花が語る中国の心 の商品レビュー
美女と食物を同類に扱…
美女と食物を同類に扱うのはどうかな、と思うのですが、確かに豪華絢爛で奥深い世界でした。
文庫OFF
花にまつわる様々な逸話や風習、人々が寄せた想いを辿っていく一冊。 どちらかというとエッセイのような語り口で非常に読みやすい。 面白かったのがその花を使うレシピを時折載せていることで、かの世界がぐっと身近に感じられた。
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中国では、詩人が輩出した。なぜなのだろうか? 日本では、和歌となって、ひとつの文化を創った。 漢字のもつ奥深さ。音としてよんだ時の語感 杜甫、白居易、李白・・ 文化大革命以後に、なぜ詩が生まれないのか? 今回、不思議な本の感じをうけた。 王敏さんは、一体何を言おうとしていたのだ...
中国では、詩人が輩出した。なぜなのだろうか? 日本では、和歌となって、ひとつの文化を創った。 漢字のもつ奥深さ。音としてよんだ時の語感 杜甫、白居易、李白・・ 文化大革命以後に、なぜ詩が生まれないのか? 今回、不思議な本の感じをうけた。 王敏さんは、一体何を言おうとしていたのだろうか? 中国の求めているテーマが、「不老不死・健康」にまとめているが、 このテーマは、ある意味では、皇帝達の希望かもしれない。 庶民は、もっと違っていたのではないだろうか? 中国人が好きな花 (1987年;全国投票) 梅、ボタン、菊、蘭、月季、杜鵑(ツツジ)、 山茶(サザンカ)、蓮、桂花(キンモクセイ)、水仙。 桃 は中国では、特別な意味を持っている。 孫悟空が、修業の場の三星洞の裏山の爛桃山の桃を食べた。 3000年に1度だけ実を付ける桃。仙桃という。 孫悟空は、不老不死の生き方を手に入れた。 桃源郷 桃の花が咲き乱れる。理想の秘境。 桃の発音は、「tao」 逃「tao」、刀「dao」 魔よけの神木とされた。 桃人、桃弓、桃印。 菊の品種は、中国で、さまざまに改良された。 そして、食事にした。 「菊花茶」 菊の効能は、解毒、腫毒、頭痛、高血圧、 肝臓や腎臓にたまった熱を冷やす消熱作用、 疲れ目、風邪に効く。 晋の時代の葛洪は「抱朴子」で、仙薬を3つのランクに分けている。 上薬 延寿の期待と神への近づきとして苦痛のない昇天へ誘う。 秘薬中の秘薬。時には鬼神をも操作する能力をつけさせる。 中薬 健康を保させる。 下薬 病気を治させる。 月にすむもの。 嫦娥 不老不死の薬を飲んで、月に追放された。 ヒキガエルが、月に住んでいる。
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中国文化と花の関わりがこれほど深いものとは。 中国の文学、習慣、少数民族の伝説から日本の古典文学までが豊富に集められていて、読んで楽しい本だった。 「百花料理」、花を使った中国料理のレシピが添えられているのも楽しい。 第1話 百花盛宴 さまざまな花の精を、中国では女性の仙女として捉えるらしい。 それが百花仙子。 思いのままに花を咲かせたい則天武后との戦いは、たくさんの書物に出ていることなのだろうか。 第2話 桃美人の美容食 西王母の仙桃は不老の力を持つ。神仙思想との結びつきが強い。 それを孫悟空が人間界に「空輸」したとされる! 不老不死のシンボルにして、女性のシンボルとして、中国文化でも思い意味を持つ桃。 その音(tao)が、「逃」「刀」に通ずることから、桃で作った弓や人形、ほうきが魔よけの意味を持ち、やがて武将を描いた「桃符」を生み出したという。 このつながりは想像だにしなかったことで、目からウロコの落ちる思いがした。 第3話 桜嬢の渡日 中国では、桜は実を楽しむための木なんだそうだ。 花を愛でるのは、雲南省の少数民族のイ族。 桜の花をめぐる伝説があるのだそうだ。 桜の精「ミール」が土地の権力者に嫁がされ、自殺する。 彼女に恋をしていた青年が後を追い、その血で桜は赤く染まったという伝説だ。 第4話 菊君子の隠逸 易学では、一桁の奇数で最も大きく、一桁の奇数である一、三、五を足して得られる「九」を特別な「陽数」として珍重する。 その「九」が二つ重なるから、九月九日は重陽の節句。 登高や菊華酒の習俗が紹介されている。 菊は老境の美の象徴であり、敬老思想と深く結びついているとか。 他に、菊と並ぶ隠逸の花として、蓮のことも触れられていた。 第5話 桂花婦人の色香 「桂花」は金木犀。 月の精嫦娥に恋をして、天上界の「天蓬元帥」から豚に変化されられたのが猪八戒! 嫦娥の夫は、弓の名人、羿(げい)。 堯帝の時代、十個の太陽を射落とした伝説の名手だが・・・ 嫦娥には西王母の不老不死の薬を盗んだという伝説もあり、月へ追放されたとか。 嫦娥は罰として醜い蟾蜍(せんじょ)に姿を変えられたとも。 月には蛙と兎がいるとするのが、中国の民間伝承。 月で兎の姿になった嫦娥が、償いとして同じ薬を作ろうと薬をついている・・・というのもあるんだそうだ。 これまで切れ端として知っていた話が、つながってびっくりだ。
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読み物としては面白いのですが、憶測が多いので資料としてはあまりオススメできません。物知りな人と飲みの席で雑談してるような感じ。 この本のユニークなところは、花を使った料理レシピを実際に紹介してくれること。
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