ドローセルマイアーの人形劇場 の商品レビュー
10年以上前『アルフレートの時計台』を読んで、前作があることに気付き読みたいと思っていた本。 やっと読みました。 直接つながりがあるわけではありませんが、同じ街が始まりの舞台。 ドローセルマイアーの人形劇場に魅了された青年が、仕事をやめ人形遣いの老人に師事し、人形劇場を受け継ぐま...
10年以上前『アルフレートの時計台』を読んで、前作があることに気付き読みたいと思っていた本。 やっと読みました。 直接つながりがあるわけではありませんが、同じ街が始まりの舞台。 ドローセルマイアーの人形劇場に魅了された青年が、仕事をやめ人形遣いの老人に師事し、人形劇場を受け継ぐまでの物語。 不思議な老人と人形たちの謎が解けるわけでなく世界の裏側として当たり前に存在している不思議を受け入れていく感じは、3作通して同じ不思議との付き合い方だと思いました。 3作の中で一番好きでした。
Posted by
師匠のすてきなことば『あやつることではなく、あやつっているようにふるまうことだ』あちら側の世界の声にも耳を傾けること。迷ったり失敗するのは自然なこと。無意識、意識の声を聞けたらふみだすことなんだ。時間がないというのはいいわけだ。あとがきや物語の空気が、ぴりっとしていて温かい。おと...
師匠のすてきなことば『あやつることではなく、あやつっているようにふるまうことだ』あちら側の世界の声にも耳を傾けること。迷ったり失敗するのは自然なこと。無意識、意識の声を聞けたらふみだすことなんだ。時間がないというのはいいわけだ。あとがきや物語の空気が、ぴりっとしていて温かい。おとなでもまようんだそれでもいいんだ、ルドルフにもおまえだとかぴばらにもつながる。大傑作
Posted by
若き高校教師エルンストは、ある日、人形師のドローセルマイアーと出会う。ひとたび彼の人形劇を目にしたエルンストは、その魅力にとりつかれ、不思議な世界に…。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人形師のドローセルマイアーと出会い、その人形劇の魅力にとりつかれた若き高校数学教師エルンストの選択。 夢中になれるものに出会えた幸福が描かれている。その苦悩については詳しく触れられていないけれど、だからといって深みに欠けるわけではない。この作者を知る読者ならそこまで想像できるだろう。あとがきが示唆に富む。
Posted by
数学教師という仕事に魅力を感じなくなってきたエルンストは偶然入った喫茶店で、年老いた人形劇師ドローセルマイアーと出会い人生の舵が大きく変わっていく。 レトロ感の溢れる舞台の箱を中心に、まるで1体1体に命があるようにクルクルと動き出す人形たち。ドローセルマイアーが作り出す劇中の様...
数学教師という仕事に魅力を感じなくなってきたエルンストは偶然入った喫茶店で、年老いた人形劇師ドローセルマイアーと出会い人生の舵が大きく変わっていく。 レトロ感の溢れる舞台の箱を中心に、まるで1体1体に命があるようにクルクルと動き出す人形たち。ドローセルマイアーが作り出す劇中の様子は決して多く描かれていないものの、読んでいる先から人形たちの軽やかな動きが目の前に浮かぶようだった。 平穏無事。安定。秩序のある生活。裏を返した時に、味気ない、やりがいのない、つまらないと感じるようであれば、著者の言葉を借りれば「運命のノックの音に気付かぬふりをして日常に埋没している」と言える。 運命は思わぬところに転がっている。人生は一度きり、迷うくらいなら飛び込めばいい。この本は、人生に彩りを添えるような出会いへのきっかけを与えてくれるかもしれない。
Posted by
くるみわり人形よみくらべのついでに借りてきた。 くるみわり人形と直接関係のあるパロディではないけれど、ところどころにホフマンがのぞくオマージュ含みのオリジナル作品。 民話や童話の名前がちょこちょこ出てくるので、その辺が好きだとより楽しめる。 情熱が枯れてきた高校教師が、人形使い...
くるみわり人形よみくらべのついでに借りてきた。 くるみわり人形と直接関係のあるパロディではないけれど、ところどころにホフマンがのぞくオマージュ含みのオリジナル作品。 民話や童話の名前がちょこちょこ出てくるので、その辺が好きだとより楽しめる。 情熱が枯れてきた高校教師が、人形使いの老人とゆきあう。 老人のあやつる、人形として生きているかのような人形たちの劇に魅せられ、主人公はハーメルンの笛吹きについていく子供のように「そちら側」に飛び込む。 運命に導かれて特別な人が特別な場所におさまる話、みたいだなと最初は思った。 しかしあとがきは、これは飛び込んだからそこにいけた話なのだと言う。 そうだろうかと読み返したら確かにそうだった。 そこにおさまれる器があっても、行かなければたどりつかない。 自分のいたい場所へ飛び込んでいくこの話は、夢の国へでていく「くるみわり人形」とは対照的だった。 このお話の原型はデビュー前から考えていたそうだ。 その当時はそういうことじゃなかったんだろうけど、今読む私はネコ耳にあざとい萌えを連想してちょっと萎えてしまう。 絵が古い漫画っぽいからなおさら。いい絵だけどジャンルが違う気がする。 そこだけ少々残念。
Posted by
[ 内容 ] 若き高校教師エルンストは、ある日、人形師のドローセルマイアーと出会う。 ひとたび彼の人形劇を目にしたエルンストは、その魅力にとりつかれ、不思議な世界に…。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
Posted by
図書館で働いていた時に、なぜだか思い出し、猛烈に読みたくなって。しかし私が働いていた図書館には在庫がなく、それきり忘れていた。やっと思い出し、今になる。 以前に読んでいたかそうでなかったか、さっぱりわからなかったが、読んでみて思い出した。以前読みました。 児童書のため、行間も...
図書館で働いていた時に、なぜだか思い出し、猛烈に読みたくなって。しかし私が働いていた図書館には在庫がなく、それきり忘れていた。やっと思い出し、今になる。 以前に読んでいたかそうでなかったか、さっぱりわからなかったが、読んでみて思い出した。以前読みました。 児童書のため、行間もゆったりとしており、挿絵入りで150ページ足らずというコンパクトさである。 しかしその内容は、滋味に富んで味わい深い。 作中にも登場し、また表紙見返しにも使われている言葉が印象的で、かつこの本の内容をとてもよく表している。 「だれだって、迷いこんで生まれてくるのだ。迷いこんで、おとなになり、迷い続けて、一生を終えるのだ。それなら・・・」 とてもシンプルで、もっといくらでも掘り下げられそうなお話であるが、読むとそのそっけないくらいの素朴さが胸に沁みる。 手に取るたびに、その感動を思い出すというタイプの本ではない。しかし、今回のようにふと思い出して、なぜだか無性に読み返したくなることが、またあるかもしれない、と思わせてくれる本である。
Posted by
小学生か中学生の時、図書館で借りて読んだ本。「大人な雰囲気の本だな〜」と思った。ファンタジー。 また読みたかったのに、タイトル思い出せなくて… ブクログで見つけられた!! 20代の今はどんな感想を持てるのかな。 小学生くらいでもすぐ読める本だと思います。
Posted by
迷っている時にこの本を読んで、一歩踏み出す勇気が出た。 ドローセルマイアーからの最後の手紙が、深く深く胸に響いた。 簡素な挿し絵も雰囲気がぴったりで素敵。 プレゼントにもいいと思う。 自分にとっては、たびたび読み返すとても大切な本。
Posted by
- 1
- 2