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怪笑小説 の商品レビュー

3.5

321件のお客様レビュー

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    47

  2. 4つ

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2023/11/27

 多ジャンルで幅広い作風の東野圭吾さん。多くの未読作から、裏シリーズ(?)的『◯笑小説』第一弾である本書を手にしました。  『怪笑小説』から始まり、『毒』『黒』『歪』と4作品あるようで、本作は1995年刊行です。  9編からなる短編集ですが、東野圭吾さん、力一杯笑わせにかかって...

 多ジャンルで幅広い作風の東野圭吾さん。多くの未読作から、裏シリーズ(?)的『◯笑小説』第一弾である本書を手にしました。  『怪笑小説』から始まり、『毒』『黒』『歪』と4作品あるようで、本作は1995年刊行です。  9編からなる短編集ですが、東野圭吾さん、力一杯笑わせにかかってますね。それも、普通の笑いでなくブラックな笑いを誘ってきます。ちょっとニヤッとし、後からコワッとなる感じです。  「あの東野圭吾が?」と戸惑う方もいるかもしれませんが、逆に懐の深さを感じさせます。執筆しながら、ご自分で楽しんでいるんじゃないでしょうか?(多分)  9編いずれも、身近な処から題材を探し、テンポよく読め、登場人物の内面(個性的で共感得られる)もよく描かれています。そこにきて、最後のひねりの効いた結末は、独特の雰囲気があって、不気味で怪しい笑いが後を引きます。 
 隙間時間でも読める短編集という他に、東野圭吾さんの別の魅力(コメディタッチ、シュールさ、ブラックさ)を体験したい方にピッタリです。  巻末に9編全てのあとがきが書かれていて、着想のきっかけや思い入れなど、その丁寧な内容がとても興味深かったです。

Posted byブクログ

2024/03/11

鬱積電車 ☆☆☆☆ 心の中で思っている、自分しか知らないドス黒い感情が、自分の意思とは関係なく勝手に口から出てしまったら。次から次へとその心の声を文字にされて「やっぱ、みんなそうだよねー」とか盛り上がりながら読み進めると、最後に背筋が凍る。 おっかけバアさん ☆☆☆☆ これまで...

鬱積電車 ☆☆☆☆ 心の中で思っている、自分しか知らないドス黒い感情が、自分の意思とは関係なく勝手に口から出てしまったら。次から次へとその心の声を文字にされて「やっぱ、みんなそうだよねー」とか盛り上がりながら読み進めると、最後に背筋が凍る。 おっかけバアさん ☆☆☆☆ これまで慎ましく生きてきたのに、芸能人に熱を上げ、自分に言い訳してお金を使って追っかけを続けるバアさん。鑑賞するだけでは飽き足らず、気付いてもらえるように、さらにはいい印象を持ってもらえるように、服やアクセサリー、化粧品などに浪費はエスカレート。なのに振り向いてくれないどころか…。 一徹おやじ ☆☆☆ 子どもをプロ野球選手にしたくて厳しく鍛えた親父。「野球に女はいらない」と、共学でなく男子校への進学させるなど進路も決めた。大学4年でついにドラフトの指名を受ける。それなのに…。 逆転同窓会 ☆☆☆☆☆ 高校の先生が教えられるのは学校の勉強まで。その先は生徒が時代に合わせて、それぞれの環境で成長して様々な職業に就く。生徒がその当時の先生と同じくらいの年齢になったとき、先生は引退していて生徒はバリバリの働き盛り。時間の流れの速さ、技術の進歩、仕事の幅の広がりやグローバル化などにまったく着いて行けず取り残される。経済力も逆転する。優越感を失う。ただ唯一先生が先生でいられる相手がいた…。 超たぬき理論 ☆☆☆☆☆ 思い込みは、難しい理論でこじつけするが、重要で簡単なことを見落とさせる。 無人島大相撲中継 ☆☆☆☆ どんな状況でも人は娯楽を求め、ギャンブルを好み、ズルをする。徳俵さんのキャラが濃すぎ。 しかばね台分譲住宅 ☆☆☆ 町の評判が下がると住宅の価値が下がる。それを食い止めるために二つの町の対抗戦が加熱する。ありえない設定で笑える。下がるのを食い止めたいだけなら、相手を落とそうとしなければ、ほかにやりようがあるだろう。 あるジーサンに線香を ☆☆ 最初からなければなんとも思わないのに、一度手にしてしまうと失うのが怖くなる。 動物家族 ☆☆☆ タヌキ、スピッツ、ハイエナ、ネコ、キツネに囲まれた、孤独で冴えない肇の、ポケモン的進化に拍手を送る。

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2023/11/13

短編で読むからこそ面白いと思える作品が集まっていると思う。おっかけばあさんはちょっと怖いけど笑えた。 最後の動物(に見える?)作品は意味が分からなかった。

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2023/11/05

短編集なので、すきま時間に読めてしまいます。しかしながら、予期せぬ展開と、言い回しは流石の一言に尽きます。思わずクスッときてしまうお話から、ちょっぴり後味のわるいお話まで。シュールでブラックで、面白い。

Posted byブクログ

2023/11/02

年金生活のお婆ちゃんから人間たちが動物に見えてします中学生など人間を描いたブラック短編集。面白かった。

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2023/10/30

簡単に言うと小説版世にも奇妙な物語 シュールさが全面に出てる まともに理解しようとしない方がいい 各短編30ページ程なのでスキマ時間に読みやすい

Posted byブクログ

2023/10/20

どれも不思議なお話。世にも奇妙な物語みたいな。 あり得ないけど、人間のブラックな部分や心情が妙にリアリティでじわじわくる。

Posted byブクログ

2023/10/01

ミステリー作家としての東野圭吾の作品はあまり読んだことはないが、ミステリー作家が書いたとは思えない痛快さがこの本にはある。日常にある物事を斜めに見て、考えることで見える景色が変わる。そしてそれにより物事の本質が見えたりする。いかに普段何も考えずに生きてきたのだと痛感させられた。短...

ミステリー作家としての東野圭吾の作品はあまり読んだことはないが、ミステリー作家が書いたとは思えない痛快さがこの本にはある。日常にある物事を斜めに見て、考えることで見える景色が変わる。そしてそれにより物事の本質が見えたりする。いかに普段何も考えずに生きてきたのだと痛感させられた。短編で読みやすく、息抜きとして良い。

Posted byブクログ

2023/09/03

星新一のショートショートのコンテスト受賞作集を読んでいるときみたいな気持ちになった笑 年金をつぎ込んでおっかけをするお婆さん、たぬきvs UFOで全力で議論する研究者、自分の黄金時代に浸って毎年飲み会する先生たちなどなど、癖強な話がたくさんだったけれど、最後に東野圭吾自信が作品...

星新一のショートショートのコンテスト受賞作集を読んでいるときみたいな気持ちになった笑 年金をつぎ込んでおっかけをするお婆さん、たぬきvs UFOで全力で議論する研究者、自分の黄金時代に浸って毎年飲み会する先生たちなどなど、癖強な話がたくさんだったけれど、最後に東野圭吾自信が作品を書いたきっかけを1話ごと書いていて親近感が湧いて楽しめた。

Posted byブクログ

2023/05/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

東野圭吾さんの短編集。 ミステリーではなくどちらかというと「世にも奇妙な物語」を彷彿とさせるような物語で一つ一つが短いのでサクッと読むことができます。 人間の醜さや悲しさ、可笑しさなど読んでいると今にも通ずるような事が書かれていて古臭くない作品です。 一番のお勧めは「おっかけバアさん」かなぁ。 今の「推し」に嵌っていく人たちが自分の生活を犠牲にしながら破滅していく所がとても生々しく描かれていく所がとても面白かったです。 この「◯笑小説」シリーズはまだまだあるのでこの連休中に読んでしまいたいです。

Posted byブクログ