ヘミングウェイ全短編(3) の商品レビュー
『ヘミングウェイ全短編』の最後の作品集です。自ら従軍記者として取材し、身近に体験したスペイン内戦と第二次世界大戦を描いたものが多く、今まで以上に「死」、それも「突然の死」をダイレクトに伝えます。
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ヘミングウェイの短編集.完結編はキューバ時代. 編者も書いているように,第二巻よりは低調な感じ.ちょっとマンネリ感があるな.「最後の良き故郷」とかも悪くはないが,既視感がある.そのなかではスペイン内戦などに題材をとった「蝶々と戦車」「戦いの前夜」「誰も死にはしない」なんかがいいか...
ヘミングウェイの短編集.完結編はキューバ時代. 編者も書いているように,第二巻よりは低調な感じ.ちょっとマンネリ感があるな.「最後の良き故郷」とかも悪くはないが,既視感がある.そのなかではスペイン内戦などに題材をとった「蝶々と戦車」「戦いの前夜」「誰も死にはしない」なんかがいいかな. 生前未発表の短編も入っているが,こちらは発表しなくてよかったのもある気がする.最後の「異郷」は老いのつらさが滲み出ている.若い美人と旅行するのも楽じゃない.
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☆☆☆2017年7月レビュー☆☆☆ ヘミングウェー短編集第3巻。 スペイン戦争の体験からか、戦争を題材にした作品が多い。特にマドリードを舞台にした作品が印象に残った。 ”チコーテ”というバーを舞台にした『密告』『蝶々と戦車』。戦争の最中でも、バーは案外にぎわっていたんだ、と思うと同時に、殺伐とした空気の中でバーが殺人や粛清の舞台となる。この2編からはそういう事が伝わってくる。 街の雰囲気、自然の描写や、自分がそこに居るような臨場感のあるのが素晴らしいと思う。 「マドリードが包囲されはじめて二度目の冬。タバコと人々の寛容さを含めて、すべてが欠乏していた。人々はいつも腹をすかし気味で、天気のようないかんともしがたい事柄に対してまで、突然、むかっ腹を立てていた。」 ↑『蝶々と戦車』の序盤の一描写。 戦争で荒れていく街の様子、人々の心がわかる。そしてここから何かよからぬ事が起きることを予感させる。 いつになるかわからないが、再読すればまた何かしらの発見がありそうな気がする。
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憤懣とはけ口とで駄目なら隠遁か死か、そこには挫けない男はいない気もする。年齢を重ねるほど視界は開けては来ず、靄が掛かったように目を凝らせば凝らすほど何か分からなくなる。
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タイトルが一人歩きしそうなくらい印象的かつアフォリズム的。内容はヘミングウェイの短編らしく淡々とした文章で、テンポ良く読めるし時間がないときに向いている。我が家のトイレ本。
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かなり残酷でグロテスクな状況が描かれているにも関わらず、詩的で情緒が溢れでている。翻訳で読んでいるので訳が良いのかも知れないが、五感に訴える文章だと思う。
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久しぶりにヘミングウエイの短編が読みたくなり手に取った。 「老人と海」以外の作品は、あまり世界に入り込めない。
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久々に読むヘミングウェイの短編集。戦争での体験を描いた作品から少年時代の望郷を描いた作品まで幅広く収められている。若い恋人と車でアメリカを旅する様子を描いた「異郷」は、さながらロード・ノベルの風体でありながらも、スペイン内戦に魅入られ戦地へ赴きたいという思いと、このままゆっくり旅...
久々に読むヘミングウェイの短編集。戦争での体験を描いた作品から少年時代の望郷を描いた作品まで幅広く収められている。若い恋人と車でアメリカを旅する様子を描いた「異郷」は、さながらロード・ノベルの風体でありながらも、スペイン内戦に魅入られ戦地へ赴きたいという思いと、このままゆっくり旅をつづけたいという思いの葛藤が印象的。
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単行本で読んだので、収録作品は以下のみ。 汽車の旅 ポーター 十字路の憂鬱 死の遠景 何を見ても何かを思いだす 本土からの吉報 異郷 この人の短編は終わりが、あ、ここで終わるんだ?といつも思ってしまうそっけなさ。読解力が無いからだと言われてしまえば...
単行本で読んだので、収録作品は以下のみ。 汽車の旅 ポーター 十字路の憂鬱 死の遠景 何を見ても何かを思いだす 本土からの吉報 異郷 この人の短編は終わりが、あ、ここで終わるんだ?といつも思ってしまうそっけなさ。読解力が無いからだと言われてしまえばそうなんですが。 私はあの小説の「ビミニ」が好きなので、関係する短編はどれも興味深く読んでしまう。 訳者さんのおかげなのかもしれないけど、この人のタイトルって本当にカッコいい。素敵過ぎる。と思っています。 そんなわけで、「何を見ても何かを思いだす」目当てで読みました。
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ヘミングウェイが好きだ。 何でか自分でもわからんが、とにかく好きだ。 ヘミングウェイの短編は読みにくいものも多く 非常に甲乙付け”易い” のだが この本も割合に好き嫌いが分かれる作品が多いと思う。 個人的には「密告」「蝶々と戦車」「戦いの前夜」が白眉。 特に「蝶々と戦車」は...
ヘミングウェイが好きだ。 何でか自分でもわからんが、とにかく好きだ。 ヘミングウェイの短編は読みにくいものも多く 非常に甲乙付け”易い” のだが この本も割合に好き嫌いが分かれる作品が多いと思う。 個人的には「密告」「蝶々と戦車」「戦いの前夜」が白眉。 特に「蝶々と戦車」はヘミングウェイの短編の中でもベストスリーに入るほど好き。 (ちなみに残り二つは「清潔でとても明るいところ」と「身を横たえて」) いずれも、人間が不条理に立ち向かうドラマを、 不合理に打ちのめされる悲しみを 信じられないほどシンプルな料理法で提供してくれる。 登場人物達は必ず、何かにぶつかって潰えていく。 それは戦争そのものだったり、戦争による小さな不和だったり 戦争の意味や意義や意図をほんの少しでも疑問に思うことの危険であったり 人間そのものだったりする。 そういった哀しさを、別に美談に昇華するでもなく ただポイっとこちらへ放ってくれる。 それを自分なりに噛み砕くのが、殊の外楽しい。 彼の短編にあるのは、幾通りも解き方があるパズルで遊んでいるような面白さだ。 実際のところ、3つの短編集の中では一番読みやすいんじゃないかと思ってる。 なので人にヘミングウェイを勧めるときは大抵この本から手渡している。 ただ、勧めた人で良い返事を貰えた人は 現在までただの一人もいやしません。
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