つきあい方の科学 の商品レビュー
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・協調関係がどんな場合に生ずるかを理解すれば、ある特定の状況で協調関係を進展させていくのにふさわしい行動がわかる。 ・反復囚人のジレンマ→ゲーム理論に使われる概念で、互いに協力すれば双方が利益を得て、どちらかが裏切れば裏切った方が大きく利益を得て、両方裏切れなばどちらも損をする。短期的には裏切ったり方が個人の利益は大きいが、長期的な関係であれば協調関係を作った方が互いの利益は大きい。 ・あるコンピュータ選手権でのゲーム理論の専門家たちが出した結果、最も成績がよかったのは「しっぺ返し」。初回は協調し、次からは相手がとった行動をとる戦略。 ・成功につながる付き合い方がもつ4つの特徴。相手が協調している限り、不要ないさかいは避けること。相手がふいに裏切ってきたときは怒りを表す可能性を示すこと、一度怒りを表したあとは、心を広くして長く遺恨をもたないこと。相手が自分についていけるように明快な行動をとること。 ・相手の成功を羨むな、自分から先に裏切ったりしてはいけない、相手の協調にも裏切りにもそれ相応のお返しをせよ、そして策に溺れるな。 ・「しっぺ返し」が成功する要因を繰り返すと、自分の方から裏切り始めることはなく、相手の裏切りには即座に報復し、心が広く、相手に対して分かりやすい行動をとること。 ・第一次世界大戦では、ドイツ軍とイギリス軍の間に、殺しも殺されもしない戦争が成立し、敵同士でも協調関係が生まれた事例がある。 ・継続して行われる反復囚人のジレンマでうまくやる4つのアドバイス。 ① 目先の相手を羨ましいこと ② 自分の方から先に裏切らないこと ③ 相手の出方が協調であれ裏切りであれ、その通り相手にお返しすること ④ 策に溺れないこと ・自分のためによくしようと思うなら、相手よりもうまくやる必要はない。大勢の違った相手と付き合うときは特にそうで、どの相手と付き合うときも、自分と同じかあるいは相手に少しだけ花を持たせてやるのがよい。 ・相手の成功を羨むことは何の得にもならない。相手の成功は自分がうまくやるための必要条件である。 ・付き合い方のコツは他人に勝つことではなく、他人からうまく協調を引き出す事 ・協調する条件は付き合いが長続きすること 【所感】 ゲーム理論に基づいて科学的に付き合い方の戦略をアプローチ。目には目をの「しっぺ返し」が中長期的に関係を続ける場合は最適な戦略であり、短期的な付き合いであれば理論上は裏切った方が得。裏切られたら確固たる怒りを示すことで搾取されなくなる。 今後の人付き合いをしていく上で留意しておきたいことは、自分からは絶対に裏切らない、相手から裏切られたらすぐに反応して怒りを示す、ただし報復は限定的とし、その後は心を広くして協調性を示す。分かりやすい人間として周囲に認識してもらい、継続的な協調関係を築いていくことが大事。 そして相手に勝とうとは思わない、同点か少し負けて相手に花を持たせるのが丁度良い。相手から協調関係を引き出すのが重要。
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ゲーム理論における有名な「囚人のジレンマ」に絡めて、実社会においての協調・裏切りの選択にアドバイスを与えてくれる一冊。 それぞれの結論には科学的根拠も付録されており、読み応えがありつつ文体は意外と読みやすく工夫されている。 ゲーム理論のプログラム選手権で普遍の強さを誇った「し...
ゲーム理論における有名な「囚人のジレンマ」に絡めて、実社会においての協調・裏切りの選択にアドバイスを与えてくれる一冊。 それぞれの結論には科学的根拠も付録されており、読み応えがありつつ文体は意外と読みやすく工夫されている。 ゲーム理論のプログラム選手権で普遍の強さを誇った「しっぺ返し」プログラム(最初は協調し、それ以降は相手の行動と同じ行動をとる)の強さを分析し、意思決定をいくつかの要素に分解している。 長期的な関係が見込める場合は、互恵主義に基づき互いに協調し両方とも得をするのが最善であるが、あらゆる状況に対応できる唯一解は存在しない。 以下重要。 ・相手の裏切りに対し、即座に反撃を表すこと ・協調を引き出すこと ・長期的な関係が続く相手かどうか見極めること
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囚人のジレンマについての解説。 目の前の相手より高い得点を上げる必要はない(目先の相手を羨まない)。 相手が裏切らない限り、こちらも裏切らないという互恵主義。 報復は限定的なものにとどめる。 第一次世界大戦中の塹壕戦でも囚人のジレンマに基づく協調が生まれていたというのは面白い。 また、協調関係という点について、血縁選択説ないしドーキンスの遺伝子選択説を側面的に説明できるのも興味深い。
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開始:2022/11/9 終了:2022/11/16 感想 目の前の相手を打ち負かさずともうまくやれる。時間的或いは空間的に少し視野を広げるだけで今よりもうまくやれる。協調は最大の武器となる。
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有名な囚人のジレンマの汎用性の高さが再確認できる内容でした。 1目先の相手を羨まないこと 2自分の方から先に裏切らないこと 3相手の出方が協調であれ裏切りであれ、その通り相手にお返しをすること 4策におぼれないこと 相手よりいい成績を望まない 上品さ、怒れること、心の広さ、単純明快さ
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すでに十分古典ですが、この手の話題に興味のある人にとっては、一度は読んでおく必要がある必読の書の1つであることは間違いないでしょう。とはいえ、その後の研究動向を知らないと、TFTを過度に評価してしまうので、その点は注意が必要です。このあたりのことも含めて、その後を分かりやすくサー...
すでに十分古典ですが、この手の話題に興味のある人にとっては、一度は読んでおく必要がある必読の書の1つであることは間違いないでしょう。とはいえ、その後の研究動向を知らないと、TFTを過度に評価してしまうので、その点は注意が必要です。このあたりのことも含めて、その後を分かりやすくサーベイした書籍が早く出るといいのですが…。
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どうすれば協調関係を築けるのか、ゲーム理論、くり返しゲーム理論に則って科学的に解説した本で読んでいて腑に落ちて心地よい。 第一次世界大戦の塹壕戦で、敵同士なのに協調関係が一時的に生まれて、撃ち合わない状態が続いたこと、生物の進化もゲーム理論で説明できる点が面白かった。 長期的な...
どうすれば協調関係を築けるのか、ゲーム理論、くり返しゲーム理論に則って科学的に解説した本で読んでいて腑に落ちて心地よい。 第一次世界大戦の塹壕戦で、敵同士なのに協調関係が一時的に生まれて、撃ち合わない状態が続いたこと、生物の進化もゲーム理論で説明できる点が面白かった。 長期的な協調関係を築くには「しっぺ返し(Tit-for-Tat)」をする。 相手に対して自分の行動を予測可能にでき、信頼を生むことができるから。
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レビューはブログにて https://ameblo.jp/w92-3/entry-12611085103.html
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様々な問題が指摘されていることは承知の上で読んでみた。 有名な「しっぺ返し」戦略については、自己啓発本なども含めて様々に紹介されているものの、本書では描かれ方が違う印象だった。本当の「しっぺ返し」をまとめると、 ・しっぺ返し戦略は常に相手に勝つ戦略ではない ・しっぺ返し戦略が...
様々な問題が指摘されていることは承知の上で読んでみた。 有名な「しっぺ返し」戦略については、自己啓発本なども含めて様々に紹介されているものの、本書では描かれ方が違う印象だった。本当の「しっぺ返し」をまとめると、 ・しっぺ返し戦略は常に相手に勝つ戦略ではない ・しっぺ返し戦略がトップになれない状況もある ・しっぺ返し戦略は互恵主義にもとづく ということでした。 副題の通り、(ゲーム理論ではなく)微生物からパールハーバーまで「しっぺ返し戦略」で世界を読み解くというのはおもしろい。
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永続するつきあいでは、単純なしっぺ返し戦略が有効。 最初から有限回とわかっていれば、お互い裏切りあうことになる。 お互い協調行動が続くことが一番の利益。そのためには最初から協調し、相手が裏切ったら報復する。 しっぺ返しが有効なのは、相手が理解しやすいから。自分から相手を搾取するこ...
永続するつきあいでは、単純なしっぺ返し戦略が有効。 最初から有限回とわかっていれば、お互い裏切りあうことになる。 お互い協調行動が続くことが一番の利益。そのためには最初から協調し、相手が裏切ったら報復する。 しっぺ返しが有効なのは、相手が理解しやすいから。自分から相手を搾取することは放棄していることがわかりやすい。 全面裏切りは集団的に安定している。皆が裏切りあうことになる。それ以外はない。 戦争でも膠着状態になるとお互いに手加減する場面があった=協調関係が敵対同士でも自然に生まれた。 生物学への応用=微生物は、宿主の死が近くなると共生関係から寄生的関係になる。ガンを生じさせるウイルスも同じ。 敗血症を生じさせる腸内バクテリアなどもその戦略である可能性がある。ダウン症などの高齢出産に伴う遺伝症も囚人のジレンマによって生じている可能性がある。 効果的な選択とは 相手を羨まない、自分から先に裏切らない、しっぺ返しする、策に溺れない。 将来に重みを増やす=将来の関係のほうが大事だと思わせる=つきあいを頻繁にすることと同じ。 つきあいの細分化=外交関係で段階的に実現すること。途中で裏切ることの意味がなくなる。 しっぺ返しの弱点は、ひとたび争いが始まると終わらない点。
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