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ことばの起源 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2024/08/10

メモ→https://x.com/nobushiromasaki/status/1822244617842196578

Posted byブクログ

2024/07/31

色んな図書で引用されまくる「ダンバー数150人説」、人が他人と繋がれる数は大体150人、で有名なロビンダンバー。猿の毛づくろいから展開される話は分かりやすくて面白い。捕食されないためには、毒をもつ、巨大化するなど、様々な手段がある中「群れになる」というのは有効だ。 群れになるた...

色んな図書で引用されまくる「ダンバー数150人説」、人が他人と繋がれる数は大体150人、で有名なロビンダンバー。猿の毛づくろいから展開される話は分かりやすくて面白い。捕食されないためには、毒をもつ、巨大化するなど、様々な手段がある中「群れになる」というのは有効だ。 群れになるためには、集団での関係づくりが必要となる。猿が毛づくろいにかける時間は一日の10%、これは群れの規模と相関関係にあるらしい。 また、果物を採食する動物は、供給にむらのある食物源の場所に絶えず注意している結果、供給にさほどむらがなくて存在する範囲も広い草を採食する動物よりも、大きな脳を必要とする。霊長類の脳を(他の哺乳動物に比べて)極度に大きく進化させた最初の原動力が、色覚と何らかの関係があることを示す証拠が増えている。鳥類でも霊長類でも、葉の背景の中に果物を探しだすことは、色覚にずいぶん助けられている。霊長類に見られる色覚系は、他の哺乳類に見られるものより優れており、必然的に、かなり多くの処理能力を必要とする。しかし、果物の比重が高い食生活に移行したことは、霊長類が他の哺乳類より大きな脳を持たなければならない理由をうまく説明しているが、果物を食べる霊長類の中でも一部が他の種より大きな脳を持っている理由の説明にはなっていない。これに代わる答えは、霊長類の脳が著しく大きいのは、その社会習性が複雑であることと、関係があると言うものだ。 群れが複雑であるほど、脳は大きくなる。 吸血こうもりの習性や生態の現地調査によって、彼らは独力で食料を探す傾向がありながら、きわめて社会的な動物であることが明らかになった。彼らはひとたび寝ぐらに戻ると、霊長類の小型版とも言えるような行動をするらしい。膨大な時間を費やして、互いに毛づくろいするのである。その毛づくろいの時間の大半を使う、特別な友もいる。あるこうもりが運悪く血を吸える動物が見つからなかったとき、友はそのこうもりのために自分の夕食の一部を吐き戻す。何日か後、その友の運が悪かったとき、そのこうもりは借りを返すのである。彼らはきわめて社会的な種であって、互いに助け合う互恵的な行動をとり、社会的な毛づくろいによってこの関係を強化している結束の固い小さな同盟を形成している。これはあたかも、猿や類人猿のようだ。だから、吸血こうもりがこうもり全体のうちで、ずば抜けて大きな新皮質を持っていることを発見したのは、二重の意味で興味をそそられる。 人類についても当然同じことが予想される。 大脳新皮質のサイズは群れの規模に相関する。人類は新皮質比が四対一である。この値から、群れの予想規模が読みとれる。人類の群れの規模は、およそ150人になることがわかる。 ー 消化管の大きさが脳の大きさに制約を課すらしい。より大きな脳が欲しければ、より大きな消化管に対応するために、より体を大きくしなければならない。これでわかったのは、小さい猿はけっしてそれほど利口にはなれないことだ。なぜなら、大きくなった脳の余分な神経活動を支えるだけの大きさの消化管を持たないからである。それに見合うような節約をする余地がまったくないのだ。しかし、この苦境を抜け出す方法が一つあり、まさにこれこそ、祖先の先行人類が見いだした方法である。より豊富に栄養が含まれているか、より吸収しやすい形態の栄養が含まれている食物を食べれば、エネルギーの取り入れ量を減らさずに、消化管の大きさを減少できる。 この他にも男女のサイズ差の話とか。自分たちがどういう存在なのかが分かるのは楽しい。しかし、150人なんて付き合ってられない私は、新皮質が小さいのかもしれない。

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2016/01/12

☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA38587019

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2012/01/16

進化の過程で言葉(つまり言語)がどのようにして獲得されていったかを考察したもの。類人猿やサルの大脳皮質の割合をデータを元に議論している。著者のダンバーは著名な人類学者・進化生物学者でダンバー数(ヒトの集団には互いに認知しあい安定した人間関係を維持できために人数の上限があって150...

進化の過程で言葉(つまり言語)がどのようにして獲得されていったかを考察したもの。類人猿やサルの大脳皮質の割合をデータを元に議論している。著者のダンバーは著名な人類学者・進化生物学者でダンバー数(ヒトの集団には互いに認知しあい安定した人間関係を維持できために人数の上限があって150であるというもの)でとくに知られている。 本著でも言葉の起源に関して人同士の関係性の重要さを指摘する。群れの形成には個体同士の物理的な触れ合い(毛づくろい)が必要であったが、群れのサイズが大きくなると物理的な触れ合いに十分な時間が取れなくなる。そのため物理的な触れ合いの代替として音声による交流が生まれたという。さらには集団の維持には他人に対する評価(うわさ・ゴシップ)も重要だともいっている。 元々1つの言語が方言を経て別々の言語になってしまう速度は想像以上に早い。自分が属している集団だけで通じる言い回しが使われるようになる傾向がある。これは部外者(集団を喰い物にしてしまうかもしれないフリーライダー)の侵入を妨げるからだという。

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2011/07/16

群れの規模と新皮質の大きさには因果関係がある。 言語は猿の毛繕いと一緒。群れの結束のための仕組み。 →集団が大きくなるにつれ一対多でコミュニケーションをとるために音声を使用。 ただし、音声、つまり通常の会話には毛繕いのようなアヘンを放出させる作用はない(限界がある) 方言は群れの...

群れの規模と新皮質の大きさには因果関係がある。 言語は猿の毛繕いと一緒。群れの結束のための仕組み。 →集団が大きくなるにつれ一対多でコミュニケーションをとるために音声を使用。 ただし、音声、つまり通常の会話には毛繕いのようなアヘンを放出させる作用はない(限界がある) 方言は群れの争いの際のアイデンティティの維持のため?→人口密度が大きいほど方言の変化が早い 全員が会話に参加出来るのは三人程度が限度? ネットの会話は肉体作用が切り離されているため感情的になりやすい? →フィジカルなネットワークの重要性が増す メンバ内で相互に個人を把握できるのは150人程度が限度 言語は小規模ネットワークに適合するようデザインされている→何が次の進化を促す?もしくは適合するようどう社会をデザインする?

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2021/01/05

おもしろいなあ。 動物行動学者(人類学者だった)には自分のまわりの世界はどう見えてるんだろうなとか。なんかふつうの人とはぜんぜん違った理解しているんじゃないかと思ってしまう。実際には同じだろうけど。 とにかく進化的なぜなぜ話はおもしろい。進化なぜなぜ話をすると、必ず社...

おもしろいなあ。 動物行動学者(人類学者だった)には自分のまわりの世界はどう見えてるんだろうなとか。なんかふつうの人とはぜんぜん違った理解しているんじゃないかと思ってしまう。実際には同じだろうけど。 とにかく進化的なぜなぜ話はおもしろい。進化なぜなぜ話をすると、必ず社会心理学や認知心理学その他いろんな学問のおもしろい話がはいってくるからでもある。邦訳出ているやつはけっこう読んでいる方なのでだいたい基本的な発想はおさえているわけだが、そういう細かいネタにひかれて手あたりしだいに読んでしまう。配偶戦略のためにそういう小ネタを用意しようとしているのかな。

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2010/10/04

1 むだ話をする人々 2 めまぐるしい社会生活へ 3 誠実になることの重要性 4 脳、群れ、進化 5 機械の中の幽霊 6 はるか彼方へ時をさかのぼる 7 最初の言葉 8 バベルの遺物 9 生活のちょっとした儀式 10 進化の傷跡

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