坂の上の雲 新装版(四) の商品レビュー
ひたすら日露戦争のお話。 日本の陸軍の旧態依然さにところどころイラッとしてしまうし、 秋山兄弟はあまり出てこないし・・・ 考えさせられはするけれど楽しんで読んではいなかったと思う。 戦争はいやだな。
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5月22日読了。日露戦争が本格化、真之はロシア旅順艦隊を湾内に封鎖すべく戦闘し、好古はコサック騎兵を引きつけつつ陸戦を繰り返す・・・が、この巻の主役は日本の第三軍を率いる乃木希典と参謀・伊地知幸介か・・・?後半は辟易するほどに旅順で築かれる死体の山と乃木らの無謀さ、日本軍の体力の...
5月22日読了。日露戦争が本格化、真之はロシア旅順艦隊を湾内に封鎖すべく戦闘し、好古はコサック騎兵を引きつけつつ陸戦を繰り返す・・・が、この巻の主役は日本の第三軍を率いる乃木希典と参謀・伊地知幸介か・・・?後半は辟易するほどに旅順で築かれる死体の山と乃木らの無謀さ、日本軍の体力の弱さが強調されるが、あまりに悲惨かつ滑稽すぎて却って現実味を感じるくらい。混乱の渦中にいるものが、後世に生きる小説家のように状況を俯瞰して把握することなど無理なのかもしれない・・・。「智謀湧き出るがごとく」と何度も褒め称えられる真之や児玉源太郎が大ポカをしたり。まあ天才ほどリスクをとるもので、失敗したときの結果も大きくなってしまう、というものなのかもしれない。
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本巻では日露戦争の遼陽大会戦から旅順総攻撃までが描かれている。司馬先生が意図したか否かは分からないが、本巻のテーマは「ダメな指揮官」なのではないかと邪推したくなるくらい、ダメな指揮官が描写されている。勿論、日露両国とも。 日本陸軍は第二軍司令官の乃木希典とその参謀長の伊地知孝介...
本巻では日露戦争の遼陽大会戦から旅順総攻撃までが描かれている。司馬先生が意図したか否かは分からないが、本巻のテーマは「ダメな指揮官」なのではないかと邪推したくなるくらい、ダメな指揮官が描写されている。勿論、日露両国とも。 日本陸軍は第二軍司令官の乃木希典とその参謀長の伊地知孝介、ロシアはバルチック艦隊司令長官のロジェストウェンスキー少将である。 乃木と伊地知は大本営から戦略的利点から散々「203高地を攻めよ」と命令を受けているにも拘わらず、あーだこーだ理由をつけて動かない、そのくせ全面強行突破などを強いて貴重な兵隊を無駄死にさせる、自らは危険な前線には出ようともしない、縁起がいいという理由で毎月26日を攻撃日に設定し敵将ステッセルに読まれている…等々。ダメ経営者、ダメ上司の典型である。それでも自分の死が勝利への道につながると信じ勇敢に戦い、死んでいった麾下の兵隊が不憫でならない。当時の師団は出身地域ごとに構成されており、その上に司令官や参謀長等の幹部が就任する形であるので、まさに現在のサラリーマンと同じく「上司は選べない」。藩閥政治のしがらみ(乃木は長州藩出身、伊地知は薩摩藩出身)で任命されており、現在の企業でいうと、無能にも拘わらず経営者の同族を幹部に据えるダメ会社といったところか。 片やロシアのバルチック艦隊司令長官ロジェストウェンスキー少将の記述は抱腹絶倒ものだった。臆病極まりないのだ。「日本の駆逐艦がデンマーク海峡で待ち伏せしているらしい」「日本の水雷艇がヨーロッパ北部の海に待ち伏せている」などと妄想し、ビクビク怯えながら航海し、揚げ句の果てにはイギリス漁船群を日本水雷艇と勘違いし激しく攻撃してしまう…。 リーダーにはある程度の慎重さは求められるだろうが、度を越している。作中、司馬先生はこう言う。「恐怖心の強い性格であることは、軍人として必ずしも不名誉なことではなく、人間の智恵は勇猛な性格から生まれるよりも、恐怖心の強い性格から生まれることが多い。古今の名将は、それを自分の胸中に閉じ込め、身辺の配下にさえ知られぬようにした。それが統帥の秘訣である」 まぁこのお陰でバルチック艦隊はあちこちで足止めを喰らい、極東への到着が遅延し、日本軍はそれに助けられた。日露戦争における日本の勝利は、こうしたロシアの自滅による原因が大きい。勿論、日本軍も先に挙げた乃木&伊地知といった無能なリーダーにより危険な部分は有ったのだが、自滅の面でロシアが上回ったということだろう。 これは戦争のみならず、仕事やスポーツ等でもあてはまるものだ。企業間競争を例にとれば、他社との売上合戦に精を出しても自社内で内部分裂が勃発していれば他社に抜きん出るどころか自滅するのが関の山というものだ。テニスでもそう。相手の弱点を攻めようとしても、そもそも精神的プレッシャーに負けてダブルフォルトを続けていては勝てない。これも自滅。受験生時代によく先生から「敵は他人でなく自分の弱い心だ」と叱咤激励を受けたものだが、嘘ではないということか。 今まで本作品では見習うべきリーダーが描写されていることがほとんどだったが、本巻においては「反面教師」を見ることが出来て興味深いものであった。
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下瀬火薬がロシア軍艦の甲板を吹き飛ばす描写に燃えてしまう黄海海戦、日露陸軍がついに本格的な決戦を繰り広げる遼陽会戦、著者が繰り返し指揮官の無能を批難する旅順砦攻撃、そしてついに大回航するバルチック艦隊・・・と、若干秋山兄弟は影薄いが読みどころ満載。両軍沙河をはさんで冬営が避けられ...
下瀬火薬がロシア軍艦の甲板を吹き飛ばす描写に燃えてしまう黄海海戦、日露陸軍がついに本格的な決戦を繰り広げる遼陽会戦、著者が繰り返し指揮官の無能を批難する旅順砦攻撃、そしてついに大回航するバルチック艦隊・・・と、若干秋山兄弟は影薄いが読みどころ満載。両軍沙河をはさんで冬営が避けられぬ段になったとき、兵站経理部長の機転で日本軍はいち早く木炭を集めることができたというエピソードがわずか1頁で紹介されているが、この赤尾清穆というような無名の人々の知恵が多くの命を救いそして今日がある。東北の震災でもきっと誰かによって誰かが救われているに違いない。一人で生きている命などないのだな、と改めて思わされる。
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知らなかった。1ページぐらいでしか記述がない日露戦争に、こんなにもドラマがあること。そのほとんどが苦悩だということ。勝ったから◯、負けたら×なんておかしな話だと思う。どの戦争が良いも悪いもない。 ただ、この時代にいたら、戦争は避けられなかったのかもしれない。 占領されたら困る。国...
知らなかった。1ページぐらいでしか記述がない日露戦争に、こんなにもドラマがあること。そのほとんどが苦悩だということ。勝ったから◯、負けたら×なんておかしな話だと思う。どの戦争が良いも悪いもない。 ただ、この時代にいたら、戦争は避けられなかったのかもしれない。 占領されたら困る。国を守るために、苦渋の想いで行った決戦だったのだ。 だから、戦争をやった日本は無能だ、なんて言えない。 何も知らずに、語っちゃいけない。
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戦争って滑稽である。 やってる本人達は命を賭けて何かたいそうな大仕事をやってるつもりなのだろうがそれがまたどうにも阿呆らしい。 派閥の仲間だから誼で登用しちゃえ、的な発想は明治の頃から治っていないようである。 それにしても司馬氏の物言いは笑ってしまうほど辛口でいい。
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【概要】 東郷艦隊は黄海にて極東艦隊と海戦するも、一部の敵艦が旅順へ戻ったため、封鎖を続けざるを得なくなる。陸側から港内のロシア艦隊を撃滅するべく、陸軍の乃木軍(作戦参謀は伊地知)に旅順港内が見下ろせる要塞の穴場である二〇三高地を獲るよう依頼するも、乃木軍の単独判断により作戦が遂...
【概要】 東郷艦隊は黄海にて極東艦隊と海戦するも、一部の敵艦が旅順へ戻ったため、封鎖を続けざるを得なくなる。陸側から港内のロシア艦隊を撃滅するべく、陸軍の乃木軍(作戦参謀は伊地知)に旅順港内が見下ろせる要塞の穴場である二〇三高地を獲るよう依頼するも、乃木軍の単独判断により作戦が遂行されず。 陸軍は南山、金州、沙河を経て、からくも遼東半島を進む。ただし兵力、火力(砲弾)とも欠乏する中、冬季にもつれこみ戦線が動かなくなる。一方で旅順要塞での戦いが膠着。海軍(薩閥)で山本権兵衛が実施したような内発的な改革を遂げていない陸軍(長閥、山県有朋)では組織が官僚化していた。特に旅順を担当する乃木への命令系統は一本化されていないうえ、乃木軍自体も愚劣。本来なら、単に海軍の支援として二○三高地を獲ればよかった乃木軍が愚劣極まる正面衝突に走り、膨大な数の生命が奪われると共に、戦局そのものが暗礁に乗り上げる。 その裏で、戦時資金と講和について画策が行われる。加藤是清に託された外債募集は、日本人による海外報道機関の操作が稚拙過ぎたために難航するも、ユダヤ系の支援により好転。また、短期講和へ持ち込むための裏工作として明石元二郎(公使館付武官)に金を握らせ、レーニン等の革命家に接近させ、ロシア国内から帝政を脅かした。
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オフィス樋口Booksの記事と重複しています。記事のアドレスは次の通りです。 http://books-officehiguchi.com/archives/3927710.html 満州ではクロパトキンの謎の退却、旅順総攻撃では乃木希典と伊地知幸介の作戦の立て方が下手であるた...
オフィス樋口Booksの記事と重複しています。記事のアドレスは次の通りです。 http://books-officehiguchi.com/archives/3927710.html 満州ではクロパトキンの謎の退却、旅順総攻撃では乃木希典と伊地知幸介の作戦の立て方が下手であるため、死者が多く出たことが取り上げられている。 陸軍では、物資、弾薬がないため兵士が肉弾となって戦死していく光景も見られるなど、ロシアと比べるとかなり不利に見える日本が、どうして日露戦争に勝ったのか『坂の上の雲3』の感想に続き、疑問に思った。結果オーライのような気もするが、次の『坂の上の雲5』も読み進めていきたい。
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かなり丁寧に史実を検証して、書かれているな~ 読んでいて、情景がもの凄く想像できて、ぞくぞくした それにしても秋山兄弟って破天荒だな~
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