日々の泡 の商品レビュー
お洒落な小説 ヴィアンの言葉遊びは単語を再構築していて、セリーヌとかクノーみたく破壊に向かわないから、どことなく現実離れしてる。上質のファンタジーみたい。
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再読。もう何度読み返してるかわからない大好きな小説 というか世界でいちばんこの本がすき あまりにも道化で可笑しいことばかりがあふれるのにどうしてこう悲痛なのかしら 本当に悲しいことは真面目なもののなかよりも、ふざけたものの中にあるのだと思う 幸せな時は全然長続きしないなぁ そんな...
再読。もう何度読み返してるかわからない大好きな小説 というか世界でいちばんこの本がすき あまりにも道化で可笑しいことばかりがあふれるのにどうしてこう悲痛なのかしら 本当に悲しいことは真面目なもののなかよりも、ふざけたものの中にあるのだと思う 幸せな時は全然長続きしないなぁ そんなことないっていうひと達はとても多いけど、人間関係の脆さと同じくらい壊れやすいものだと思う、私は。 この小説だけが彼の作品の中で飛びぬけて評価されてるのも皆そのことに気付いてるのだと だからこそ、コランとクロエが二人で過ごした時や、シック、アリーズ、ニコラ、イジス達との楽しい時がよりいっそう、きれいにみえる 酷い小説。残酷で夢も希望も全然ないけど、大好き。 「ぼくは絶望してるが、同時にすごく幸福だよ。この時点でどうでも何か欲しいものがあるってことはすごく気分のいいことだよ」 「彼はクロエを膝にのせた。ふたたび、ふたりはすっかり幸福な感じになっていた。 『ぼくはあんたのどこもかしこも全体を愛してるんだって言ったじゃない』 『それなら、もっとこまかく、どこもかしこも愛してよ」とクロエは、蛇の子みたいに甘ったれて、コランの腕の中に身をすりよせながら言った。」 「人はそう変わるもんじゃない。変わるのは物事だよ」 「コランはもう何もきこえなかった。彼は過去に生きていた。時どき微笑しては何もかも思い出しているのだった。」
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友達にすすめられて読んだ本です。 シュールでありながら、 繊細な詩情ともいうべき感性があって、大好きです。 ストーリーも胸を締め付けられます。
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ポツ、ポツと湧き出した夢幻の種が、幸福の絶頂とともに 咲き乱れ、強い香りを放ちながら恐ろしい勢いで枯れてゆく という感じ? キリスト像とのやり取り、結婚式との対比が切ない。
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出てくる小道具や舞台設定が、どれをとっても幻想的で、とても美しい。 むりやり日本語にあてはめて訳している部分もかなりある感じなので、きっとオリジナルの原文はさらに美しい言葉で構成されているのではないかと思う。 物語の中に出てくるカクテルピアノというのは、特に幻想的な楽器で、一つ...
出てくる小道具や舞台設定が、どれをとっても幻想的で、とても美しい。 むりやり日本語にあてはめて訳している部分もかなりある感じなので、きっとオリジナルの原文はさらに美しい言葉で構成されているのではないかと思う。 物語の中に出てくるカクテルピアノというのは、特に幻想的な楽器で、一つ一つの鍵盤に異なったアルコールが結び付けられていて、演奏をし終わった後に、その音色によってブレンドされたカクテルが出来上がるというピアノだ。一体どのような想像力によって、こんなスゴい楽器が生み出されるんだろうと感心する。 ある日、主人公コランの恋人クロエが病気にかかってしまう。肺から睡蓮が咲く病気によって、どんどんと衰えていく。それをなんとか治そうと、有り金をすべて使いきり、あらゆる手を尽くしても、それでもどうしようもなく病状は悪化してゆく。なんだか、どうしようもない悲しさだ。 その悲しささえも、どこまでも幻想的に描き続けてしまうこの小説は、最初から最後まで、夢の中にいるような気持ちになる不思議な作品だった。 なにが機械をつくることから妨げているかを知る必要がある。まず時間が不足しているはずだ。人はみな生きるのに時間を浪費しているよ。だからもう労働するだけの時間が残っていないんだ。もし機械をこしらえる時間があったとすれば、そのあとではもう何一つこしらえようとしなくなるだろう。ぼくの言いたいことは、彼らは労働せずに生きられる機械をこしらえる労働をしないで生きるために労働しているってことなんだ。(p.111) 「ぼくは貧乏人で・・」とコランは言った。「それでクロエが亡くなりました・・」 「なるほど」と修道士は言った。「ただし、どんなときでも、礼儀にかのうたお葬式をしてもらえるだけのお金は持って死ぬべきでありましょうな。ところでと、あなたは500ドゥブルゾンでもお持ちではないかな」(p.278)
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恋愛小説。か。 大半の恋愛小説で、恋愛こそ至上という小説は、その恋愛を素晴らしいものに描いている。 しかし落ち着いて考えたら、それを至上と描くためには、他を落とすという書き方もある。 他を落とすとなると、他の恋愛を落とすことに躍起になりそうなんだけど、コレは違う。 恋愛以外のす...
恋愛小説。か。 大半の恋愛小説で、恋愛こそ至上という小説は、その恋愛を素晴らしいものに描いている。 しかし落ち着いて考えたら、それを至上と描くためには、他を落とすという書き方もある。 他を落とすとなると、他の恋愛を落とすことに躍起になりそうなんだけど、コレは違う。 恋愛以外のすべて。地面も、家も、他人の死も、すべて適当。 だからこそ、恋愛のみが真実。
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ひびのあわ。響きがいいよねぇ。 あわ。 原文で読んでみたくなった。フランス語かぁ。 うぅ、良さを直接に感じてみたい。 でもこの曽根さんの訳、私は好きだな。簡潔な文体で、情景が浮かびやすくて。 ほしみっつなのは、読後、やりきれない気分になってしまったから。 人物を自分に置き換えて...
ひびのあわ。響きがいいよねぇ。 あわ。 原文で読んでみたくなった。フランス語かぁ。 うぅ、良さを直接に感じてみたい。 でもこの曽根さんの訳、私は好きだな。簡潔な文体で、情景が浮かびやすくて。 ほしみっつなのは、読後、やりきれない気分になってしまったから。 人物を自分に置き換えてみたりもしたけれど、やはり現実ばなれしすぎてて、この想像もフワフワのままに終わってしまった。 う〜ん。 クロエって名前はどうしても、高校のときの友人を思い出させる。ふふ。 デュークエリントン、聞いてみよう。
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どういう風に読むのが正解なのか? よく分かりませんが、私は終始一貫して、選ばれた者(金持ち)と、そうでない者(貧乏)との間に、くっきりと一線を引いているような印象を受けていました。 作品の中で、人があっさりと事故死し、あっさりと殺され、そして死体はゴミを捨てるように遺棄されるてお...
どういう風に読むのが正解なのか? よく分かりませんが、私は終始一貫して、選ばれた者(金持ち)と、そうでない者(貧乏)との間に、くっきりと一線を引いているような印象を受けていました。 作品の中で、人があっさりと事故死し、あっさりと殺され、そして死体はゴミを捨てるように遺棄されるており、それがユニークな表現として作品を味付けしているのですが、その味付けに使われる人物はすべて貧乏人だったような気がします。 はじめ、コラン及び恋人友人達は前者であり人生を謳歌していますが、徐々に後者へと転落していってしまうという。 ラストのハツカネズミと猫とのくだりが……極めつけのように悲しかったです。
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訳者によって差が出るやろうなぁ…、と思ったら、意外にも「うたかたの日々」ほとんど同じでした。 でもタイトルのセンスと分かりやすさで「うたかたの日々」に軍配が上がりました。 08.02.05
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邦題としては「うたかたの日々」の方が通りがいいかもしれないですね。 バーテンダー1巻収録「カクテルの魔法」で佐々倉くんが読んでいた本(ちなみに原題は「L'CUME DES JOURS」。原書で読むほど好きなのかい?)これ佐々倉くんが読んでなかったら私たぶん一生読みま...
邦題としては「うたかたの日々」の方が通りがいいかもしれないですね。 バーテンダー1巻収録「カクテルの魔法」で佐々倉くんが読んでいた本(ちなみに原題は「L'CUME DES JOURS」。原書で読むほど好きなのかい?)これ佐々倉くんが読んでなかったら私たぶん一生読みませんでした。 一言で表すと「乙女の世界」というか「救いのないアメリ」というか、そういう感じです。読んでみたら意外とわたしも嫌いじゃなかったこの世界。 美しく幻想的、甘くて残酷な世界に生きる恋人たちに物語。 主人公の美しい恋人クロエは、肺の中に睡蓮が巣くうという不治の病に冒されます。その治療として彼女のベッドを常に生花で溢れさせようとする主人公コラン。 美しく甘く愛のみに生きた2人の最後は、悲しくはあるけれども永遠の愛や幸せとはこういうものなのかもしれません。 小物の描写もかわいいです。かわいいとしか言い様がない。
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