日々の泡 の商品レビュー
幻想と現実が強く入り交じる。「肺に睡蓮」で死に向かう恋人を思う気持ちが描かれる一方、金の工面に苦労し、働きたくないのに労働せざるをない現実もしっかり描かれている。
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フランス文学な感じのまどろっこしさが読んでてしんどかったけど、バスマットに塩を振ったら泡が出てくるとことか、クロエの肺に咲いた睡蓮を他の綺麗な花々で脅すとことか本当に好き。
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不条理を描いた小説を読むのがあまり得意ではないので、途中何度か辛くなってしまった。しかし、ラストのハツカネズミが自殺するシーンが素晴らしくて、嫌な気持ちになったんだか感動したんだかよく分からないことになりました。別に全然愉快なシーンではないのに、どうしてこの場面を気にいってしまっ...
不条理を描いた小説を読むのがあまり得意ではないので、途中何度か辛くなってしまった。しかし、ラストのハツカネズミが自殺するシーンが素晴らしくて、嫌な気持ちになったんだか感動したんだかよく分からないことになりました。別に全然愉快なシーンではないのに、どうしてこの場面を気にいってしまったのだろう…。
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コランがクロエに話しかけた最初の台詞、彼女があまりにも美しいので、思わず「君はデューク・エリントンの編曲?」って尋ねてしまうところ、本当にくらくらしました。素敵。 幻想的で物悲しい。
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久々に文学作品を読んだ気になりました。 もはやファンタジー。 状況があまり理解出来ない、不思議なことが次々と。 そして栄華からの転落振りがすごい。 お金に何も心配なかった人達が老けてやつれて労働することになり。。。 というか「彼は何のために労働しているのだろう」というセリフがすご...
久々に文学作品を読んだ気になりました。 もはやファンタジー。 状況があまり理解出来ない、不思議なことが次々と。 そして栄華からの転落振りがすごい。 お金に何も心配なかった人達が老けてやつれて労働することになり。。。 というか「彼は何のために労働しているのだろう」というセリフがすごい笑 金持ちは労働はするものではない、みたいなね。 著者がジャズトランペッターであることから、デュークエリントンなどが度々登場します。 サルトルとかも。パロってパルトルって表記されてますが。 訳なので何とも言えないんですが、文章での表現がお洒落。 あとは演出。すごい粋な演出などを仕掛けてくる。 (上で書いたように、演出がすごすぎてわけ分からなくなる。) 戯曲のような感じ。(戯曲は劇でしか見たことなくて、読んだことはないんだけど) 感情表現や行動も。 ちなみにこの本、「うたかたの日々」という別の邦題もあるようです。 翻訳モノって、訳者の訳風というんだろうか、クセが出ますね。 訳者のフィルターを通して読むことになるので、いつか自分で読んでみたいと思うのです。 (英語ならまだしもフランス語はムリだろうなぁ。。。) その訳者が自分と合っていればいいんだろうけど。
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5/2の谷根千、一箱古本市で購入。 タイトル・著者はかくして、登場人物の描写(性別:青い眼をした女の子、 とても変わった病気になる)を記した表紙だけのOMIAI BOOKSという 形が気に入って。 幻想的な文章は、悲しい物語を淡々と綴る。 好みは分かれるかもしれないが、読み応えが...
5/2の谷根千、一箱古本市で購入。 タイトル・著者はかくして、登場人物の描写(性別:青い眼をした女の子、 とても変わった病気になる)を記した表紙だけのOMIAI BOOKSという 形が気に入って。 幻想的な文章は、悲しい物語を淡々と綴る。 好みは分かれるかもしれないが、読み応えがあった。
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薔薇の密雲に包まれた薔薇色の日々、 肉桂入りの砂糖の匂いのする恋愛の世界。 クロエが肺に睡蓮の咲く病気に罹り、 その右乳房に、大きな水色の花冠が くっきりと見えるようになってから、 最後の場面迄は、哀しいけれどうつくしい。 標題《日々の泡》は、《うたかたの日々》よりも 直訳的...
薔薇の密雲に包まれた薔薇色の日々、 肉桂入りの砂糖の匂いのする恋愛の世界。 クロエが肺に睡蓮の咲く病気に罹り、 その右乳房に、大きな水色の花冠が くっきりと見えるようになってから、 最後の場面迄は、哀しいけれどうつくしい。 標題《日々の泡》は、《うたかたの日々》よりも 直訳的で、こなれた訳ではないかもしれないが、 より原題や作品の纏う雰囲気を醸し出しているように思う。
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若者たちの自由奔放な生き方とその破滅への末路を描いた作品。作品のところどころにある種の非現実的またはトリックともいえるような表現手段が使用されていて、不思議な感覚が味わえる本です。 若者たちの破滅へのプロセスがかなり大雑把に書かれているため、感情移入することは難しいかもしれません...
若者たちの自由奔放な生き方とその破滅への末路を描いた作品。作品のところどころにある種の非現実的またはトリックともいえるような表現手段が使用されていて、不思議な感覚が味わえる本です。 若者たちの破滅へのプロセスがかなり大雑把に書かれているため、感情移入することは難しいかもしれません。翻訳本の違和感というものはそれほど感じることなくスムーズに読めます。さらっと読める分、感想もあっさりです。
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とあるサイトで紹介されていて、読みたくてうずうずしている。 この本のレビューを書いている人たちの文面も秀逸なんだよなあ。 素直にAmazonで買うか…と諦めかけています。
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働かなくても生きていけるほど裕福な青年コランが ひとりの美しい少女クロエに恋をし、結婚をして、2人は幸せな生活を送る… と思いきやクロエは肺に睡蓮が咲くという奇病になってしまう。 あらすじは単純なものだけれど「カクテルピアノ」や「心臓鋏」などの小道具や コランたちの友人の恋との絡...
働かなくても生きていけるほど裕福な青年コランが ひとりの美しい少女クロエに恋をし、結婚をして、2人は幸せな生活を送る… と思いきやクロエは肺に睡蓮が咲くという奇病になってしまう。 あらすじは単純なものだけれど「カクテルピアノ」や「心臓鋏」などの小道具や コランたちの友人の恋との絡みなど面白い仕掛けがたくさんある。 それだけに訳も難解で、1度ですんなり入ってこない箇所も少なくなかった。 邦訳はこの『日々の泡』と『うたかたの日々』の2冊があり 前者の方が少し使われる単語や訳が難しいという噂もあるので 『うたかたの日々』と併せて読むとまた新たな理解を得られるかもしれない。 恋愛小説なのに、私は労働とかお金について思いを巡らすことが多かったのが気にかかる。
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