離せなかった。ダンスの場面で流れるバラードもいい感じ。とにかく一気読みでした。すすめるなら中学生以上。
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YAと小説の間くらいの物語かな。戦争時の女性の過ごし方という点では先日ブログに書いた「アンの娘リラ」と似ているようだけれども、第一次と第二次大戦の違いとか家族構成の違いとか含めて、かなり色合いが違うのでそう思って読まないとかなと。しっかり守ってくれる大人不在の物語でもあり、性的な...
YAと小説の間くらいの物語かな。戦争時の女性の過ごし方という点では先日ブログに書いた「アンの娘リラ」と似ているようだけれども、第一次と第二次大戦の違いとか家族構成の違いとか含めて、かなり色合いが違うのでそう思って読まないとかなと。しっかり守ってくれる大人不在の物語でもあり、性的なウェイトも大きい。そういうことに対してのメッセージ性もあるので、すすめる前にまず読む、が必須ですな。
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内容紹介を、表紙裏から転載します。 『戦禍のロンドンから、海辺のコテージ「千鳥荘」に疎開してきた、上流階級の姉妹ローズとダイアナ。この千鳥荘には〈狂人ヒルダ〉を呼ばれる女性が住んでいたせいで、疎開者が落ち着いたためしがないという。妹のローズは偶然から、ヒルダの持ち物がしまいこまれ...
内容紹介を、表紙裏から転載します。 『戦禍のロンドンから、海辺のコテージ「千鳥荘」に疎開してきた、上流階級の姉妹ローズとダイアナ。この千鳥荘には〈狂人ヒルダ〉を呼ばれる女性が住んでいたせいで、疎開者が落ち着いたためしがないという。妹のローズは偶然から、ヒルダの持ち物がしまいこまれた小部屋に入る鍵を見つけ、ヒルダの日記を読み始めた。そこには、戦争と家族の犠牲になった、一人に聡明な女性の生涯が克明に記されていたのだった。 そしてヒルダの秘密が、ローズの人生にも大きくかかわり始め・・・・。 世間からさげすまれている未婚の妊婦ドット、書店の主人アレク、近所に住む親切なクラレンス夫人など、様々な人々との交流を通して、淑女のお手本のような姉ダイアナも、自由な精神の持ち主ローズも、真実の愛、そして、人生の目的を見出し大きく成長していく。 英国の海辺の町を舞台に、少女たちの愛と成長を軽快な筆致で描く、青春ドラマ。』 ヒルダが不幸になる原因となった戦争は第一次大戦。ローズたちが現在体験しているのは第二次大戦です。この二つの戦争での出来事がシンクロしているような感じで、ローズに関わってきます。 ローズとダイアナは上流階級とは言っても貴族ではありません。この時代は、子供を私立の寄宿学校に入れることのできる家庭は上流階級とされているみたいです。上流階級の未婚の二人が、二人だけで千鳥荘に住むのはいろいろ大変でした。普通なら誰かお付の人と一緒でないとダメなのです。どうやったのかは読んでのお楽しみ・・・。 疎開先のここはさすがに田舎なので爆撃もありませんが、物資は配給制で建物は軍に接収されたり、軍を支援するための仕事に志願登録する話題など、戦争の影響は影を落としています。 イギリスはキリスト教国だからでしょうか、未婚で子供を産むことがここまで罪悪視されていたとは衝撃でした。日本でもそれは外聞をはばかることでしたが、ヒルダの経験は凄まじいものです。 そして戦争という非常事態では、平時の時よりそういうことが起こりやすいのでしょう。 姉のダイアナは美しく学校でも全ての先生からほめられるような理想的な生徒でした。ローズは同じ学校に入れられたために常に姉と比べられ、劣等感が強くなり自信が全く持てない少女になってしまいました。 最初はダイアナにぼーっとなっていた少年デリーがダイアナをあきらめローズに言い寄ってきた時、もうこんなことはないかも知れないと、デリーに迎合してしまう行動をとってしまいます。ダメだよ、デリーはあなたを愛してるわけじゃない、あなたなら手に入れやすいと思われちゃったのよ!と、読んでいてやきもきしてしまいました。 ローズはヒルダの生涯を知り、ドットとも友情を築き、両親に守られていないからこその経験を積むことで、自分自身と向き合うことが出来ました。本当にやりたいことは何なのか、分かってきたのです。 物語はまだ戦争の途中で終わり、その後のことは描かれていません。でも自分の人生を自分で選んで歩き始めたローズとダイアナ。幸せになれますように・・・・。 これは児童書として出版されてますが、子供にはかなりハード内容です。若草物語とか赤毛のアンなどの少女小説系の感じなのですが、書かれたのが最近(といっても20年位前)だからか描写がかなり赤裸々。 初めてのセックスシーンや、血の匂いが漂う出産シーン、ヒルダの悲惨な経験などとてもリアルです。 でも、恋に恋する年頃の女の子のための素晴らしい内容でもあります。「自分を大切に!きっとあなたに向いているものが見つかるわ」と作者が語りかけてくれてるようです。 すごく良かったので、他の本「おやすみなさいトムさん」を今度読もうと思います。
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児童図書館論なんていう授業で、 ブックリスト用紹介文を書いてみたので転載。 子ども(この場合はヤングアダルトだけれど)向けと大人向けの違いがポイント?! <子供向け> 戦争を避けてイギリスの海辺の田舎のコテージにやってきたローズとダイアナ。きちんとして女の子らしいダイアナと比べ...
児童図書館論なんていう授業で、 ブックリスト用紹介文を書いてみたので転載。 子ども(この場合はヤングアダルトだけれど)向けと大人向けの違いがポイント?! <子供向け> 戦争を避けてイギリスの海辺の田舎のコテージにやってきたローズとダイアナ。きちんとして女の子らしいダイアナと比べて、自分のことが好きになれない妹のローズだが、コテージの前の住人「狂人ヒルダ」の遺品が残された小部屋の鍵をみつけたことから、少しずつ何かが変わり始めた。 <大人向け> 第二次世界大戦下のイギリス、ロンドンから海辺のコテージに疎開してきたローズとダイアナの姉妹。姉と自分を比べて劣等感を持つローズだったが、コテージの前の住人ヒルダの日記に触れ、新しい町での出会いを通して、自分らしい生き方を見つけていく。戦争の影も感じさせつつ、だからこそ何気ない日々の暮らしが一層眩しく感じられる青春物語。
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姉妹が戦争から疎開するために、田舎の別荘に住むはなし。ヒロインのローズは美しい姐に対してすごく劣等感を抱いているんだけど、それから少しずつ成長していく姿にすごく励まされたと思います。本屋のアレクさんがほんとかっこいい…!
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