チョコレート革命 の商品レビュー
俵万智さんの歌集ですね。 第三歌集になります。 『年齢でいうと、二十八歳から三十四歳まで。その間の作品を集め、選び、並べかえた。……並べかえの作業は、新しい物語を紡ぐような気持ちで、進めた。』 と、あとがきに記されています。 1997年発行です。 男ではなくておとなしの返事す...
俵万智さんの歌集ですね。 第三歌集になります。 『年齢でいうと、二十八歳から三十四歳まで。その間の作品を集め、選び、並べかえた。……並べかえの作業は、新しい物語を紡ぐような気持ちで、進めた。』 と、あとがきに記されています。 1997年発行です。 男ではなくておとなしの返事する 君にチョコレート革命起こす 冬じたく二人でなせる優しさの 重さの慕わしさのシクラメン 肉じゃがの匂い満ちればこの部屋に 誰かの帰りを待ちいるごとし 故郷とは生地にあらず「家族」という 花ことば持つ花咲くところ 子どもとは何をおいても笑わねば、 笑わねばならぬ生き物と知る ベランダにタオルを干せば一枚の風が 生まれてよじれてゆけり 私から私に贈る言葉あり 手のひらサイズの雛(ひいな)を飾る この冬はともに眺める人ありて 少し大きめのシクラメン買う 春の野にふと舞いおりる朝のため 羽を休めているスイトピー ぶらんこにうす青き風見ておりぬ 風と呼ばねば見えぬ何かを 「今」だけをたずさえて行く世の果てに ブランクーシの鳥が羽ばたく 年齢的に「恋の歌」が多い歌集です。架空の恋、実際の恋を織り混ぜておられるそうです。また、抜粋では、紹介しませんでしたが、この間に海外旅行をかなりされていて、その間の歌も詠まれている歌集です。 俵万智さんの歌集としては、少し湿り勝ちですが、これも年齢的にありの歌集ですね。
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生活の中にある視点を感じた。 トーストを二枚焼こうとして気づく今日から一人ぶんの朝食 ドアをしめ一人の一歩を踏み出せば危うい色の夕焼けに会う 思いきり見つめることの言い訳の小道具となる日もあるカメラ
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仕事のストレスや忙しさで、脳が疲れたりイライラしてると、YouTubeやラジオは楽しんで聴けないことが多く、そんな時は短歌や音楽を聴いて心を落ちつかせています。 俵万智さんの短歌は、変なクセもなく、同じ言葉を語感良く続けて詠んだり、固有名詞の使い方がお洒落で、めちゃくちゃ参考に...
仕事のストレスや忙しさで、脳が疲れたりイライラしてると、YouTubeやラジオは楽しんで聴けないことが多く、そんな時は短歌や音楽を聴いて心を落ちつかせています。 俵万智さんの短歌は、変なクセもなく、同じ言葉を語感良く続けて詠んだり、固有名詞の使い方がお洒落で、めちゃくちゃ参考になりました。 『チョコレート革命』は、大人な恋愛の歌が少し多めですが、旅でみたことや感じたことなどを詠まれているものも多く面白かったです。 以下、特に好きな短歌をいくつか抜粋。 思いきり見つめることの言い訳の小道具となる日もあるカメラ 抱きあわず語りあかせる夜ありてこれもやさしき情事と思う もう二度と来ないと思う君の部屋 腐らせないでねミルク、玉ねぎ 唇を合わせるだけのキスをして別れ話は台本どおり
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
俵万智「チョコレート革命」、1997.5発行。よくわからない歌が多かったです。理解できたのは次の4首ぐらい。①逢うたびに抱かれなくてもいいように一緒に暮らしてみたい七月 ②湯あがりの君にタオルを投げやれば笑窪のような盲腸の跡 ③かつて会いかつて別れし我らゆえ優しく飲める夜と思えり ④ぜいたくに飽きてしまいし老人は古家に暮らせり遠い目をして
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さまざまな土地に赴いて詠まれた歌も、やっぱり恋の歌も 男ではなくて大人の返事する君にチョコレート革命起こす
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胸焼けしそうなほどの熱っぽさ。チョコレートの後味といっしょだ。ああ。つらい。不倫、むり、絶対。 それなのに、俵さんの歌集はいつも一気に読んでしまう。すき。でも、やっぱり「オレがマリオ」がすきだなあ。わたしに恋の愛は重すぎるのかもしれない。
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歌のリズムは不思議なもので、この音だから自分に響くんだろうなあと思わせる。だからときどき、チョットそれは無理がないかと思えるような音だと、内容の善し悪しにかかわらずウーンと思ってしまう。 恋の駆け引きや切なさがよく表現されていた。
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一句から、心情や置かれている状況を彷彿させるような、それでいてストレートにささるものがある歌集。 テンポの良さもさることながら、精巧。 例え私は2番目でも、100年時がズレてしまえば出会えることすらなかった。だから私はこれで満足なの。なんて、情熱的なのに控えめな句が一番すき。...
一句から、心情や置かれている状況を彷彿させるような、それでいてストレートにささるものがある歌集。 テンポの良さもさることながら、精巧。 例え私は2番目でも、100年時がズレてしまえば出会えることすらなかった。だから私はこれで満足なの。なんて、情熱的なのに控えめな句が一番すき。 もともと図書館で借りたが、気に入ってしまった為購入。何度も読み返しています。 自分の心理状況によって、句の感じ方が変化する不思議。
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読書経験のほとんどない高校生の私には理解をしずらい表現が多々あったが、読んでよかったとは思えた 是非、大人になってからもう一度チャレンジしてみたい 短歌は、事実を記す日記ではなく、真実を届ける手紙で、ありたい。(あとがきより抜粋)
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