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マネー敗戦 の商品レビュー

3.6

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2011/04/15

[ 内容 ] 経済危機にあえいできた日本は、じつは世界最大の債権国。 この国際経済の常識を逸脱した現象の背後には、ドルという通貨が、事実上の基軸通貨でありながら、アメリカ一国の経済政策と分かちがたく連動し、その意向を反映した価値の変動をほしいままにしているという現実がある。 ドル...

[ 内容 ] 経済危機にあえいできた日本は、じつは世界最大の債権国。 この国際経済の常識を逸脱した現象の背後には、ドルという通貨が、事実上の基軸通貨でありながら、アメリカ一国の経済政策と分かちがたく連動し、その意向を反映した価値の変動をほしいままにしているという現実がある。 ドルとともに生き、ドルの罠に落ちた日本経済二十年の禍根…。 [ 目次 ] 第1章 マネー大国の興亡 第2章 日米共同幻想(1980~1985) 第3章 国際政策協調の病理(1985~1990) 第4章 日米再逆転(1990~1995) 第5章 マネー敗戦・アジアへ(1995~) 第6章 鎖国の代償 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2011/03/24

20110306読了 日本がドル建て債権で間接的にアメリカを潤してきた、という指摘。イギリス→アメリカ→日本、という資本輸出トップ国の推移、にもかかわらず円が基軸通貨にならなかった経緯は興味深い。マクロ経済が分からず、理解できなかった部分も多かったのが残念。マクロ経済を勉強して...

20110306読了 日本がドル建て債権で間接的にアメリカを潤してきた、という指摘。イギリス→アメリカ→日本、という資本輸出トップ国の推移、にもかかわらず円が基軸通貨にならなかった経緯は興味深い。マクロ経済が分からず、理解できなかった部分も多かったのが残念。マクロ経済を勉強してから要再読。

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2010/03/05

日経ビジネス 貿易黒字の陰のもう1つの敗戦を「極論」で語る 1980年代の「日米貿易戦争」の裏面では、並行して「日米マネー戦争」が進行していた。メディアはこの戦争に気づかなかった。政策当局には、そもそもマネー戦略という発想がなかった。そして日本は、敗れた…。 以上が本...

日経ビジネス 貿易黒字の陰のもう1つの敗戦を「極論」で語る 1980年代の「日米貿易戦争」の裏面では、並行して「日米マネー戦争」が進行していた。メディアはこの戦争に気づかなかった。政策当局には、そもそもマネー戦略という発想がなかった。そして日本は、敗れた…。 以上が本書の主張である。そして、この主張を裏付ける例として、日本が買い込んだ巨額の米国国債が、米政府のドル安誘導によって、95年の円高ピーク時には、約7割も価値を失ったことを挙げる。著者は、「極論すれば、アメリカが債務を負う相手国の国力を殺そごうと思えば、為替相場をドル安に誘導するだけでこと足りる」と言う。 本書を読んで、「悪いのは米国だ、米国がドルの罠わなを仕掛けて、日本を破滅させた」と短絡的に思いこむ人が増えるのではないかと、いささか心配になる。 確かに「マネー戦争で、日本は負けた」ように見える。敗戦とは、恐らくバブルの発生と崩壊、それに続く不況、日本の金融機関のテイタラクを、ひっくるめて言っているのだろう。 しかし、それをすべて米国のマネー戦略のせいにするのは、わかりやすすぎるのではないか。 ドル基軸通貨戦略が米国にあることは、著者の指摘の通りである。だが、そのためには、米国は自由貿易を維持し、国内市場を開放し続けねばならなかった。 一方日本の戦略は、一貫して輸出立国である。それは米国が国内市場を開放し続けることが条件だ。つまり米国がドル基軸通貨戦略をとって米国市場を開放し続けることが、日本の輸出立国戦略にとって、必要条件であった。 そして日本の輸出戦略は、あまりにもうまくいった。増え続ける対日貿易赤字によって米国はドル切り下げか、輸入規制か、二者択一に追い込まれた。日本は米国を保護貿易に走らせないために、ドル切り下げに協力し、稼いだ貿易黒字を米国債購入で還流させ、米国の経常赤字を補填した。つまり日本は輸出立国戦略を貫くため、ドル基軸通貨戦略を支えた。その結果、「貿易戦争」では今も勝ち続けている。 著者はそんなことは百も承知で、あえてこの不幸な構造と、基軸通貨国米国の堕落に気づかせるために、「極論」しているのだろう。本書がベストセラーになり、その目論見もくろみは見事に成功した。が、ドル下落による保有米国債の差損を例に出すなら、逆にドル換算したときの日本の国内総生産(GDP)や国民所得が3倍近くに膨れ上がった差益についても触れないとフェアではない。 (ノンフィクション作家 野口 均)(日経ビジネス1999/2/8号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.) 目次 序にかえて―二十年の禍根 第1章 マネー大国の興亡 第2章 日米共同幻想(1980~1985) 第3章 国際政策協調の病理(1985~1990) 第4章 日米再逆転(1990~1995) 第5章 マネー敗戦・アジアへ(1995~) 第6章 鎖国の代償 終わりに キリギリスの「ニュー・エコノミー」

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2011/04/26

バブル崩壊などの経済問題をマネー戦略の観点から読み解く。世界最大の債権国である日本が経済危機に陥ったのは、基軸通貨のドルがアメリカの経済と連動しているという国際通貨システムの矛盾に、根本的の原因があると観ている。第一章では、世界最大の債権国がイギリス、アメリカ、日本と移り変わる歴...

バブル崩壊などの経済問題をマネー戦略の観点から読み解く。世界最大の債権国である日本が経済危機に陥ったのは、基軸通貨のドルがアメリカの経済と連動しているという国際通貨システムの矛盾に、根本的の原因があると観ている。第一章では、世界最大の債権国がイギリス、アメリカ、日本と移り変わる歴史をたどる。アメリカが経常赤字により債務国となってからも、日本からの資本流入を元に世界へ債権国として振舞っていた。しかも日本からの資本がドル建てであったことが、後の問題を引き起こしている。第二章では、「世界経済のシンボル化」を背景に、日本が対米貿易で蓄積した黒字でアメリカ債権を買い続けて大債権国となった流れを説明する。そのためドル高の流れとなる。アメリカにとっては経常赤字を埋める手段であり、流入した資本を元にさらに日本製品を買う。第三章では、為替はプラザ合意によりドル安へ動く。期待に反してアメリカの産業は活性化せず、貿易収支は改善されない。一方日本の資産価値は半減してしまう。にもかかわらず大蔵省の指導やバブル経済による余力でドルを買い続けてしまう。為替相場がシンボル経済化しアメリカが為替市場に影響を与える情況で、ドル建てで資本を凍結したことを「取り返しのつかない失策」と指摘する。第四章では、ジャパン・マネーを脅威に感じたアメリカがバブル潰しへの圧力をかけ、日本の世論とも共鳴する。予算編成にまで踏み込まれて財政破綻につながる。為替は円高に進んで日本は打撃を受け、ジャパン・マネーの代わりにアジア・中南米からの資本がアメリカへ流れるようになる。アメリカでは製造業が復活し、金融緩和によって景気回復する。第五章では、産油国の動向もあってドル安の時期は終わるが、日本経済は復活できない。銀行を救済するための低金利政策が不況を長引かせる。低金利のため再びドルを買い始める。「ウォール街スタンダード」がアジア全域に広まり、通貨危機も引き起こす。第六章では、大蔵省と金融機関が既得権益を守るために、金融市場の規制緩和とインフラ整備が進まなかった経緯を語る。円建て資本輸出が進まず、為替相場や海外格付け機関に右往左往する状態が続く。この状態を脱却するために、円がユーロの傘下に入ることを提案して終わる。目次 第一章 マネー大国の興亡 第二章 日米共同幻想(1980~1985) 第三章 国際政策協調の病理(1985~1990) 第四章 日米再逆転(1990~1995) 第五章 マネー敗戦・アジアへ(1995~) 第六章 鎖国の代償多方面にわたる盛りだくさんの内容が詰め込まれている。理解し切れなかった部分も多いので再読したいし、2000年以降の状況を盛り込んだものも読んでみたい。盛り込みすぎて話が飛んでいるように感じられるところもあるが、ページ数と内容からすれば仕方ないのだろう。10年前に書かれた本であるが、日本の金融政策はあまり変わっていないのではないか。サブプライムにはじまる金融不安への対応をみると今後のドル安は避けられないのだろうが、対応する政策が練られていると信じたい。世界は10年前よりも密接に結びついているためドルと離れることは不可能だろうが、円独自の経済圏を構築したり、ユーロとの連携を進める構想には未来を感じる。こうした国家戦略を唱える政治家が出てこないものだろうか。「終わりに」に、アメリカのベビー・ブーマーが引退して資産を取り崩す立場に回ると株式需給が一変する、という指摘がある。そのピークが2010年という。すると今回の金融不安問題が一段落した後で、株とドルの暴落がもう一度来るということだろうか。

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2009/10/04

基軸通貨を握り、為替を自在に操る政治力を持つことがどれだけ恐ろしいかよく分かる。 安易に対米追従・思考停止することが厳に戒められているが、まったくその通りだと思う。 経済学を学んでから再読したい本。 追記:著者は2010年に米ベビーブーマー世代の年金基金償還が株価下落...

基軸通貨を握り、為替を自在に操る政治力を持つことがどれだけ恐ろしいかよく分かる。 安易に対米追従・思考停止することが厳に戒められているが、まったくその通りだと思う。 経済学を学んでから再読したい本。 追記:著者は2010年に米ベビーブーマー世代の年金基金償還が株価下落を招くと警告している。売り圧力となるのは確かかもしれないのだが、償還された現金に見合う資源が充足するのかな?とふと思った。

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2009/10/07

前に読んだ本と同じでバブル後の日米について書いた書。日本は債権国で不況で、アメリカは債務国で好景気という対比。 そこに存在するのは基軸通貨という支配力の違い。 日本はアメリカが無理やりに制度化した変動相場制のなかで「外国為替」と「公定歩合」という二つのブラックホールのような装置に...

前に読んだ本と同じでバブル後の日米について書いた書。日本は債権国で不況で、アメリカは債務国で好景気という対比。 そこに存在するのは基軸通貨という支配力の違い。 日本はアメリカが無理やりに制度化した変動相場制のなかで「外国為替」と「公定歩合」という二つのブラックホールのような装置によって体力を奪われ敗戦してしまう。これを読んでいると日本はアメリカの掌で踊らされているだけという風に感じるのは俺だけ?? 国際経済学のおさらいにはいいかも。

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