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夜よ鼠たちのために の商品レビュー

4.6

11件のお客様レビュー

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サスペンスに比重を置…

サスペンスに比重を置いたミステリー短編集。復讐の鬼となった男の姿を描く表題作「夜よ鼠たちのために」がよかった。

文庫OFF

2022/09/21

戻り川心中と比較すると、全体的にアンフェア(というかご都合主義)的な部分はあるが、どれも唸らされる逆転の発想を持っている。文章もキレイで読みやすい。表題作が一番かな。

Posted byブクログ

2015/07/23

短編集なのに一話一話に物足りなさがなく、むしろ不要な物をそぎ落としたらこんな感じになりましたという感じの作品群。 特に「二重生活」と「代役」が良かった(≧∇≦)b

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2015/12/27

新潮文庫版に三編が加わった、極めて高水準の作品が揃った短編集です。 どのように収拾をつけるのか不安になる程の不可解状況を、著者お得意の「反転」で鮮やかに解決しています。その切れ味は著者の作品群でも随一。是非「引っ掛けられる喜び」を堪能して欲しいです。 ベストは【過去からの声】。独...

新潮文庫版に三編が加わった、極めて高水準の作品が揃った短編集です。 どのように収拾をつけるのか不安になる程の不可解状況を、著者お得意の「反転」で鮮やかに解決しています。その切れ味は著者の作品群でも随一。是非「引っ掛けられる喜び」を堪能して欲しいです。 ベストは【過去からの声】。独創的な誘拐トリックに思わず唸ってしまいます。 【代役】は反転に次ぐ反転の超絶技巧。凄すぎます。

Posted byブクログ

2013/06/27

「このアイデアを使いたくて、この設定にしたんだろ!」 特殊な設定だからこそ成り立つロジックとトリックに唸る。 ミステリ作家連城三紀彦の会心の短篇集、新潮文庫版『夜よ鼠たちのために』にさらに凄い三篇をくわえた凄過ぎる本。 『代役』 アクション俳優とその代役。 三時四十六分、ひか...

「このアイデアを使いたくて、この設定にしたんだろ!」 特殊な設定だからこそ成り立つロジックとトリックに唸る。 ミステリ作家連城三紀彦の会心の短篇集、新潮文庫版『夜よ鼠たちのために』にさらに凄い三篇をくわえた凄過ぎる本。 『代役』 アクション俳優とその代役。 三時四十六分、ひかり号のなかで秘めたる計画。 『ベイ・シティに死す』 六年の刑期を終えて出所した男とその愛人、そして舎弟。 娑婆に出てきた「私」の諦めきれなかった思い。最後の夢。 『ひらかれた闇』 熱血音楽教師と暴走族グループ。 退学させられた生徒がまきこまれた殺人事件。 ジャンヌ・ダルクのように孤軍奮闘する「マザー」こと水木麻沙。 「このアイデアを使いたくて......」なんて冒頭で歓喜のツッコミを入れてしまったが、実はこの特殊設定が必然だったのではないかとまで思わせる高い叙情性。 巻末の解説によれば『ベイ・シティに死す』は直木賞候補になったらしい(後に連城氏は『恋文』で第91回直木賞を受賞している)。 新潮文庫版のレビューでも書いたが、物語の面白さとミステリの超絶技巧のハイレベルでの共存は奇跡。 ただそれだけに、文芸系出版社とミステリ系出版社のはざまのエアポケットで宙に浮いて、いまだに復刊されないのが非常に惜しい。 東京創元社さんあたりが手を挙げてくれませんかね。 (余談だが『夜よ鼠たちのために』は新潮文庫版、ハルキ文庫版ともにブックオフの100円コーナーで手に入れた。ちょっと自慢。 これだから古本屋巡りはやめられない。)

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2011/11/14

◆二つの顔・・・あなたの奥さんがホテルで死んでいるから身元確認をしてくれと警察から連絡が入った。しかし妻であるはずがない。なぜなら妻はさっき自分がこの寝室で殺し、庭に埋めたのだから。。 ◆過去からの声・・・僕が刑事を辞めた本当の理由・・・それを、ずっとコンビを組んでいた岩さん、あ...

◆二つの顔・・・あなたの奥さんがホテルで死んでいるから身元確認をしてくれと警察から連絡が入った。しかし妻であるはずがない。なぜなら妻はさっき自分がこの寝室で殺し、庭に埋めたのだから。。 ◆過去からの声・・・僕が刑事を辞めた本当の理由・・・それを、ずっとコンビを組んでいた岩さん、あなたには知っていてもらいたい。 ◆化石の鍵・・・留守番をしていた少女の首をしめたのは、母親?父親?それとも管理人? ◆奇妙な依頼・・・妻の素行調査というありきたりな仕事のハズだったのに・・・いつのまにか探偵は、探る側と探られる側で獲り合いのようになっていた。 ◆夜よ鼠たちのために・・・俺は決して忘れない。幼い頃に大事にしていた鼠の信子が針金で絞殺されていたことを。そう、これは復讐なのだ。 ◆二重生活・・・親子ほど年が離れた関係に、牧子は悩んでいた。修平はやはり、静子のような成熟した女の方がお似合いなのだろうか。 ◆代役・・・自分と同じ顔をした男を海外から呼び寄せ、仕事を依頼した。本当の依頼主は妻。妻を抱いて、子供を作るためにその男は呼ばれたのだ。 ◆ベイ・シティに死す・・・暴力団に属していた私、そして子分のような征二、そして私の女である恭子、三人はよくつるんでいた。まさか二人が裏切って、私が刑務所に入ることになるとは思いもしなかった。 ◆ひらかれた闇・・・不良グループに助けを求められ、教師のマザーこと水木麻沙は現場へ。仲間の一人が死んでいるというのだ。 以上9編の短編集。男女の訳あり・複雑な関係が絡む話がほとんど。 一つ一つがものすごく濃く、かなり凝ったものであるのはわかるのだが・・・どんでん返しが多いこの短編集、最後にはすっかり疲れてしまった(^^;凝りすぎてややこしくなってる作品多々。 ◆過去からの声・・・これだけちょっと、テイストが違ったかな?男女がらみの話ではなく、仕事で敬愛していた上司に対してのある告白。ラストにはせつなさが漂う。

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2011/01/19

連城ミステリの現代ものということでいえば、『変調二人羽織』を受け継ぐという位置付けとなり、ミステリの手法的な部分でもほとんど変わるところはないが、より艶やかさを増した文体が物語に奥行きを生み出していて、しかしながら余計な装飾のないストレートなミステリを堪能できる、まさしく傑作とい...

連城ミステリの現代ものということでいえば、『変調二人羽織』を受け継ぐという位置付けとなり、ミステリの手法的な部分でもほとんど変わるところはないが、より艶やかさを増した文体が物語に奥行きを生み出していて、しかしながら余計な装飾のないストレートなミステリを堪能できる、まさしく傑作といえる作品。

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2009/10/04

サスペンス短編。全6話。 めちゃくちゃ最高!!いつか読みたいと思いつつなか×2読めずにいたんだけど、連城さんも最高。叙述トリックが・・・もう毎話×2、二転三転どんでん返しの連続。嘆息します。 人間の心の闇を鋭くついたプロット。感服の至りです。

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2009/11/24

新潮社文庫版に+3作。 ドキドキする導入部分&驚きの逆転劇。 信じているものがすべてひっくり返される主人公達の気持ちがしっかり伝わってくるので余韻も大きいです。

Posted byブクログ

2009/10/04

脅迫電話 に呼び出された医師と その娘婿が相次いで 殺害された―白衣を 着せられ、首には針金 が二重に巻きつけられ ているという奇妙な姿で… 意外な結末の余韻が 心を打つ、サスペンス 過去からよみがえる、静かな憎悪

Posted byブクログ