ラファエル前派の女たち の商品レビュー

ジャンマーシュ(著者),蛭川久康(訳者)

2020/04/23

モデルから妻になり下層階級からその上の階級に成り上がっていく女性たち，その姿をロセッティやモリスなどラファエル前派たち画家側からではなく女性の側から調べて考察している．その詳細な記述には頭が下がりました．そして，19世紀後半のイギリス，ことにロンドンの世情，雰囲気がよくわかる．ジョージ・エリオットの「ミドルッマーチ」の世界がそのまま発展して広がっている．
そして，主体性と自決権を求める果敢な戦いと筆者が言っているが読みながらまさしくそうだと思った．

2017/10/11

ラファエル前派の画家たちに関連した女性たち。
モデル、愛人、妻。
それぞれの生き様が綴られていますが、
当時の女性に対する風潮、差別、風俗、社会情勢を
絡めて書かれているところが良かったです。
特に階級･･･あるときは従順に、あるときは抗って、
生きていく姿に心打たれます。