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愛の生活 森のメリュジーヌ の商品レビュー

3.8

22件のお客様レビュー

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とてもシュールな短編…

とてもシュールな短編集。特に「兎」は、ややグロイですが耽美的で良い雰囲気です。

文庫OFF

短編集。「愛の生活」…

短編集。「愛の生活」は小川洋子絶賛の作品です。

文庫OFF

2024/02/23

初の小説で太宰治賞次席となった「愛の生活」、泉鏡花賞の「プラトン的恋愛」など、金井美恵子の傑作10編の短編集。 収録されているのは60〜80年代の初期作品。あとがきにある「処女作にすべてが含まれている」ではないが、ほぼ彼女の世界観は完成されていると思う。 表題作や受賞作、また...

初の小説で太宰治賞次席となった「愛の生活」、泉鏡花賞の「プラトン的恋愛」など、金井美恵子の傑作10編の短編集。 収録されているのは60〜80年代の初期作品。あとがきにある「処女作にすべてが含まれている」ではないが、ほぼ彼女の世界観は完成されていると思う。 表題作や受賞作、また「夢の時間」「アカシア騎士団」などは幾重もの観念、言葉世界が折り重なり、難解な印象。 個人的に好きなのは、作品群の中でも短い「兎」「母子像」「空気男のはなし」。迷いのない筆致と幻覚的な世界がいい。 彼女の観念的な世界と虚無感は心地良い。物語と現実の境目が曖昧で、ふわふわとした感じ。言葉によって世界が認識され、その危うさに弄ばれている快感に浸れる。

Posted byブクログ

2024/02/20

大学の先生に勧められて手に取ったけれども、とんでもない世界に足を踏み入れてしまった気がする。ずいぶん好きでした。描写や比喩がちょっとグロテスクな感じがするので、そういうのが平気なひとはぜひ読んでみて欲しい。繊細な言葉が連なっているので、グロテスクなものも美しく見えてくるのが不思議...

大学の先生に勧められて手に取ったけれども、とんでもない世界に足を踏み入れてしまった気がする。ずいぶん好きでした。描写や比喩がちょっとグロテスクな感じがするので、そういうのが平気なひとはぜひ読んでみて欲しい。繊細な言葉が連なっているので、グロテスクなものも美しく見えてくるのが不思議。

Posted byブクログ

2022/12/23

吐瀉物のような薄桃色の日焼けした背表紙を持つ古本は限界を超えて煙草の匂いが染み付いていた 金井美恵子の本として味のあるコンディションともとらえられる 最初期の作品だからか語彙の洪水にのまれる感覚は薄くて爽やか 語彙の洪水にのまれながらリズムに身を任せる 語りかける文章の軽やかさ ...

吐瀉物のような薄桃色の日焼けした背表紙を持つ古本は限界を超えて煙草の匂いが染み付いていた 金井美恵子の本として味のあるコンディションともとらえられる 最初期の作品だからか語彙の洪水にのまれる感覚は薄くて爽やか 語彙の洪水にのまれながらリズムに身を任せる 語りかける文章の軽やかさ 森のメリュジーヌ 愛と幻想のイマージュイマージュのためのイマージュ 血や吐瀉物や生き物の内側にあるもののの噴出 その中に存在が溶けていくことは次第に身体的なことではなくなり時空と現実と幻想とあらゆるものの区別がつかなくなることというよりももはや逆転していく 解説も面白い

Posted byブクログ

2022/02/09

ラジオで紹介されていた『兎』が読みた過ぎて手に取ったものでした。…が、とても読むのが大変でした。まだまだこの雰囲気を楽しめる理解力や感覚が持てていなかったようです。 短編の、特に前半の書き方では読んでいるうちに主語が変わっているようななんの話なのか見失うことがあり混乱します。たく...

ラジオで紹介されていた『兎』が読みた過ぎて手に取ったものでした。…が、とても読むのが大変でした。まだまだこの雰囲気を楽しめる理解力や感覚が持てていなかったようです。 短編の、特に前半の書き方では読んでいるうちに主語が変わっているようななんの話なのか見失うことがあり混乱します。たくさん文字はあるのに伝わることが少なくて、何をしているのかもよくわからなくて辛かった…モヤモヤっとした感情が文の中にあるきがするけどそれだけというか…辛かった笑 兎あたりから読みやすくなった印象でしたが ただ兎以外は記憶に話の内容があまりありません。 時々ラインを引いておきたい素敵な表現がありそういうのを探すためだけに読んでいました。 グロの描写はとても上手い方なのではとドキドキしました。そこは怖くも美しく素晴らしいなと思いました。

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2020/09/01

めちゃくちゃつまらないとか、難しいとか、そういうことはまるでなく、けどなんだか、読んでいて退屈な、いや、退屈ですらない、むなしいような気分になってきて、やめてしまった

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2018/05/20

最初の二編『愛の生活』と『夢の時間』は、正直少し読みづらかったです。時間と場面が急にとんで過去の話になるなど、話を掴みきれず、私にはまだ早いのかもしれないとも思いました。 しかし、三つ目の『森のメリュジーヌ』からは、おもしろいと思い始めました。10~20ページ程度の短編の方が、...

最初の二編『愛の生活』と『夢の時間』は、正直少し読みづらかったです。時間と場面が急にとんで過去の話になるなど、話を掴みきれず、私にはまだ早いのかもしれないとも思いました。 しかし、三つ目の『森のメリュジーヌ』からは、おもしろいと思い始めました。10~20ページ程度の短編の方が、濃密で独特な世界観に浸ることができました。 『森のメリュジーヌ』は、常闇の森のなか彼女をさがし、指を燃やすという、幻想的な世界が好きでした。 他に好きだったのは、『空気男のはなし』です。サーカスに出演する空気男モモは、“あたりまえの常識的な種類の食物を、無邪気に、ただ、驚くべきほどの分量の食物を、食べ(p212)”ました。球体のような太り方をしていた彼は、“ゴム風船のように空虚をいっぱいにつめ込むことが出来る(p215)”のでした。 また、『兎』は、グロテスクで、目を覆いたくなる話でした。

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2018/01/06

2008年11月17日~18日。  女性にしか書けないんじゃないか、といった印象を持った。美しくグロテスクで独りよがりでもあり、人を惹きつける。不在という存在。 「兎」はそんじょそこらのホラー以上に怖い。

Posted byブクログ

2014/12/13

はや20年前に読んだ『それでも作家になりたい人のためのブックガイド』で挙げられていた。読みたい本リストに載せられたまま20年放置。 ついに読了。衝撃。 表題作『愛の生活』は19歳の時の作品。これは驚く。 『母子像』エレクトラコンプレックスとマザーコンプレックスの交錯。

Posted byブクログ