晩課 の商品レビュー
人気の87分署シリー…
人気の87分署シリーズ。独特の雰囲気にはまります。
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ちょっと長いですが、…
ちょっと長いですが、最後のどんでん返しというか、意外な結末は立派。
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1956年に発表された「警官嫌い」で始まる、「アイソラ」という架空の都市を舞台にした,警察小説のシリーズ。火曜サスペンスの「街」という渡辺謙が主役のシリーズの原作です。 1作の中で、メインとなる事件の他に、それぞれシリーズおなじみの刑事達が抱える、プライベートの悩み・事件・家...
1956年に発表された「警官嫌い」で始まる、「アイソラ」という架空の都市を舞台にした,警察小説のシリーズ。火曜サスペンスの「街」という渡辺謙が主役のシリーズの原作です。 1作の中で、メインとなる事件の他に、それぞれシリーズおなじみの刑事達が抱える、プライベートの悩み・事件・家族の事情などが絡んできて、ともすると部品のひとつになりがちな、刑事一人一人の生身の姿が、アイソラをバックに浮かび上がってきます。 おそらくニューヨークがその元であろうと想像に難くないのですが、あえて架空の都市にしたことにより、都市において起こっている微妙な問題、人種問題・宗教問題などをテーマにとりあげた作品が多いような気がします。 しかしなにはともあれ、このシリーズの主人公は87分署の刑事達です。 キャレラ、ブラウン、ホース、クリング、ウィリス、マイヤー・マイヤーといった刑事が、シリーズを追うごとに悩み、傷つき、喜び、涙します。その姿はきっと、アメリカという国に住む普通の人たちを写したものではないのでしょうか。 わたしはこのシリーズを1作目から順に図書館で読みあさっているのですが、もう今となっては、このシリーズにいわゆる「推理物」としての面白さよりは、87分署の刑事達のその姿を見るために、読んでいるようなものです。 もちろん、警察小説としての読み応えも、推理小説としての読み応えもしっかりしているし、アメリカという国の社会を映す社会小説としてもずしりと重いものがあります。それに40年も続いているだけあって、最初の方の作品と今の作品とでは、たとえば人種問題などの書き方や捉え方が変わっていたりして、そういう方面でも読み進めるとなかなか面白いものがあります。 キャラクターの成長日記として。アメリカという国を写す鏡として。様々な見方で読んでみるのも、面白いかもしれません。
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87分署シリーズ♪こんなこと言ったらアレだけど鬼門がなくなってよかった一冊です( ̄▽ ̄;)ハル、職権濫用ひどいなぁと思いながら読んでました(笑)刑事部屋に平和をプリーズ('ε'*)相変わらずの季節感でアイソラの風景は素晴らしいね。
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※このレビューにはネタバレを含みます
再読。★3 ハル・ウィリスと恋人マリリンが過去の因縁に悩まされる事件と、神父が刺殺された事件が並行して描かれる。 前回読んだ時は全体を覆う暗鬱な雰囲気と凄惨さにのまれて★5をつけたのだったが、今回はそこまでの刺激を受けなかった。 特に悪魔崇拝の人らに関しては「くだらないことやってんなーどうぞご勝手に」といった感じで、熱を持てず流し読みに。 昔は悪魔崇拝という響きだけで興味を持って読めたんだろうが、やってることは雰囲気づくりをちょっと凝った乱交パーティと変わらなく思える。遊びでやってるんじゃないというようなことを代表が言ってたので、より具体的な心理や背景があれば楽しめたかもしれない。 結局悪魔が微笑んで終わり、という筋書きだったが、過去の自分はこれに後味の悪さとそれなりのショックを受けたことを覚えている。 しかし今回はそういった感情移入も無く、「ああ、母ちゃん息子を追い払いたかっただけなのね」と話の筋を確認するだけで終わってしまった。 キャレラが教会に行かなくなった理由(神父に「一番忙しい時期にきた」と嫌味を言われたこと)が挿入されるが、あの話と神父を殺してしまった少女の「裏切られた」という感情がリンクする。 キャレラの話は思い出として描かれただけで、犯行の布石として描かれたわけじゃないかもしれないが、違う結果を生んだふたつの裏切られた話、殺意の大きさは少女の信仰度の大きさの裏返し、こういう点に関心を惹かれる。
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