母なる凪と父なる時化 の商品レビュー
これは面白い。主人公…
これは面白い。主人公が自分とそっくりでまるでタイプが違うレイジと出会う青春小説。
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デビュー作である「ピアニシモ」の完全なるリプライズである。ただしやはりここでもかつてあった「ロックの人が書いた小説」といった印象は全くない。全体的に非常にリアルで情感のある文章になっている。5月に函館にいき、街自体がもつそこはかとない哀しみのようなものに非常に惹かれたことからこの...
デビュー作である「ピアニシモ」の完全なるリプライズである。ただしやはりここでもかつてあった「ロックの人が書いた小説」といった印象は全くない。全体的に非常にリアルで情感のある文章になっている。5月に函館にいき、街自体がもつそこはかとない哀しみのようなものに非常に惹かれたことからこの小説を読もうと思った。やはり舞台となる街の雰囲気を知っているかどうかというのは(特にこの作品においては)大きな意味があったと思う。 ただし、少年が駆け抜けた短い夏の物語として非常に印象深いのだが、それと同時にどうしても食い足りない部分を感じてしまう。 レイジと山谷の関係の描写がいまひとつ弱くそのため山谷をレイジが死に追いやるところの緊張感がはっきりしない。また僕は結局ハルカと関係を持ってしまうわけだが、ハルカをはさんだレイジと僕の関係も特に描写がなく曖昧なままだ。 またタイトルもそれ自体は印象的であるが、この物語に果たして会っているかどうかというとちょっと疑問である。レイジの父親に関する描写は出てくるが、「父なる時化」というイメージではない。全体的にちょっとはしょりすぎでは?という印象が否めない。もう少し長篇として書き込んで欲しかったと思うのは贅沢だろうか? マコトとハルカの二人の年上の女性へのあこがに関する描写が、この年頃特有の感情と相まってみずみずしい。
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大学の時…?に、確か借りて(もらってない…よね)…読んだヤツを再読。 なんか急にタイトルが思い浮かんできて、無性に読みたくなりました。 函館舞台だったこともすっかり覚えてなかったよ… …そうそう、この「男の子だなぁ」っていう感じ。 そして 鬱々とした気分の時に読んだっていう記憶...
大学の時…?に、確か借りて(もらってない…よね)…読んだヤツを再読。 なんか急にタイトルが思い浮かんできて、無性に読みたくなりました。 函館舞台だったこともすっかり覚えてなかったよ… …そうそう、この「男の子だなぁ」っていう感じ。 そして 鬱々とした気分の時に読んだっていう記憶。 純度の高い暴力と狂気に憧れなかったわけではないけれど 結局、周囲と理性とに折り合いつけながら生きることを選んだ分だけ 今も昔も(きっと何度読んでも)わずかに共感できない部分が残ってしまう。 そしてそこが「あぁ、男の子だなぁ」の理由なのだけれど だからこれはもう、 ぜひ、エネルギー有り余ってる男の子に読んでもらいたいな、と。 学生時代を終えて何年も経った今読んでみると 自分の中で、なんだか色んなことが繋がっていって 「もしかしたら、この本は出会うべくして出会った本だったのかもなぁ」 なんて 思ってみたりはしてる。
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他の書評のところで何度も見かけて、読む気になったのですが、辻仁成は初めてです。 最初に感じたのは、アラン・シリトーに代表されるイギリスの”Angry young men”との類似性。もっともアラン・シリトーなど読んだのは、はるか彼方の高校時代のためにすっかり忘れているけれど。 ...
他の書評のところで何度も見かけて、読む気になったのですが、辻仁成は初めてです。 最初に感じたのは、アラン・シリトーに代表されるイギリスの”Angry young men”との類似性。もっともアラン・シリトーなど読んだのは、はるか彼方の高校時代のためにすっかり忘れているけれど。 鋭利な刃物のような鋭い文体です。私の大好きな開口健の、形容詞の羅列により鑿と鏨で一刀彫を彫るような力強い文体と違い、彫刻刀で板に鋭い線を彫り込むように物語を形成していきます。会話文に「」を使わず、文の最後に”ー”を付けることでに表現する手法も、会話文を物語の中に融合させるのに役立っています。 ちょっと仕事がドタバタしたときに読むのはつらかった。もう一度、じっくり読むべき作品でしょう
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人生・初・仁成でした。 文字から映像が浮かぶほどに、函館に馴染んでいる自分。だからこそ感じる良さと悪さ。僕が対象?題材?つまり“函館”に近すぎるのかもしれませんね。自分の体験や景色とオーバーラップするという意味で。 一切の先入観を排して読めば、普通に楽しめると思います。それ(先入...
人生・初・仁成でした。 文字から映像が浮かぶほどに、函館に馴染んでいる自分。だからこそ感じる良さと悪さ。僕が対象?題材?つまり“函館”に近すぎるのかもしれませんね。自分の体験や景色とオーバーラップするという意味で。 一切の先入観を排して読めば、普通に楽しめると思います。それ(先入観の排除)は、僕には難しかったかも。あと暴力=青春という安易な定義には、ちょっと賛同しかねます。でも、高校生って、そんなものかも知れませんね。
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(2000.03.11読了)(2000.03.03購入) (「BOOK」データベースより)amazon 高校一年の夏、同級生たちのリンチをうけてから登校拒否を続けていた僕は、父親の転勤で函館に転校することになった。そこで出会ったのは自分とそっくりの顔をした不良のレイジ。友達を作る...
(2000.03.11読了)(2000.03.03購入) (「BOOK」データベースより)amazon 高校一年の夏、同級生たちのリンチをうけてから登校拒否を続けていた僕は、父親の転勤で函館に転校することになった。そこで出会ったのは自分とそっくりの顔をした不良のレイジ。友達を作ることが苦手だった僕が、レイジとはすぐ仲良くなった。飲酒、暴行、セックス、そして函館の海での密漁…。行き場のない想いを抱えた少年が駆け抜けた短い夏を、みずみずしく描いた青春小説。 ☆関連図書(既読) 「ピアニシモ」辻仁成著、集英社文庫、1992.05.25 「そこに僕はいた」辻仁成著、新潮文庫、1995.06.01 「冷静と情熱のあいだ Blu」辻仁成著、角川書店、1999.09.30
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
芥川賞を取った時に立て続けに10冊ぐらい辻仁成の作品を読んだ記憶があるのだが、 資本主義へのアンチテーゼみたいな感じの内容のが多かったような気がする。 この作品は函館の情景に関する描写が秀逸で印象に残っている。
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東京で生まれ育った主人公セキジは、父親の転勤で移り住んだ函館で、自分と良く似た風貌の不良少年レイジに出会う。集団リンチに遭って以来、登校拒否を続けていたセキジにとって、初めてできた友達だった。 顔は似ていても、育った環境の全く異なるレイジとつるむうち、セキジの中で、自分の仮面を破...
東京で生まれ育った主人公セキジは、父親の転勤で移り住んだ函館で、自分と良く似た風貌の不良少年レイジに出会う。集団リンチに遭って以来、登校拒否を続けていたセキジにとって、初めてできた友達だった。 顔は似ていても、育った環境の全く異なるレイジとつるむうち、セキジの中で、自分の仮面を破るような大きな変化が生まれる。 舞台が函館であること、不良少年が出てくること、暴力シーンが深い意味合いを持って描かれていることなど、辻作品の王道をいっているといえる。初めて読んだのが「ピアニシモ」だったせいか、私としてはこういういわゆる青春小説をもっと書いて欲しいのだが、最近はなぜか恋愛小説が多い。 芥川賞候補にもなった作品。
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久しぶりに自分と同年代が主人公の小説を読んだ・・・ こういう小説を読むといつも、こういう人生もあるんだなぁ。と思っていろいろ考える。 自分にはできないことをやっている登場人物たちがうらやましい。 最終的に自立して終わってよかった。
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・5/14 あっという間に読んでしまった.この人の真骨頂って感じの物語だ.凪と時化に見立てて一人の少年の外面と内面をイメージさせるのは、安直なプロットではあるがなかなか面白いと思った.後は「ピアニシモ」だけど、これはかおりんと一緒に読もうかなぁ.
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