ストックホルムの密使(上) の商品レビュー
第二次世界大戦末期。…
第二次世界大戦末期。北欧スウェーデンで繰り広げられたもう一つの終戦工作とは・・・(前編)
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2021.4.13 読了 ストックホルムから敗戦直後のドイツを横断してスイスへ、そしてロシアから満州、日本へという苦難の冒険行がロードムービー的に展開される。原爆投下とソ連参戦というヤルタ会談の重大な密約内容を日本軍上層部に伝えようとするが、結果的に間に合わず多大な損害を被ってしまう。史実ではないにしても似たようなことを日本人の持つ非合理性でねじ曲げ本質を無視してきたのは事実だろう。
Posted by
言わずと知れた第二次大戦三部作 「ベルリン飛行指令」「エトロフ発緊急電」に続く三作目 森四郎が好きでこの作品が一番好き。 前作を経てるからこそ森四郎が活きるのだと思う。 因みに「エトロフ」は読んでて泣いた記憶がある。 警察ものじゃない佐々木さんの作品をもっと読みたい。。
Posted by
ベルリンが陥落した第二次大戦末期。 アメリカによる本土空襲が激化し、日本は敗戦への道を辿る一方でした。 政府はソ連に終戦工作の仲介をと模索しますが、スウェーデン駐在の海軍武官大和田市郎は、連合国側の極秘情報を入手します。 日本が滅亡する前に、この極秘情報をなんとか日本に届けたい。...
ベルリンが陥落した第二次大戦末期。 アメリカによる本土空襲が激化し、日本は敗戦への道を辿る一方でした。 政府はソ連に終戦工作の仲介をと模索しますが、スウェーデン駐在の海軍武官大和田市郎は、連合国側の極秘情報を入手します。 日本が滅亡する前に、この極秘情報をなんとか日本に届けたい。 そのために、二人の密使が放たれます。
Posted by
ヨーロッパ戦線、ナチス優勢の頃パリ在住の異邦人が、友達のレジスタンスを庇った疑いでドイツに連行され、ベルリン侵攻に乗じてストックホルムに辿り着き、彼の地の駐在武官、そこに出入りするユダヤ系ポーランド人と親交を深める。一方、同じく前線での敗北により急速に敗色濃厚となりつつある日本に...
ヨーロッパ戦線、ナチス優勢の頃パリ在住の異邦人が、友達のレジスタンスを庇った疑いでドイツに連行され、ベルリン侵攻に乗じてストックホルムに辿り着き、彼の地の駐在武官、そこに出入りするユダヤ系ポーランド人と親交を深める。一方、同じく前線での敗北により急速に敗色濃厚となりつつある日本にも早期の終戦を模索する帝国海軍の一団があり、終戦に向けた研究を内密に進めていた。ドイツが敗戦し、東方戦線から圧迫していたソビエト軍は、ヤルタ会談以降日ソ不可侵条約破棄のタイミングを計りながら、軍を極東地域に移動させつつあり、戦後を有利に計りたい英米は、早期かつ日本に本土決戦を諦めさせるため、原子爆弾の使用を検討していた。このような情勢と原子爆弾の実験成功の情報を得たポーランドは、かつてリトアニアの日本人にビザを発行してもらった恩返しからストックホルム駐在武官に真実を明かし、日本に情報伝達を託した。既にストックホルムからの打電が握り潰されていると感じていた駐在武官は、先の異邦人とポーランド人に情報の伝達を託した。
Posted by
太平洋戦争末期。中立国スウェーデンでの戦争を終わらせようと苦悩する武官。 しかし、日本本国では情報を握りつぶしてしまう。 下巻での密使の活躍が楽しみだ。
Posted by
埋没した歴史にあったであろう物語。現実の時代の流れの背景と組み合わせると、本当に、リアルに感じられる。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
太平洋戦争末期。追いつめられる日本。 ついにソ連が対日参戦を決定し、さらに米国が原子爆弾の実験に成功したとの情報がもたらされる。 日本の軍人や戦時中の民衆がいかに愚かだったか、という内容。 現在の新しい資料が加わればまた別のストーリーになるのかもしれない。 前々作ベルリン~の主役・安藤が再登場するのは嬉しい。
Posted by
「第二次大戦三部作」 淡々と背景説明があり、下巻に続く(^^; アメリカの原発使用との極秘情報の伝達役を渋々引き受けることに。。 今後、レギュラー!?山脇、安藤はどう絡んでるくるのだろうか?
Posted by
この重大な情報を確実に日本へ届けようと、夫は二人の人物をストックホルムから送り出した。終戦の年1945年7月の末のことである。 送り出した後は、ふたりの消息は一切聞かれず、戦後になってからも、ふたりに託した情報が届いていたという話は聞いたことが無かった。 ~中略~ 戦後20...
この重大な情報を確実に日本へ届けようと、夫は二人の人物をストックホルムから送り出した。終戦の年1945年7月の末のことである。 送り出した後は、ふたりの消息は一切聞かれず、戦後になってからも、ふたりに託した情報が届いていたという話は聞いたことが無かった。 ~中略~ 戦後20年もたってから、私たちは真相を知ることになった。 夫が送り出した密使は、終戦間際のあの悲劇を救うことの出来た情報を、間違いなく確かに東京まで届けていたのであった。 適切な対応がまだ可能な段階で・・・ 大和田静子「バルト海を偲んで」より とてもよく出来てました。これはほぼ史実ですね。 この時代の空気感がひしひしと伝わって来ました、そしてそれは、そら寒く虚しさが漂うものでした。 冷静に状況を見極め、正しい判断が出来る人物が排除される時代・・・あれから65年、少しは進歩したのだろうか!? 密使の一人バロンは、機転とペテンの口八丁で世を渡る詐欺師のようなヤツですが。 しっかりとしたプリンスブルがある彼こそが、本物の紳士だと思います。 詐欺師は国民を欺き続けた○○の方です。
Posted by