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ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎 の商品レビュー

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2012/02/21
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※このレビューにはネタバレを含みます

 推理小説にしては抜群に難しかった、ということで★を一個減らしました(笑)。  何でこんなに難しいんだろうと思ったら、尋常じゃないカタカナの多さでしょうか…!?同姓同名が出てきたりして、だんだん「あれ、これって地名だっけ、人名だっけ、それとも何だっけ?」という具合にギンズブルクの森で迷子になってしまいます。  本著は歴史人類学の先駆者C.ギンズブルクのピエロ・デッラ・フランチェスカの作品群の年代推定にまつわる論文の集大成を翻訳したものです。  学際的なテーマに挑戦したこの論文は歴史家が書いた割には形象学的だし、美術史家が書いた割には歴史っぽいという実に微妙な論文です。これを読んだ後いろいろ調べてみたんですが、主張されていることはだいたい破綻してます。この底の浅さに何か隠された秘密があるんじゃないかとすら思ってしまう。  ただ、そのスリリングというか、謎めいた構図の奥にある数々のメッセージの発見に著者と一緒に興奮してしまいます。読みにくい『邪馬台国はどこですか?』みたいなノリで読むのがとても正しいと思います。  この本の功績というのは、画家とパトロンの関係や、絵画を巡るカトリック圏の政治世界を考えさせると言う所にあるんでしょうね。  補論が4件追加されていますが、著者の結論はそれによって変わる訳ではない(既に本論を修正済み)なので、本論だけ読んでも大丈夫だと思います。

Posted byブクログ