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南京事件 の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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南京事件の真実を明ら…

南京事件の真実を明らかにする本!!世界では常識。日本では隠された歴史の真実。これを読むことで、真実から目を背けづ、何が本当であるのか知ろうとする気持ちを思い出してください。数字ではない、現実の加害と被害を知ることができます。

文庫OFF

2023/08/11

直前に稲田 朋美氏の「百人斬り裁判から南京へ (文春新書)」を読んだ。また、秦 郁彦氏は徹底した資料分析と膨大な量の定量的調査などから鋭く歴史の事実性に切り込む私の好きな歴史家であるから多くの書物を読ませていただいた。著名な作家、歴史家が挑んでいる南京事件であるが、本書笠原十九司...

直前に稲田 朋美氏の「百人斬り裁判から南京へ (文春新書)」を読んだ。また、秦 郁彦氏は徹底した資料分析と膨大な量の定量的調査などから鋭く歴史の事実性に切り込む私の好きな歴史家であるから多くの書物を読ませていただいた。著名な作家、歴史家が挑んでいる南京事件であるが、本書笠原十九司氏の「南京事件」もその真相に迫ろうとしている。実際に事件の場にいた兵士が現在では殆どいなくなっているため、現場にいない作者の情報ソースによっては大分内容に偏りが出てくる点は否めない。だがそれら情報ソースが更にどこをベースに置いているかで、枝葉も変わってくる。 実際に現場にいた兵士の階級、将校と末端の兵士では活動する現場が違う。何より部隊によっては先発する部隊と後方から追う部隊では現場到着時刻も異なり、目まぐるしく戦況が変わる戦場に於いては全く異なる風景が広がっている。そして一般市民が見た記憶した事件の見方は、その後の歴史に大きく影響する。何より家や家族を失い、戦場で強姦された女性、息子や夫を殺害された親達の記憶には地獄さながらの景色が色濃く残る筈だ。自分の武功を強調したい兵士、惨劇を目の当たりにし自省の目で見た兵士、全てを失い恨みだけが残った市民、それらが記録や記憶に残した定量的な記述の多くには偏りが出てしまうのは仕方ない。 その中でも中国以外の滞在外国人、ジャーナリストや医師団、外交官などが見た現場描写はある程度は信憑性が高いと思われる。とは言え当時は概ね世界から見た日本は残虐非道であったのは間違いないし、自国の戦意高揚や国際的な批判を巻き起こしてそれら行為をやめさせたいなら、誇張が含まれるのは仕方ない。そうした人々も多くは自分のいた場所、見た範囲でしか語ることができないからだ。 結局のところ戦況全体を俯瞰し、混乱する戦場に於いては正確に数や状況を把握する事など不可能に近く、事件から80年以上の時間が経過した今となっては調査を更に難しくしている。その様な中でも事実に迫ろうとする歴史家や作家の努力を大いに認め敬意を表せずにはいられないのであるが、現在最も信頼性の高い数字としては、民間人の死者4万人といった秦郁彦氏の数字と言われている。なお先日読んだ百人斬りについては信憑性はかなり乏しいものと私は見ている。その他BC級戦犯の裁判については運不運も影響し、今となっては真実を探る手立ては殆どなくなってしまった。然し乍ら松井石根大将の責任の重さは変わらない。軍を率いる立場でそうした日本軍の統制の乱れを抑止できなかった罪は大きい。確かに常備軍ではなく戦場に連れて来られた兵士たちの統制にはかなり強力な監視と労力を要するが、普通に考えて兵士たちがこの様な事態を引き起こす事は容易に想像できる。現代社会でもウクライナに侵攻したロシア兵の残忍さがクローズアップされるが、兵士の心理状態を考慮した戦場の在り方を改めて考えさせられる。何より戦争を起こさない努力が一番であるが。

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2023/08/02

南京事件の経緯をわかりやすく丁寧にたどる本。 論争の多い分野で何が正しいのかはわからないのだが、当時のコンテクストの中で、さまざまな要因が重なり生じてしまったものなのかなと思った。 犠牲者の数や実態などについては議論のあるところであろうが、この記述がウクライナで起きていること...

南京事件の経緯をわかりやすく丁寧にたどる本。 論争の多い分野で何が正しいのかはわからないのだが、当時のコンテクストの中で、さまざまな要因が重なり生じてしまったものなのかなと思った。 犠牲者の数や実態などについては議論のあるところであろうが、この記述がウクライナで起きていることとかぶってしまい、気持ちが落ちた。 人間って、やっぱこんな愚かなことをするんだ、状況次第にでは、人間って簡単に残酷なことができるようになるのだということを再確認した感じ。

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2023/05/17

正直かなり読むのがきついが、日本人なら絶対に通らなければいけない歴史的事実だと思う。 ゲームのように首を刀ではね、あらゆる女性を強姦し、生死をかかわらずにまとめて焼き尽くす。 一人のドイツ人が中国人を助けるために尽力していたというのはとても皮肉なことで、この民族はこうだなどという...

正直かなり読むのがきついが、日本人なら絶対に通らなければいけない歴史的事実だと思う。 ゲームのように首を刀ではね、あらゆる女性を強姦し、生死をかかわらずにまとめて焼き尽くす。 一人のドイツ人が中国人を助けるために尽力していたというのはとても皮肉なことで、この民族はこうだなどという価値観は幻想であるなと痛感する。

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2017/01/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1997年刊。◆宇都宮大学教授たる著者が、南京事件(第二次上海事変を含む)を、多数の引用文献を利用して論じたもの。著者の書籍や引用文献は幾つかは既読で、その意味で新味に欠けた。が、丁寧な叙述と読みやすさはお勧めできる。また、南京事件の実相以外にも興味深い事実がある(暗澹となる事実でもある)。①日本軍の補給・兵站の軽視(補給部隊が到着せずに南京進撃をごり押しした松井石根)。②山本五十六が南京渡洋爆撃を新型爆撃機の実験場とし、航空機予算獲得の方途とした点。③南京事件の現場フィルムを毎日放送でかつて放映した点。 ④軍事を外交の延長と思わず、メディアの威力も軽視した軍人のありよう(南京占領時に外国人記者が活動していたことを放置。にもかかわらず、皇族の南京入城をスムーズに進めるためだけに残兵掃討を続け、海外世論を味方につけることに失敗した点。こんな方法は上部層の自己保身と名誉欲以外の何者でもない)。⑤駐華独大使トラウマン和平工作を日本側から進めておきながら、突然踵を返すかのごとく前言を撤回する日本の外交策の拙劣さと、これに加担した近衛首相と広田外相(広田の責任は軽いとの意見を見られるが、本書からはそうは思えない)。

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2014/02/28

読まなくちゃいけないんだろうな、と思いながら読んで、やっぱり気分が悪くなった。 第二次世界大戦での日本の戦死者数は軍民合わせて310万人だそうだ。一方、中国は1000万人以上。フィリピン、シンガポール、インドネシア、ベトナムなどのアジア諸国を加えればその数はさらに跳ね上がる。し...

読まなくちゃいけないんだろうな、と思いながら読んで、やっぱり気分が悪くなった。 第二次世界大戦での日本の戦死者数は軍民合わせて310万人だそうだ。一方、中国は1000万人以上。フィリピン、シンガポール、インドネシア、ベトナムなどのアジア諸国を加えればその数はさらに跳ね上がる。しかも国土が戦場になったこれらの国では、民間人の死者が軍人よりずっと多い。彼ら、彼女らはこうして殺されていったのだ。どんなに悲しく、無念だったろう。 彼らを殺したのはぼくらの祖父たちだ。どうしてそんなことができたのか、ぼくにはわからない。わからないからなおさら恐ろしい。あの時代、あの世界に生まれていたら、ぼくも彼らと同じように殺したのだろうか?  怖いからこそ読まなければ、と思う。ぼくひとりの力は限りなく小さい。でもこの時代に生まれ、本を読んだぼくは、殺さない。それだけが頼りだ。

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2014/02/12

南京事件について全く知らなかったので読んでみた。 陰鬱な気分になる記述がたくさんある。特に私は女なので、女たちの受けた凄惨な被害を知ってショックだった。 日本軍のもともと持っていた性質が、幾つかの条件により増幅されて、南京事件に至ったんだなと思った。 「行き当たりばったりな計画...

南京事件について全く知らなかったので読んでみた。 陰鬱な気分になる記述がたくさんある。特に私は女なので、女たちの受けた凄惨な被害を知ってショックだった。 日本軍のもともと持っていた性質が、幾つかの条件により増幅されて、南京事件に至ったんだなと思った。 「行き当たりばったりな計画」「兵隊を酷使して疲弊させるトップ」「中国人への蔑視」といった要因があった。 条件が揃えば、人間はどこまでも残虐になれると思った。 だからこそ、事件を反省して、二度と同じ状況が生まれないようにしないといけない。 そのためにも、この本を多くの人が読んで、南京事件について知って欲しいと思った。

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2013/05/02

とかく虐殺人数の多寡が云々されがちだが、実証資料に基づいた残虐行為の数々を知るにつけ、被害者の総数が少なければ問題ないとでも言わんばかりの論調の空虚さを知る。 生命という不可逆的なものを犠牲にする行為は、いかなる意味においても許されない。 略奪、強姦といった行為を軍法で禁じていた...

とかく虐殺人数の多寡が云々されがちだが、実証資料に基づいた残虐行為の数々を知るにつけ、被害者の総数が少なければ問題ないとでも言わんばかりの論調の空虚さを知る。 生命という不可逆的なものを犠牲にする行為は、いかなる意味においても許されない。 略奪、強姦といった行為を軍法で禁じていたはずの日本軍が犯した愚行。深く反省すべき時。

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2011/05/21

[ 内容 ] 本書は、南京事件においての攻略戦の発端から説きおこし、外国人記録を含めた史料群を博捜し分析して、その全体像を描き出していく。 [ 目次 ] 何がどう裁かれたのか―東京裁判と南京軍事法廷 南京渡洋爆撃の衝撃 上海派遣軍、独断で南京へ向かう 近郊農村で何が起きたか―波...

[ 内容 ] 本書は、南京事件においての攻略戦の発端から説きおこし、外国人記録を含めた史料群を博捜し分析して、その全体像を描き出していく。 [ 目次 ] 何がどう裁かれたのか―東京裁判と南京軍事法廷 南京渡洋爆撃の衝撃 上海派遣軍、独断で南京へ向かう 近郊農村で何が起きたか―波状進軍がもたらした被害 南京陥落―徹底した包囲殲滅戦 「残敵掃蕩」の実相―南京難民区国際委員会の記録 事件の全貌、そして国際的影響を考える 結びにかえて―いま問われているのは何か [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2010/08/05

教科書裁判への関与をきっかけに南京事件に 取り組むこととなった笠原十九司が史料検証に基づいて 書いた一作。事件60周年にあたる1997年発行。 南京事件が気になった時に最初に手にした 本でしたが、なかなか読む気になりませんでした。 今回、南京に行くにあたって、本棚から取り出して...

教科書裁判への関与をきっかけに南京事件に 取り組むこととなった笠原十九司が史料検証に基づいて 書いた一作。事件60周年にあたる1997年発行。 南京事件が気になった時に最初に手にした 本でしたが、なかなか読む気になりませんでした。 今回、南京に行くにあたって、本棚から取り出して 読みました。 上海/杭州上陸から南京攻略、そして「南京大虐殺」までを 日記や証言を基にした史料をたどり、検証していきます。 これを読みながら、上海から南京へ進んだわけですが、 この江蘇省の大地を同じように日本軍が進んで行ったんだなと ちょっとした感慨も。 これを読みながら南京に行ったので、記念館の 展示も、ああ、このことねと理解しやすかったです。 惜しむらくは、この本が出されてからの10年間で、 相互の言い合いは続いているものの、 新しい事実の解明だったり、共通認識の構築には 全然至っていないということ。 去年、「南京!南京!」という映画が公開されて、 虐殺に関与した日本兵からの視点での取り上げられ 方がされて、ただの「鬼子」ではなく、苦悩する日本兵の 姿も話題になって、一石は投じられたけど。 やっぱり今となっては、新事実の解明なんて 難しいのかもしれないですね。 双方の空白の時間もあり、客観的な証拠が もう残ってないでしょうし。 とはいえ、簡単に読める新書ですので、 事件が気になる方は、まず読んでみることを お勧めします。 http://teddy.blog.so-net.ne.jp/2010-08-04

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