みちづれ の商品レビュー
じっくり、ゆっくり味…
じっくり、ゆっくり味わいながら読みたい短編集。
文庫OFF
どれも僅か数ページの…
どれも僅か数ページの短編24編を収録している。日常的な束の間の世界を鮮やかに描き出す。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
わくらばと大分雰囲気のちがう作品が多い。書かれた時期が十年くらいちがうからだろうか。モザイクの最初の短篇集であるこの作品集は三浦自身も試し試しで色んなものを書いている気がして面白い。 かきあげがいちばん好きだったかもな。 三浦の短編は最後に人が死ぬことが多いのだけれど、なぜかそこに魅力を感じる。本人は話のオチに困ったら人物を死なせてしまうと対談で言っているけれど、しっかりとひとつの味になっていると思う。ちゃんといい小説の終わりとして死を描けるのは三浦のひとつの特徴なのではないか。
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二分か三分くらいで読める掌編・短編集。 老夫婦が祭りの後の夜、赤裸々に話し合い、何十年も前に妻に乱暴した男がいると知った夫が数夜を通して歩き続け、警察に保護された時、「自分はただ、過去へ向かって歩いていただけだ」と言う。その男に復讐しようとしたのだと。そういう言葉の選び方が良い。...
二分か三分くらいで読める掌編・短編集。 老夫婦が祭りの後の夜、赤裸々に話し合い、何十年も前に妻に乱暴した男がいると知った夫が数夜を通して歩き続け、警察に保護された時、「自分はただ、過去へ向かって歩いていただけだ」と言う。その男に復讐しようとしたのだと。そういう言葉の選び方が良い。 「さんろく」もエッセイが小説に変わる魔術的な最後の一行にただただ感嘆。 著者あとがきに、元は短編小説家を目指していたとあり、この作品集における腕の冴えにも納得。
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昭和の香りのする短編集。 一つ一つ、短いながらも登場人物たちの人生の一端が精緻に描かれることで、それ以前、それ以降に思いを馳せることができる。 昼食時の読み聞かせ放送にどうかな…と思ったのだが、中1~中3、900人以上いる生徒に向けてとなると、情景を思い浮かべられる生徒がどれく...
昭和の香りのする短編集。 一つ一つ、短いながらも登場人物たちの人生の一端が精緻に描かれることで、それ以前、それ以降に思いを馳せることができる。 昼食時の読み聞かせ放送にどうかな…と思ったのだが、中1~中3、900人以上いる生徒に向けてとなると、情景を思い浮かべられる生徒がどれくらいいるか、難しいかな…と断念。別の機会があればと思う。 三浦さんは「ユタと不思議な仲間たち」の原作者だったとは、知らなかった。 劇団四季の公演を何度か観たが、いじめられっ子と座敷童の友情、命の輝きを感じる作品だったなあ。 2020.8.26
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やっぱり三浦哲郎の短編は、いい。 短いなかでも、細かい情景や自分でも気づかないほどの心の動きを思い出させてくれるような。 東北の空気を、本を読むことで吸える感じ。
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さまざまな人の、さまざまな人生が丁寧に描かれていて、のめりこむ。 普段の生活を大切にしていこうと思えるお話たちだった。
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この短編集が一番すきかなあ。。。 一瞬を切り取って ゆたかに表現する、三浦哲郎さんはすごいと思う。
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東京書籍の新編国語総合の小説1に「とんかつ」が取り上げられている。今までこの作者の存在を全く知りませんでした。世の中の人は高校一年生のときにこの作者の著書を読書しているのか。こういうのを読むと国語力がつくのかな?
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ザ・日本近代文学。 短編集というと、どうしても川端康成の『掌の小説』を思い出してしまう。 これはそれよりはやや長いけれど、味わいとしてはそんな感じ。 川の護岸工事のため、立ち退きすることになった途端、家がきしみ、すさみ始めたという「すみか」。 仮住まいの、一部屋ごとに孤絶して...
ザ・日本近代文学。 短編集というと、どうしても川端康成の『掌の小説』を思い出してしまう。 これはそれよりはやや長いけれど、味わいとしてはそんな感じ。 川の護岸工事のため、立ち退きすることになった途端、家がきしみ、すさみ始めたという「すみか」。 仮住まいの、一部屋ごとに孤絶しているはずのマンションなのに、なぜか大蒜のにおいが漂ったり、外で囁く男女の声が伝わって、思いもよらず近くで感じられたりすることを描いた「ささやき」。 筋の起伏で読ませるというより、感覚が捉えた僅かな変化を生命として作られる物語。 わたしの中の「日本近代文学」って、こういうイメージなんだけれど・・・。 三浦哲郎は、戦後にその命脈を保っていた最後の作家なのかもしれない。
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