一九三四年冬 の商品レビュー
深刻なのかお気楽なのか、揺れ幅がおもしろい乱歩先生。 雰囲気のあるホテルにて両手に花状態。乱歩でなくてもキュートで艶っぽい翁青年にはクラクラします。 明治大正の名立たる文人・作家の影がサッとよぎるのもよいです。
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スランプの末、突如行方をくらました超売れっ子作家・江戸川乱歩。謎の空白の時を追いながら、乱歩の奇想天外な日々を照らす。
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主人公は白いモノが目立ち始めた40男の乱歩。 作家としての後ろめたさを言い訳しつつ逃げ込んだある宿での隠遁中に起こる幻想と妄想。 久世光彦の描く乱歩は乱歩の小説以上に乱歩の世界観を浮き上がらせてくれます。 中国人の美青年や美しき人妻に心惑わされ、若い頃の生き生きとした文章を生み出...
主人公は白いモノが目立ち始めた40男の乱歩。 作家としての後ろめたさを言い訳しつつ逃げ込んだある宿での隠遁中に起こる幻想と妄想。 久世光彦の描く乱歩は乱歩の小説以上に乱歩の世界観を浮き上がらせてくれます。 中国人の美青年や美しき人妻に心惑わされ、若い頃の生き生きとした文章を生み出していきます。 「梔子姫」を挿入することで、現実と妄想が交じり合い、それでいて読みやすい構成には脱帽。 是非ご一読を。
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久世氏の描く江戸川乱歩のお話。 文章がとても綺麗で、尚且つすごく読みやすかったのを覚えています。 妖しくて耽美な雰囲気を醸し出すのが得意な方なんだなぁ〜と感じました。 幻想的ですがエロスです。 作中作である『梔子姫』は、お話の中では乱歩の作品となっていますが、もちろん久世...
久世氏の描く江戸川乱歩のお話。 文章がとても綺麗で、尚且つすごく読みやすかったのを覚えています。 妖しくて耽美な雰囲気を醸し出すのが得意な方なんだなぁ〜と感じました。 幻想的ですがエロスです。 作中作である『梔子姫』は、お話の中では乱歩の作品となっていますが、もちろん久世氏の書かれたものです。 どうして乱歩本人ではない久世氏が、ここまで乱歩らしいものが書けたのかすごく不思議です。 それ程までに乱歩の世界観を描ききっているんです。美しさとか、グロテスクさとか。 乱歩ファンの方も楽しめる作品になっているのではないでしょうか。
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久世光彦。ドラマはそんな好きじゃないけれど。。。小説はいい!さすが脚本家。まず視覚で惑わせ、聴覚によって世界に引きずり込む。そして嗅覚で完璧に舞台を体感させる・・・。スランプ中の家出の40男・乱歩が主人公。滑稽で醜い現実世界と、エロス薫りたつ幻想世界を織り交ぜた怪しい世界に、読者...
久世光彦。ドラマはそんな好きじゃないけれど。。。小説はいい!さすが脚本家。まず視覚で惑わせ、聴覚によって世界に引きずり込む。そして嗅覚で完璧に舞台を体感させる・・・。スランプ中の家出の40男・乱歩が主人公。滑稽で醜い現実世界と、エロス薫りたつ幻想世界を織り交ぜた怪しい世界に、読者の五感すべてを誘う。すばらしい文章。
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久世さんの触れるか触れないか、という絶妙な空気の書き込み方が好き。 作中作『梔子姫』を読み進めるうちに「乱歩」という迷路に入り込んでしまうでしょう。 限りなく乱歩に愛を注いだ一作。
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