業火 の商品レビュー
今回は長いにもかかわらず、最後まで面白く読めた。 連続殺人犯のテンプル・ゴールトがケイに殺されて、あっさりと舞台から退場したのに対して、相棒だったキャリー・グレセンは逮捕された後もずっと、復讐する機会を待っていた。 精神異常者として精神医学センターに入院しながらインターネットを...
今回は長いにもかかわらず、最後まで面白く読めた。 連続殺人犯のテンプル・ゴールトがケイに殺されて、あっさりと舞台から退場したのに対して、相棒だったキャリー・グレセンは逮捕された後もずっと、復讐する機会を待っていた。 精神異常者として精神医学センターに入院しながらインターネットを通じて共犯者を探し、脱走したキャリー。 ケイたちが見つける手がかりは、全てキャリーが発見しやすいようにお膳立てしたもの。 徐々に身近に迫ってくるキャリーの気配におびえながら、自分を奮い立たせるように仕事をするケイに、最悪の出来事が降りかかる。 で、ここでちょっと手が止まる私。 実はシリーズの途中の1作を最初に読んじゃったのよね。 だからこれは何かの間違いじゃないのか?と気を取り直して読んだのだけど、間違いじゃないみたい。 うーむむ。 ケイにまとわりつくキャリーの不穏な気配と得体の知れなさ。 衝撃的な出来事の真偽。 私はケイの、すぐに腹を立てて誰にでもけんか腰になってしまうところが好きではないので、今回はルーシーともあまり喧嘩しなかったし、ベントンといちゃいちゃもあまりしなかったので、そこもポイントが高いのかもしれない。 キャリーについては、これで解決したことになるのかどうかわからないので、次がとても気になる。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
スカーベッタが余りに感情的すぎる性格なのは、彼女の個性か、米国知的上流階層女性(かつ独身・離婚・子無し・愛人経験あり)に一般的なものなのか?。 また、マリーノの自虐・毒舌・悪罵ぶりにも正直辟易してきた。 キャラクターらには感情移入できないまま来ているのだが、この作品が米国でそれなりに共感を持たれ、ベストセラー化しているなら、それはそれで米国のある種のリアリティを感じさせるものがあるのだろう。 そうであれば、読む意味が見出せるかもしれない。 一方、科学捜査の有り方や説明の細やかさは、キャラとは逆に興味を感じさせる。今回は火災。そして焼死体の検視か。 これは日頃、見ることも知ることも殆どないものだし、日本のミステリーには余りないように思うので(逆に言うと、グロさレベルは高い)。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
辛い。このシリーズを読んでいて一番辛い。この作者ならやりかねんという展開でもあるけど、やはり辛すぎる。 でも、現実世界で犯罪捜査や解決に携わる人たちの間では、こうした悲劇が頻繁に起きているのかもしれません。だからと言って、主人公のケイの気持ちが和らげられるわけではないですが。 この後の作品で、この大きすぎる喪失感と虚脱感がどう埋め合わされ、どう補われていくのか、括目して読み進めなければなりません。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なんとも悲しい出来事があって……そりゃあスカーペッタは強い女性だけどあまりにも酷い! そして類は友を呼ぶというか、こういう人たちはちゃんと仲間を見つけるものなのねと変なところで感心する。 でもマリーノとのやり取りがほっとさせてくれるというか。マリーノ、健康に気をつけてねと思わずにいられないです。
Posted by
終盤の主人公へのあまりの仕打ちに「嘘でしょっ?!」って声に出してしまいました。 何が起こるかわからないと言う意味ではリアリティのある作品なのかも。
Posted by
マヂか。このシリーズ、衝撃的な出来事がありすぎるよ。だから人気なんだろうけど。 一応、邪悪な凶悪犯との決着はついていることになっていますが、作者のこれ迄の作品から類推するに、犯人の最後は確認されていないですからねぇ。有りがちですが、また、出てきそうな感じがしています。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ベントンが殺された。 妻との離婚が成立したものの、 ケイとの新しい関係が築けておらず、 どういう展開になるのだろうと、心配していたが、 まさか殺されてしまうとは。 関係が展開しそうにないから、 殺しちゃったんじゃないでしょうね、 パトリシア・コーンウェルさん。 せめて、 ケイがこの事実を受け入れ 彼の存在を永遠のものとし、 不安定な精神状態が改善すると良いのだけど。
Posted by
ベントンも死んじゃったし、ここで一区切りなのかな? しかし。。。ルーシーとケイを苦しめるためだけに派手な放火(?)殺人を実行してしまうキャリーの執念深さが怖い。。。
Posted by
凶悪な事件がはびこる世の中です。 いつも、まっとうに生きている人や幼い子どもや善良な人が、犯人の快楽、欲望、妄想の犠牲になっている。 あまりにも残酷で、神様はなぜそんな酷いことをするんだろう、と考えることがあります。 物語の作者もまた、その作品の創造主であり、作品上の神といえま...
凶悪な事件がはびこる世の中です。 いつも、まっとうに生きている人や幼い子どもや善良な人が、犯人の快楽、欲望、妄想の犠牲になっている。 あまりにも残酷で、神様はなぜそんな酷いことをするんだろう、と考えることがあります。 物語の作者もまた、その作品の創造主であり、作品上の神といえます。 コーンウェルは、なぜケイにこんな辛い試練を与えるんだろう。 彼女の人生はこれからどうなっていくんだろう。 連続放火を扱う本作は、全編、くすぶる煙にまかれている印象です。 どす黒い醜悪な煙が早く晴れて、真っ直ぐに生きる人たちが救われますように。
Posted by
とにかく泣きました。涙が止まりませんでした。 受け止めきれない現実とこの作品の登場人物に入れ込んでしまった自分を 今では懐かしく振り返ることができます。 出版当時読んだにもかかわらず シリーズの中でいまだに最も印象に残っている作品です。 まさに業火(原題 Point of Or...
とにかく泣きました。涙が止まりませんでした。 受け止めきれない現実とこの作品の登場人物に入れ込んでしまった自分を 今では懐かしく振り返ることができます。 出版当時読んだにもかかわらず シリーズの中でいまだに最も印象に残っている作品です。 まさに業火(原題 Point of Origin)
Posted by