ローマ人の物語(6) の商品レビュー
ローマ人の物語六巻目。塩野七生さんの見識の深さは素晴らしい。まだまだ続く物語。今年中に読み終えることができるかどうか?はなはだ怪しいものがある。じっくり読む作品。
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確かにカエサルの人生や業績に比べたら、退屈なくらい地味である。しかし、地味ではあっても確実に手を打っていく姿は、ここまで徹してやられると帰って小気味いい。晩年になって、一番大切にしていたはずの血縁に足を引っ張られるあたりは、神の描いた寓話のようだ。 政治関係の参考書を読んで...
確かにカエサルの人生や業績に比べたら、退屈なくらい地味である。しかし、地味ではあっても確実に手を打っていく姿は、ここまで徹してやられると帰って小気味いい。晩年になって、一番大切にしていたはずの血縁に足を引っ張られるあたりは、神の描いた寓話のようだ。 政治関係の参考書を読んでいるような気分になる本で、ストーリーを楽しむというものではないかもしれない。しかし、現代の日本にも通じる様々な問題に挑む皇帝の姿は、やっぱり参考書ではなく小説のものだ。 2007/3/28
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初代皇帝アウグストゥスがいかにして”皇帝”としての地位を暗黙裡に固めていったか、また、その後皇帝として行った数々の改革を中心に描かれる。 アウグストゥスの巧妙で、バランス感覚に恵まれた施策の進め方に感心するとともに、苦悩、人間臭さも出ていて面白い。 個人管理No. JI2009...
初代皇帝アウグストゥスがいかにして”皇帝”としての地位を暗黙裡に固めていったか、また、その後皇帝として行った数々の改革を中心に描かれる。 アウグストゥスの巧妙で、バランス感覚に恵まれた施策の進め方に感心するとともに、苦悩、人間臭さも出ていて面白い。 個人管理No. JI20091116-001
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カエサル亡き後に役者はいるのかと思ったけれど、塩野さんの筆ならばきちんと役者は登場する。アウグストゥスは悩みに悩んで帝国を育てた人だった。そして自分の身内を結果的には贔屓することもなく、フェアプレイをした人だった。フェアプレイをする気はなかったのに、結果フェアプレイ。この人もまた...
カエサル亡き後に役者はいるのかと思ったけれど、塩野さんの筆ならばきちんと役者は登場する。アウグストゥスは悩みに悩んで帝国を育てた人だった。そして自分の身内を結果的には贔屓することもなく、フェアプレイをした人だった。フェアプレイをする気はなかったのに、結果フェアプレイ。この人もまたすごい人だった。
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第6巻は紀元前30年、オクタヴィアヌス(アウグスツウス)の皇帝即位から、紀元後14年アウグスツウスの死まで。 「マキャヴェリ 新しい政策を断行しなければならない場合は、人々に考え批判する時間を与えないように次々と行うべきである」 「情報公開 秘密とは、それを所有する者の権力を...
第6巻は紀元前30年、オクタヴィアヌス(アウグスツウス)の皇帝即位から、紀元後14年アウグスツウスの死まで。 「マキャヴェリ 新しい政策を断行しなければならない場合は、人々に考え批判する時間を与えないように次々と行うべきである」 「情報公開 秘密とは、それを所有する者の権力を増す上で、最も有効な手段である」 「アウグスツウスの卓越した手腕 一つ一つは完全に合法でありながら、それらをつなぎ合わせていくと、共和政化では非合法とするしかない、帝政につながっていくからである」 「ローマ街道 ひとつの目的のために完璧につくられたことは、他の目的のためにも役立つという真理」 「価値観さえ共有していれば、妥協は常に可能である」 「平衡感覚とは、中間点に腰をすえることではない、問題の解決により適した一点を探し求めるという、永遠の移動行為」 「ローマ人の家庭には必ず、その家の守護神と先祖たちの「霊」を祭る一画がある。神的なまでの天分に恵まれた生者は死後には星・守り神になる 日本の神々との類似性」 「平和を目指すからこそ常備軍が必要という、方針が確立」 「マキャヴェリ いかなる事業も、それに参加する全員が、内容はそれぞれ違ったとしても、いずれも自分にとって利益になると納得しないかぎり成功できないし、その成功を永続させることもできない」 「税制改革 いかなる事業であろうと、財源の確保なしには存続は望めない」 「一見逆説のようだが、逆説ではなく真実である。文明のどが高ければ高いほど、その民族の制覇は容易になり、低ければ低いほど、その民族の制覇は困難になる」 「長生きすることは、親しい人の死に出会う回数が増えることである。同年代の人が多くなると、人間は老いを、そして自分の死も、深く感ずるようになる」 「人間とは、責任感と自負心を持ったときにもっともよく働く、使う側から言えば駆使できる、生き物である」 「女は愛されていなくても愛するフリをしてくれるだけでも耐えられないこともない」 「ローマの共和制とは、貴族性・寡頭制であり、現代の我々が考える民主政体ではない」 「人間は、自分では忘れたいと思っていることを指摘されると、腹を立てるものなのである」
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オクタヴィアヌスがカエサルの後を継ぎ アントニウスとの闘いなどを経て初代皇帝アウグストゥスとなったところです。 晩年のエピソードが好きです。
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英雄カエサルの遺志を継ぎ、事実上帝政ローマの初代皇帝となったオクタヴィアヌス(アウグストゥス)の一生を描く一冊。 以下、本文から抜粋。 「天才の後を継いだ天才でない人物が、 どうやって、天才が到達できなかった 目標に達せたのか。」
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