死の泉 の商品レビュー
本の中に本がある、入れ子構造のミステリー。内側の本を読み、ああ面白かったなあと内側の本の「あとがきにかえて」を読み進めると、、、今まで読んできた物語がすべてひっくり返され、混乱の渦に叩き込まれました。
Posted by
ナチス・ドイツの興亡の裏に隠されたもうひとつの歴史。カストラートや人造シャム双生児を生み出そうとする狂信的な芸術賛美者の軍医・生きるため・生まれ来る我が子のためにその軍医との策略的な結婚を選んだ私生児の母・それらに翻弄される子供たちの運命を描いた、吉川英治文学賞作。はっきり言って...
ナチス・ドイツの興亡の裏に隠されたもうひとつの歴史。カストラートや人造シャム双生児を生み出そうとする狂信的な芸術賛美者の軍医・生きるため・生まれ来る我が子のためにその軍医との策略的な結婚を選んだ私生児の母・それらに翻弄される子供たちの運命を描いた、吉川英治文学賞作。はっきり言って日本の小説には思えません。というより、翻訳小説という見立て自体が、この多重構造の重厚なミステリの伏線のひとつ。禍々しい時代の坩堝に飲み込まれていくような読後の余韻は、格別です。
Posted by
これもミステリになるのかな。推理小説じゃなく、神秘とか謎とか怪奇とかそういう意味でのミステリになるのかな。必ずしもフィクションと思えないところがなんとも滅入っちゃう。
Posted by
濃かったです。いろんな要素てんこ盛り。でも、嫌いじゃないです。 ナチスドイツ、碧眼金髪、双生児、カストラート等々。 どう絡めてミステリーにしていくのかは読んでのお楽しみです。 最後にあっと言わせてくれました。
Posted by
病的なまでの耽美主義的な追求は、 ナチズムの退廃芸術忌避と結合双生児なのかも知れない。 あとがきだけで、場を一気に迷宮に作り変える技は見事だ。 1998 年 第 32 回吉川英治文学賞受賞作品。
Posted by
異様なボリューム感のある長篇だけどサクサクと。 一人一人は、ただ素朴な希望や欲望を抱いているだけ、 でも、 それらが特異な状況下で結びついたことで拡大した悲劇、 という風に受け取れました。
Posted by
いやー、ほんと凝ってる。近代ドイツ、歌声と銃声が入り混じる中繰り広げられる愛と憎しみの話。作中に現れる幻惑に流されないように必死に読み進めたけど、みなさんの感想通り、やっぱり最後の最後で現実から引き離されてしまった。わっからーんけど面白い!!笑 結局どこが史実でどこがフィクション...
いやー、ほんと凝ってる。近代ドイツ、歌声と銃声が入り混じる中繰り広げられる愛と憎しみの話。作中に現れる幻惑に流されないように必死に読み進めたけど、みなさんの感想通り、やっぱり最後の最後で現実から引き離されてしまった。わっからーんけど面白い!!笑 結局どこが史実でどこがフィクションだったのだろうか。気になるけど、種明かしされたらこの魔法も解けてしまいそうで、解説とか読めない!
Posted by
若い未婚の母と狂気の医者、 己を奪われた幼い少年達、 天使の歌声、美しい双子、 作られた美 第二次世界大戦中、そして戦後のドイツを舞台に繰り広げられる重厚な物語。最後に見えてくる衝撃の真実。 戦禍の中で絡まりあった糸が、戦後、混沌とした世界の中で繋がっていく様は秀逸で、あっと...
若い未婚の母と狂気の医者、 己を奪われた幼い少年達、 天使の歌声、美しい双子、 作られた美 第二次世界大戦中、そして戦後のドイツを舞台に繰り広げられる重厚な物語。最後に見えてくる衝撃の真実。 戦禍の中で絡まりあった糸が、戦後、混沌とした世界の中で繋がっていく様は秀逸で、あっという間に惹きつけられてしまいました。
Posted by
重厚な「物語」に衝撃を受けた。 光の下では輝かない種類の美しさ、暗闇の中の黄金の、黒に近いギラリとした輝き。 構造自体も凝っているのもさることながら、言葉が世界を作り出して動いているのを確かに感じた気がする。
Posted by
どんでんがえしの後に、もう一回返された。 おもしろかった。 何故評価が低いのかよくわからん。 よかったとおもう。
Posted by