少年の眼 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
収録されている『夏の葬列』が読みたくて、図書館から借りてきました。 『少年の眼』というタイトルの通り、少年の目線、少年の世界をテーマにした現代文学作品を集めた短編集です。 少年時代、などというと文学的に美化されたイメージがありますが、僕自身は自分の少年時代にあまりいい印象はありません。思い出はそれなりにあるものの、自分自身がイヤな子供だったなあという思いがありまして。 ですから『夏の葬列』の主人公の心情とは、妙に重なり合うところがありました。 『夏の葬列』の感想としては、戦争が題材として扱われているものの、いわゆる「戦争の悲惨さを描いた」文学作品ではちっともないあたりが、好感を持てます。 文章は読みやすく、これを声に出して読んだらさぞリズミカルでいいでしょうね。なおかつ適度に一文一文に心情が盛り込まれているので、区切りごとに主人公の心情が読み手の中で段階を踏んで盛り上がります。だから教科書にも採用されたりしているのでしょう。 「教科書に載った」「少年がテーマ」などと書くといかにも文学作品ぽいですが、実際にはとてもテクニカルに作られたブラック・ユーモアです。戦争という題材も、たまたまこの物語の構造にマッチしているから採用されただけではないかと思われます。 この本に収録されている他の短編は読んでいないので、本全体に対する評価はなし、ということで。
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