1,800円以上の注文で送料無料

辺境・近境 の商品レビュー

3.9

24件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    9

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2013/10/22

何か軽い本を読みたいと思って、手に取ったのがきっかけであった。自分の中の軽い本とは、あんまりあれこれ考えず、読んだものをそのままのイメージを想像して楽しむといったやり方だ。 村上春樹が旅行好きとはあんまり知らなかった。 村上春樹がメキシコ旅行について書いている一文を引用したい...

何か軽い本を読みたいと思って、手に取ったのがきっかけであった。自分の中の軽い本とは、あんまりあれこれ考えず、読んだものをそのままのイメージを想像して楽しむといったやり方だ。 村上春樹が旅行好きとはあんまり知らなかった。 村上春樹がメキシコ旅行について書いている一文を引用したい。 「彼らは自分の目でその場所を見て、自分の鼻と口でそこの空気を吸い込んで、自分の足でその地面の上に立って、自分の手でそこにあるものを触りたかったのだ。」 すなわち、単なる好奇心である。読んでみると自分の昔の旅行のスタイルと少し似ていた。。。。。。。 特に遥々ノモンハンに行くところが凄い。というか通常ノモンハンに興味があっても、実際行かないであろう。そこで行ってしまうところが凄い。でもノモンハンで特に特別なことをするでは無く、ただノモンハンの荒野に立ってあれこれ旧日本軍とソビエトが戦ったことをしみじみと思い返す。そして、白酒とあんまり美味しく無いモンゴル料理を食べて帰ってくる。 有名なところへ行って、美味しいものを食べるのも良いが、自分の好奇心趣くところへふらふらと行くのもまた旅であると感じた。 自分も旧世紀の戦車が残っているノモンハンへ行ってみたいものだ。特に何もないノモンハンへ。

Posted byブクログ

2013/09/25

村上春樹の旅エッセイ。 アメリカ・メキシコ等の海外をはじめ、 からす島・神戸等の国内への旅を記した一冊。 中でも“讃岐・超ディープうどん紀行”でディープ中のディープと 著者をうならせた「中村うどん」は実際に食べてみる価値アリ!? 別冊の写真集と共に村上春樹と旅に出よう!! 手書...

村上春樹の旅エッセイ。 アメリカ・メキシコ等の海外をはじめ、 からす島・神戸等の国内への旅を記した一冊。 中でも“讃岐・超ディープうどん紀行”でディープ中のディープと 著者をうならせた「中村うどん」は実際に食べてみる価値アリ!? 別冊の写真集と共に村上春樹と旅に出よう!! 手書きPOPより抜粋

Posted byブクログ

2013/03/25

イースト・ハンプトン、メキシコ、香川、ノモンハン、アメリカ、神戸の旅行記をまとめたもの。旅を通して、作品への想いなどが垣間見られる。特にノモンハンに関しては、ねじまき鳥クロニクルの凄惨な個所を思い出すとともに、国家のありかたについても考えさせる。「…やはり今でも多くの社会的局面に...

イースト・ハンプトン、メキシコ、香川、ノモンハン、アメリカ、神戸の旅行記をまとめたもの。旅を通して、作品への想いなどが垣間見られる。特にノモンハンに関しては、ねじまき鳥クロニクルの凄惨な個所を思い出すとともに、国家のありかたについても考えさせる。「…やはり今でも多くの社会的局面において、わが名もなき消耗品として静かに平和的に抹殺されつつあるのではないかという漠然とした疑念から、僕はなかなか逃げ切ることができないでいる。」「この五十五年前の小さな戦争から、我々はそれほど遠ざかってはいないんじゃないか。僕らの抱えているある種のきつい密閉性はまたいつかその過剰な圧力を、どこかに向けて激しい勢いで噴き出すのではあるまいか。」

Posted byブクログ

2011/10/29

1998年に上梓された紀行文です。実際の旅はその7~8年くらい前の期間のことらしいですから村上さんの比較的若い頃の体験記です。ついでに本の帯に”辺境近境オリジナル・テレカプレゼント”とあるのも10年以上も前という時代を思い起こさせてご愛嬌だなあと思うのでした。 村上さんの小説も好...

1998年に上梓された紀行文です。実際の旅はその7~8年くらい前の期間のことらしいですから村上さんの比較的若い頃の体験記です。ついでに本の帯に”辺境近境オリジナル・テレカプレゼント”とあるのも10年以上も前という時代を思い起こさせてご愛嬌だなあと思うのでした。 村上さんの小説も好きですが、エッセィや旅行記は特に私のお気に入りです。村上朝日堂シリーズなんかは普段の村上さんの生活スタイルがウイットに富んだ文章で書かれているので、とてもしっくりきます。今回読んだ本の中でも彼自身、旅行記を読むのが好きだと語っています。  辺境は分かるのですが、近境は普通近況と表記するのでこの字は村上さんのオリジナルなんでしょうか? なにはともあれ、この中に出てくるのは、アメリカのイースト・ハンプトン、日本の瀬戸内海の無人島、讃岐うどん紀行やモンゴルのノモンハン、そしてアメリカ大陸縦断、最後に彼が故郷としている神戸の街をたどった様子です。村上さんの長編小説をある程度読んでいる方ならこの本は、彼の小説の創作の一端を辿るような感じで興味深いのではないかと思います。私のお気に入りの小説のひとつ、ねじまき鳥クロニクルの中に出てくるノモンハンも登場していますが、これはその小説を書いたあとに訪ねているのですから、想像で書いたとすると作家の想像力はやはり素晴らしいですね。讃岐うどんの章はイラストもふんだんで(勿論安西水丸さんの絵です)うどん好きの方なら行ってみたくなると思われます。 最後の神戸編は彼の小説のテーマに対する心境が垣間見え、これまた短いながら読み応えは充分です。

Posted byブクログ

2011/01/19

大学の一つ上の先輩が大学卒業記念で誰かにプレゼントされて喜んでたので一度読んでみたいと思ってた。いつの間にか13年も経っていた。村上春樹は小説よりエッセイの方が飾らない文章で好みである。メキシコ、ノモンハン、アメリカ横断など出誌された話がいくつか掲載されているが、瀬戸内海の無人島...

大学の一つ上の先輩が大学卒業記念で誰かにプレゼントされて喜んでたので一度読んでみたいと思ってた。いつの間にか13年も経っていた。村上春樹は小説よりエッセイの方が飾らない文章で好みである。メキシコ、ノモンハン、アメリカ横断など出誌された話がいくつか掲載されているが、瀬戸内海の無人島の話が暢気で好きだ。メキシコやアメリカでの車の大移動の苦労なんかを読んでいると海外に行きたくなってしまう。辺境に行く勇気はもう13年前に無くしてしまったんだけど。

Posted byブクログ

2010/06/04

うどんを求める高松旅行から、国境の関係で非常に遠回りなノモンハンの旅、かと思えばメキシコ、とにかく村上春樹全開で非常に楽しい。体当たりなところがいい。大切なことがたくさん書いてあったと思う。特にノモンハンの旅は・・・。私には恐らく生涯、行けない場所。一種の禁足地というか聖域なんじ...

うどんを求める高松旅行から、国境の関係で非常に遠回りなノモンハンの旅、かと思えばメキシコ、とにかく村上春樹全開で非常に楽しい。体当たりなところがいい。大切なことがたくさん書いてあったと思う。特にノモンハンの旅は・・・。私には恐らく生涯、行けない場所。一種の禁足地というか聖域なんじゃないだろうか。

Posted byブクログ

2010/03/18

村上さんの、ノンフィクション、旅行記、ほんと面白い。 読んだ後すぐ香川にうどん食べにいってしまいました笑

Posted byブクログ

2011/07/31

旅行記がこんなにいいものだと知らなかった。エッセイとも違う、そこで感じ取った気持ち、匂い、人々の生活の形、ありありと描き出せる才能に惹かれます。「机に向かって、メモした単語をたよりに頭の中でいろんな現場を再現していくわけです。だいたい帰国して一ヶ月、二ヶ月たってから文章を書き始め...

旅行記がこんなにいいものだと知らなかった。エッセイとも違う、そこで感じ取った気持ち、匂い、人々の生活の形、ありありと描き出せる才能に惹かれます。「机に向かって、メモした単語をたよりに頭の中でいろんな現場を再現していくわけです。だいたい帰国して一ヶ月、二ヶ月たってから文章を書き始めることが多いですね」と「辺境を旅する」に書かれています。私も旅行に行ったら、メモと、そして、きちんと、文に起こせたら、いい想い出になるのかな…と思いました。

Posted byブクログ

2009/10/04

購入 キューバと飛行機で読む 色んなところを旅した村上さんがその的確な描写で旅行記を書いてくれた一冊。 メキシコに行きたくなり無人島には(行ってみたかったけど)行きたくなくなった。 国内外に関わらずバックパック一つで旅行すると なんで旅行しているんだろうという気分になってき...

購入 キューバと飛行機で読む 色んなところを旅した村上さんがその的確な描写で旅行記を書いてくれた一冊。 メキシコに行きたくなり無人島には(行ってみたかったけど)行きたくなくなった。 国内外に関わらずバックパック一つで旅行すると なんで旅行しているんだろうという気分になってきて、 その答えは自分で用意してあげなきゃいけないんだけど、 その一つに、自分の意識を解体し組み立て直すデコンストラクションをおいている。 旅で大切なことは経験すること感じ取ることだと思う。 せっかく投資をして物理的に違うところにいくのだから、 そこは自分が慣れ親しんできた文化や環境とかなり違うところだったりするので、 その記憶を瞬間的に書くか熟成させて書くかは自由だけど、 記録することが意識のデコンストラクションに繋がるので旅行記を書かなきゃな。 村上さんは現代を「辺境の消滅した時代」とみていて、 「それでも自分という人間の中には未だに辺境を作り出せる場所があるんだと信じ、そういう思いを追確認することが即ち旅。今の時代物理的に辺境を見つけることは多分無理で、でも心構えでは本当の新鮮な感動体験が出来る(一部文章をつなげた)」と書いてあるのに共感。 小さい頃宇宙飛行士及び探検家になりたかったんだけど、よく考えたら人類未踏の地なんて私が大人になった時にはないよなぁと思ってあきらめたことを思い出しました。

Posted byブクログ

2011/09/04

村上春樹が、アメリカ・旧満州・香川そしてふるさと神戸を旅した記録。表紙の写真は、ソ連との関東軍の戦いの地、ハルハ川のそばに残っている戦車です。旅は、その土地にいって、その土地の香りをかぎ、その土地の食べ物をあじわってはじめて感じるもの。いくらガイドブックを読んでいても、その土地の...

村上春樹が、アメリカ・旧満州・香川そしてふるさと神戸を旅した記録。表紙の写真は、ソ連との関東軍の戦いの地、ハルハ川のそばに残っている戦車です。旅は、その土地にいって、その土地の香りをかぎ、その土地の食べ物をあじわってはじめて感じるもの。いくらガイドブックを読んでいても、その土地のことはわかりません。

Posted byブクログ