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プルーストの花園 の商品レビュー

4.3

5件のお客様レビュー

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2014/05/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

プルースト好き、かつ、植物・ガーデニング好きの私は結構楽しめました。 しかし、個々の植物の特性みたいなもの(咲く時期、咲き方、香り、その植物が好む環境etc..)が分かっていないと、 イマイチこの本を楽しめない方もいるだろうな、と思いました。 あと、私が日本人だからですかね、 四季ごとに植物をカテゴリー化してもらえたら、もっと読みやすかったな、とも思いました。 アイリス→チューリップとか、グラジオラス→水仙とか、菊→タチアオイ→椿とか、 頭の中で、春・夏・秋・冬を行ったり来たりで少し混乱しました。笑。

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2012/08/25

『失われた時を求めて』では、実にさまざまな花々が登場し、物語の構成の部分に多く細やかに描写されている。 それだけではなく、登場人物たちのアトリビュート的役割を果たしたり、コンブレー、バルベック、パリなどの土地を彩る重要な使命を帯びている。 マルト・スガン=フォントが、プルースト...

『失われた時を求めて』では、実にさまざまな花々が登場し、物語の構成の部分に多く細やかに描写されている。 それだけではなく、登場人物たちのアトリビュート的役割を果たしたり、コンブレー、バルベック、パリなどの土地を彩る重要な使命を帯びている。 マルト・スガン=フォントが、プルーストの作品の植物に関する文章のみを選び、彼女自身の描いた美しい水彩画を配して、植物の名前をインデックスに置いた美しい詞画集。 『失われた時を求めて』だけでなく、プルーストのその他の書物からも植物を選出し、原題は『L'Herbier de Marcel Proust』(マルセル・プルーストの植物図鑑)というだけあり、 薔薇、サンザシ、睡蓮、アイリス、水仙、マロニエ、カトレア、リラ、菫など51種の絵にプルーストの文章が添えられている。 プルーストを読んいない人も十分楽しめる癒し系のこの美しい書物は、プルーストの文章に触れられる。 そして、読んでいる人は、プルーストの精緻な文章で馴染みになった花々が、絵となって甦るたまらない一冊である。

Posted byブクログ

2012/04/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(読む前の印象) 熊井明子さんの「香りの花手帖」に登場。 『失われた時を求めて』のための詩画集。 先に詩画集をさらさらっと見ておいて、それから読むのがいいのか、それとも物語を読んでから、詩画集を眺めて余韻に浸るのがいいのか…贅沢な悩みだ。

Posted byブクログ

2012/03/09

フランスの女性イラストレーターであるマルト スガン=フォントが作家マルセル プルーストの作品から、花にまつわる記述を切り抜き、それに彼女がイラストを付けた本。 プルースト好きなら、間違いなくオススメですが、私のようにプルーストは難解で、という人にこそ、よりオススメです。 ...

フランスの女性イラストレーターであるマルト スガン=フォントが作家マルセル プルーストの作品から、花にまつわる記述を切り抜き、それに彼女がイラストを付けた本。 プルースト好きなら、間違いなくオススメですが、私のようにプルーストは難解で、という人にこそ、よりオススメです。 フランス文学では、ボードレールに続いて、私には難解に思われるプルースト。長文ということもありますが、文章のイメージが沸きにくいのです。そこで、本書の登場です。プルーストの作品を読む際に、手元に置きながら、本書をひもといていくと、イメージが幾重にもふくらんでいくことでしょう。 花の絵というのは、あまりにもありふれたモティーフだけに、それだけで、画集に出来る画家は、実は少ない。日本では、いわさきちひろと星野富弘ぐらいかな。お二人とも、偶然の一致か、マルト スガン=フォントと同じく水彩画家ですね。 そして、ここから私の専門分野の話しをさせてください。私はこれまで多くの稀覯書を紹介する展示会を手がけてきた学芸員だからです。 この本は、マルト スガン=フォントの作品がメインです。ただその作品は、プルーストの作品にインスピレーションを得て、描かれています。それも印刷再現性が難しい「水彩画」で、です。これを出版するにあたって、まずはフランスの出版社の力の入れようが分かります。もっと言えば、本は売って、読むだけ以上のもの、永遠に残る人類の文化遺産だというぐらいの意気込みでやっているということです。 紙質は、まず上級。 そして、装丁がとびっきり素晴らしいのです。 第一に、見返しの用紙デザインが素敵。 第二に、イラストが2ページにわたるときは、別々の紙に印刷するのではなく、ちょうど紙が見開きになるところに位置させています。つまり、計算された上でページ構成がされているのです。 最後に、水彩画の印刷再現性がすごい。原画を見たら、きっと眩暈がするだろうな。それを予想させるぐらいの印刷品質です。日本でできないことはありませんが、これほどのこだわりを持つことはまれでしょう。翻訳者の鈴木氏があとがきで「印刷・製本もすべてフランスにおいておこなわれことをおことわりしておく」とわざわざ付記された意味が分かります。 また、しおりひもの色(黄色)と太さも絶妙ですね。いとおしさを増していると思います。 この本を機に、Marthe Seguin‐Fontesのことを主にフランス語で調べてみました。wikipediaにはありません。 彼女は1924年12月にマルセーユで生まれました。存命中のようですので、現在84歳ですね。造形美術の教師をした後、82年( 年齢的には50代ですね)以降、様々な出版に携わり、その数は約45点にのぼります。絵本の挿絵や本書のような植物学関連の本以外にも、陶器の絵付けなどの仕事もこなしているようです。彼女の水彩を見ていると陶器の絵付けとの相性はいいでしょうね。フランスには、多くの画家が装飾も手がける伝統もありますし。 長々と書いてしまいましたが、彼女の植物画の魅力は、写実性だけでなく、構想力、想像力も存分に発揮されているところにあると思います。是非、植物と水彩、装丁文化そしてプルーストに興味のある方は手に取ってみてください。

Posted byブクログ

2009/10/07

画帳としてながめております。 プルースト、何度も挫折した小説。 でもこんなに花々が描かれているのだわ。 しかも重要な役割を担って。 …。 でも私にとってはやはり画帳です。

Posted byブクログ