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サラエボの鐘 の商品レビュー

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2025/08/02

前半は、氏の作品としては初めて読むタイプの、詩としての面が強い作品で、新鮮だった。抉り込むように深く刻まれる苦悩の呻き。そして短編の中では何よりも、表題作の『サラエボの鐘』が印象的。四つの宗教が同居し複雑な歴史を編むバルカン半島を「憎悪が埋まっている土地」と呼びそこでの人生を諦め...

前半は、氏の作品としては初めて読むタイプの、詩としての面が強い作品で、新鮮だった。抉り込むように深く刻まれる苦悩の呻き。そして短編の中では何よりも、表題作の『サラエボの鐘』が印象的。四つの宗教が同居し複雑な歴史を編むバルカン半島を「憎悪が埋まっている土地」と呼びそこでの人生を諦めた医師の辿る一生に、胸を打たれる。その衝撃もまだあたたかなうちに読む「橋」を巡る作品は、大好きな『ドリナの橋』に繋がるものだ。バルカン半島の複雑さを直視しつつ、それでも人が人の手で作る「橋」というものに込めた作者の信念や愛が見え隠れし、泣けてきてしまう。

Posted byブクログ

2025/03/21

1部が難解すぎ、ちょっと面食らった。 散文詩だというが、一人語りが続き、そこはかとない不安がつらつらとつづられる。 表題作『サラエボの鐘』、『蛇』等はなかなか面白く読むことが出来た。特にサラエボの鐘の方は、オスマン帝国以来の入り乱れる民族が表象されており、彼の地の絶妙なバランス...

1部が難解すぎ、ちょっと面食らった。 散文詩だというが、一人語りが続き、そこはかとない不安がつらつらとつづられる。 表題作『サラエボの鐘』、『蛇』等はなかなか面白く読むことが出来た。特にサラエボの鐘の方は、オスマン帝国以来の入り乱れる民族が表象されており、彼の地の絶妙なバランスの上の平穏がジワリ伝わってきた。 蛇の方は、色々なものが象徴的にあらわされているような気がしており、それを理解できればより面白いものになると思われる。

Posted byブクログ