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ハルモニア の商品レビュー

3.8

13件のお客様レビュー

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2025/02/27

脳の機能障害によって言葉を失うが音楽に特異な才能を示す女性と彼女にチェロを教えることになった青年の物語。何かに才能を示す者が総合的に人間としてみた場合あきらかに欠けたところがあるというのはよくある話ですね。ちなみに、これを読んでいてぼくの頭に浮かんでいたのはモーツアルトとサリエリ...

脳の機能障害によって言葉を失うが音楽に特異な才能を示す女性と彼女にチェロを教えることになった青年の物語。何かに才能を示す者が総合的に人間としてみた場合あきらかに欠けたところがあるというのはよくある話ですね。ちなみに、これを読んでいてぼくの頭に浮かんでいたのはモーツアルトとサリエリを描いた『アマデウス』でした。先天的な才能というものを持たない人間は、不断の努力によって自分の望む方向に活路を見出していくのですが、血がにじむほどがんばっても何かを得られるとは限りません。そこに自分が求めても求めても手に入れられないものを実現させてしまっている人間が現れたら…。この物語の主人公である青年は、自分にとっては閉ざされた道を開くための才能を「育てる」機会を手に入れるわけですが、それは悪夢のはじまりでもあるわけです。自分が否定的に考えているチェリストの音を複写し再現していく彼女へのいらだちは、じつは自分自身の音楽へのいらだちに他ならないのでしょう。この物語の結末が特に否定的だとはぼくは考えていません。このふたりの音楽は例えそれが一瞬であったにせよ完成されたのですから。

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2015/02/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ドラマ化してたんやねぇ。それもずっと前に テレビをあまり見ないと、こういう時得やね。「これ知ってるわ」がない。ヒロインの顔も中谷美紀(がやってたらしい)にならない。 内容はキャリーやファイヤースターターやバビル2世のようなサイコパスのドラマ的ホラーを音楽の視点からやろうという感じのお話。 オモロい小説だが、凄みは感じられず。篠田さんの筆はこんなもんじゃないと思うので標準点としときます。

Posted byブクログ

2014/08/16

SFっぽくないのに、気づけば超現実的な設定に納得させられてる。登場人物のそれぞれの描き方が鮮やかで、まるで知っている人のように感じてくる。長編なのに最後まで飽きさせずにとても面白かった。

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2014/02/16

読者を飽きさせない語り口はさすが、とは思いつつ、何だか妙に冷めている。筆がのっていないような。特にまずくもなく、飽きることはなく、引っ張って行ってくれるものの、半分くらいで飽きが来た。何故だろうか。別に感動もしないし切なくもならないし。

Posted byブクログ

2018/03/10

浅羽由希 脳の損傷を受ける。 それに関わったのが、深谷。 泉の里で、障害を克服する由希。 それに関わる東野。 チェロを教える。 ルー・メイ・ネルソン 12階から転落死をする。  天才的とは、いかなる才能なのか? 中谷という女優が、テレビでやったことを思い出した。 そのイメージ...

浅羽由希 脳の損傷を受ける。 それに関わったのが、深谷。 泉の里で、障害を克服する由希。 それに関わる東野。 チェロを教える。 ルー・メイ・ネルソン 12階から転落死をする。  天才的とは、いかなる才能なのか? 中谷という女優が、テレビでやったことを思い出した。 そのイメージが、だぶって、小説がよみづらかった。 つまり、そのキャラクターがそっくりあっているということです。 東野は、堂本が、やったのだが、 ちょっとイメージが違いすぎる。 欠損した脳が、修復していく過程で、 エキソシストのような、超能力を確保していく。 チェロの名器 アマティ・・・ コピーではなく、自分の個性をだしていく。 そのことが、大切になっている。 しかし、その自分の音を出すことによって、 自分自身のバランスが崩れていく。 ハッピイエンドにならないことが、 篠田節子らしいもって行き方である。

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2011/08/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どうしても理解できなかったです。 ドラマも見たのですが、理解できなかった(ので、本を読んだのですが)。

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2019/01/16

ヒトの言語を理解できず、音楽として変換しながら自分を保ち続ける由希。 チェロ奏者の東野。 あまりにもせつない2人の行方。 普段、チェロになじみがないけど、物語を読んでいる間、チェロの音がずっと聞こえてきたような気がした。

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2010/08/15

10代の少女のような面影を持ち重度の脳の障害を抱える由希。その代償に音楽的な才能を持つ。その無限の能力に恐れと羨望を抱きながら、彼女にチェロを教え、そしてのめり込んでいく演奏家東野。その拮抗が破れた時、彼女と共に破綻していく。 内容的には、脳実験的な手術とか超常現象のような事が...

10代の少女のような面影を持ち重度の脳の障害を抱える由希。その代償に音楽的な才能を持つ。その無限の能力に恐れと羨望を抱きながら、彼女にチェロを教え、そしてのめり込んでいく演奏家東野。その拮抗が破れた時、彼女と共に破綻していく。 内容的には、脳実験的な手術とか超常現象のような事が出てきてしまうんだけど、ストーリー展開でぐいぐいと読ませるものがあった。確かドラマ化された時に、中谷美紀がやってた気がする。

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2010/07/09

チェロを弾く篠田さんならではの深い味わいのある作品。音楽を純粋に愛する気持ちとそれに対するまっすぐな姿勢に驚かされる。ユキの非人間的な感覚と異様な力、それに対する東野の揺れ動く心情がただの怖さで終わらないところがいい。自分がもう少し音楽になじみがあったらもっと入り込めるのに…と残...

チェロを弾く篠田さんならではの深い味わいのある作品。音楽を純粋に愛する気持ちとそれに対するまっすぐな姿勢に驚かされる。ユキの非人間的な感覚と異様な力、それに対する東野の揺れ動く心情がただの怖さで終わらないところがいい。自分がもう少し音楽になじみがあったらもっと入り込めるのに…と残念で仕方なかった。

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2010/06/02

小5のときに読んで、「大人の本って面白い!!」と児童書からの脱却のきっかけになってくれた本です。そういう意味で人生の転機。

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