ねじまき鳥クロニクル(第3部) の商品レビュー
ねじまき鳥クロニクル、最終巻。 1巻2巻ともに初っ端から引き込まれたのに、ここに来て、試練が。え?!まさかの最終巻で面白くない?!と最初の20ページほどで感じる。 でも、心配無用でした。 主人公の岡田亨に宛てて書かれた中尉の手紙と、謎の女ナツメグの父の話。どちらも本当に悲しく胸が...
ねじまき鳥クロニクル、最終巻。 1巻2巻ともに初っ端から引き込まれたのに、ここに来て、試練が。え?!まさかの最終巻で面白くない?!と最初の20ページほどで感じる。 でも、心配無用でした。 主人公の岡田亨に宛てて書かれた中尉の手紙と、謎の女ナツメグの父の話。どちらも本当に悲しく胸が締め付けられる。戦争はほんまにアカン。 起こった出来事の記録もだけれど、それを目にしていた人間の心。軍人であろうとなかろうと、一部の金儲けのために戦争をする人を除く全ての人に降りかかる悲しみと喪失。 今もこの本の辛い内容と同じことが、毎日どこかで起こってる。 言葉がない。どうか戦争やめてくれ
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第3部、というより解決編 起承転結の転結、と言った方がわかりやすいかなという感じです。 あまり好みではありませんでした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
血族的な呪いと戦前の満州国という二つのテーマが、多くの登場人物をコネクトするというアプローチは著者のスタイルを鑑みると、あまりらしくない方の作品だと感じました。私がこれまで抱いてきたイメージでの村上作品は、鮮やかにスーパーナチュラルを展開していく、といったものでした。一方で、本作の第一章「泥棒かささぎ」編では、間宮中尉の回顧録として、ノモンハン事件を鮮明に描写しているが、こういった種のリアリティを徹底的に表現する試み(石原莞爾やスターリンなどの実在した人物を登場させたことも珍しい?)は、これまで読んできた著者の作品の中でも本作にしか見受けられないと感じたためその意味で非常に楽しく読むことが出来ました。 井戸から通じる世界に対する解像度は再読することで、さらに深まっていくのではないかという期待もあり、時間をおいて、この世界に対する新しい発見が出来ることをとても楽しみにしています。
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なぜ妻がいつも離れていくのか?なぜ10代の少女と自分探しするのか?パターン化している。 文章は好きなのに残念。
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69冊目『ねじまき鳥クロニクル 第3部 鳥刺し男編』(村上春樹 著、1997年10月、新潮社) 村上春樹の90年代における代表作である3部作、その最終巻。 グネグネと形を変えながら進むこの物語は、まるで週刊連載の漫画のよう。第1部からは想像もつかないような地平へと読者を運んで行く...
69冊目『ねじまき鳥クロニクル 第3部 鳥刺し男編』(村上春樹 著、1997年10月、新潮社) 村上春樹の90年代における代表作である3部作、その最終巻。 グネグネと形を変えながら進むこの物語は、まるで週刊連載の漫画のよう。第1部からは想像もつかないような地平へと読者を運んで行く。 お話に整合性はなくその形はかなり歪。しかし読み終わるのを勿体なく感じさせる、圧倒的な満足感は流石。村上春樹の非凡なイマジネーションを改めて体感させられた。 〈もし何かがあったら、また私のことを遠慮なく大声で呼んでくださいね〉
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初めての村上春樹の長編作品です。 短編以上に没入感があり、村上春樹の魅力が詰まっていました。夢か妄想か現実かわからない世界観がとても良い
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これ以上ないほど完結していた。 遠回りでも近道でもない表現でたまらなく心地よかった。 きっと再読にて新たな発見があるのであろう。
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「ねじは巻かれた」 ゆるみかかっていたねじは、最後には巻かれた。 岡田享さんは、その最後を担ったのではないでしょうか。 正直読むのにはかなり時間がかかりました。 精神世界から実社会、向こうとこちらの行ったりきたりで、考えることが多かったからです。 さて、 私たちが生きるこの...
「ねじは巻かれた」 ゆるみかかっていたねじは、最後には巻かれた。 岡田享さんは、その最後を担ったのではないでしょうか。 正直読むのにはかなり時間がかかりました。 精神世界から実社会、向こうとこちらの行ったりきたりで、考えることが多かったからです。 さて、 私たちが生きるこの社会は悲しいかな、理不尽な暴力と搾取で成り立っている一面があります。 それは故意に引き起こされたものではなくて、人間が社会生活を営んでいくなかでどうしようもなく生じてしまったということも。 クミコさんの失踪から間宮中尉の語り。笠原メイ、綿谷ノボルの登場に、加納姉妹やシナモンとナツメグの存在。 そのいずれもが、時代の流れのなかで生じた抗いがたい決定事項だったのかもしれません。 でも、最後に岡田トオルはねじを巻きました。 それは耐え難い歴史の濁流の中で、間宮中尉のように抗い続けた人たちがいたからこそ、彼は最後を担うことができたのでしょう。 きっと本作には登場しない古い時代から人々がどこかで、ねじを巻こうと東奔西走したはずです。 私たちはこれからもねじを巻かなくてはなりません。きっとまた、どこかで緩んでしまうから。 でもその度、誰かがねじを巻いてくれる。 いや、私たち巻かなければならないのです。 また、 悪はあってはならない。それは多くの人が声を揃えるはずで、その一方では自己に内在する悪には気づきません。私もそうかもしれません。 でも、私たちが生活するこの社会の裏側で、虐げられている人々はいないか。また私は、それに無自覚になってはいないか。現代社会を生きる私たちはそれらを絶え間なく考え、後世に伝えていく義務があるでしょう。 自己省察と実社会に対する問題意識。 そのいずれも考えさせられる、非常に興味深い作品でした。 さいごに。 サワラ、これからも元気でね。 いなくなっちゃだめだよ。 どこかで例の鳥が鳴いた気がしました。
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バット、カツラ、井戸、抜けられない通路、パソコン通信、戦争、夢、現実、、 話に出てくるわけわからない物や状況を並べてみると、ボヤっと村上春樹さんの言いたいことがわかるような気もする。 まあ境目がわからないまま終わるとこが良いし、わからなくて良いと思う。 あるいはわかるフリを...
バット、カツラ、井戸、抜けられない通路、パソコン通信、戦争、夢、現実、、 話に出てくるわけわからない物や状況を並べてみると、ボヤっと村上春樹さんの言いたいことがわかるような気もする。 まあ境目がわからないまま終わるとこが良いし、わからなくて良いと思う。 あるいはわかるフリをしてみるとわかるのかもしれない。 そんな感じ。 1番好きな登場人物は クリーニング屋のオヤジ 数ある表現で良かったのは 程度の良い死体: 無気力な状態
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ノモンハンのところがいつも怖くて、しばらく読んでいなかったのだけれど、再読。 ああ、本当に引き込まれて、ここではないどこかに連れて行ってくれる壮大な冒険ができてやっぱり素晴らしい。 なかなか得難い深いどきどきはらはら感です。
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