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マス・コミュニケーション概論 の商品レビュー

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2009/10/04

初版が1974ということで決して新しいものではありませんが3刷99年までに付け加えられている点もありマス・メディアの基本を概観するのには適したものだと思えます。 一章コミュニケーションの理論にはメディアを考えていく上で知っておくべき前提のこと、人は社会的な存在であるということには...

初版が1974ということで決して新しいものではありませんが3刷99年までに付け加えられている点もありマス・メディアの基本を概観するのには適したものだと思えます。 一章コミュニケーションの理論にはメディアを考えていく上で知っておくべき前提のこと、人は社会的な存在であるということにはじまり、シャノン ウイーバーの伝統的コミュニケーションモデルの提示、マス・メディアの機能について、そしてその影響、効果についての理論などがかかれている。続く章ではジャーナリズムの特徴、世論とマスコミ、というように硬質なアプローチがされていく。 メディアに求められるものはいわゆるジャーナリズム、権力監視というような政治的なものばかりではなく、日々の生活の小さなことを追うこと、また人々に娯楽を提供するという機能もあるが、それらについては本書では触れられていない。 これはマス・メディアの成立意志というものは権力監視であるから、娯楽的なことについては付随的なものとしてあるということに気づけばよいという著者らの考えによることだろう。 五章以下にある、表現の自由と責任、世界のマス・メディア、ここからは近時のグローバル化によりメディアの世界にも世界標準の思想というものが求められるのではないかということを想起させられる。 とくに表現の自由と責任、については自由で民主主義的な社会というものを標榜する国において最大限の配慮をしなければならないことである。この担い手の中心にメディアというものがあると考えていくならばジャーナリズムを内包するメディアには世界のどこにおいても基盤には共通の思想があると考えられる。 230ページほどのものでひとつの分野を押さえることは難しいが、学生がこれからヒントを得てスタートするというものとしては十分なものであるように思う。

Posted byブクログ