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牛への道 の商品レビュー

4.2

55件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2022/02/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

劇作家宮沢章夫さんのエッセイ。 出勤する人の波に逆らい犬を見に公園に行く話と、 「正義の味方引越センター」 に引越しの依頼をする話と、 台風の時にお相撲さんが飛んできたらどうするかという話が好きです。

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2021/03/17

20年くらい前に読んだ、牛がつく笑えるエッセイをもう一度読みたいと思って探したらこれだった。 てっきり著者の名前に牛が付くと勘違いして中々見つからなかったが、タイトルの方だったようだ。 正直内容はさっぱり覚えていなかったが、読み進めていって驚いた。 かなり前に見た映画「転々」あ...

20年くらい前に読んだ、牛がつく笑えるエッセイをもう一度読みたいと思って探したらこれだった。 てっきり著者の名前に牛が付くと勘違いして中々見つからなかったが、タイトルの方だったようだ。 正直内容はさっぱり覚えていなかったが、読み進めていって驚いた。 かなり前に見た映画「転々」あるエピソードとしてに出てきた話と全く同じことが書いてあったからだ。 それは子供が作文の中で、「父親が散歩が好きなたちで」と書いたことから…というものだが、脚本家は宮沢章夫ではなかったはずだ。 調べてみると転々の監督・脚本は三木聡で、宮沢章夫と友人だった。 つまり、宮沢章夫が本作で友人から聞いた話は、三木聡から聞いた話だったのだ。 書いてみると大したことはないが、Wikipediaにも書いてなかったし、この話のつながりを他のサイトでも見つけることができなかったので、私は非常に得をした思いになった。 読書をしていると、たまにこういうことがある。 「転々」を観ていてよかった。 「牛への道」を再び読んでよかった!

Posted byブクログ

2020/09/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

気軽に読めるようなエッセイを探している折に出会った本。まえがきからあとがきまでずっと面白おかしく読んだ。 何食わぬ顔をして冗談を言うタイプの笑いが好きだと宮沢さんはおっしゃっているが、ご本人がまさにそれを体現しているなと思った。だらしないことに対する嫌悪と恐れや、ばかに対する厳しい目線に見られるような「冗談なのか、まじなのかと人を悩ます微妙な部分」の楽しい魅力がぎゅっと詰まっていた。 宮沢さんの、神経質で、物事にとても真剣に対峙するところ、それでいてチャーミングな思考が、奇妙で愉快でもぞもぞする世界を生み出しているのかもしれないなと感じる。でもただ愉快なだけではなくて、たとえば『やさしさの時代』の中の「― 情緒だけを巧みに吸い上げ、それがどれだけ模倣されてきたか。(中略) ちょっとした詩のような、いかした、だけど浅薄な言葉。それを聞きわけなければと思う。」という文には、考えさせられるものがあった。 どの話も好きだけれど、『なくともやはり払いたまえ』『碁石と親切』『出張ダンサー』『蟹の不幸』、それと第四章のすべてが特別によかった。

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2020/09/06

著者が日常で見聞きした小さな違和感をネタに書かれたエッセイ集。笑える。普段特に気にも留めないような「変なもの」を見つけてきては、疑問を深掘りしていく。それは例えばパソコン用ソフトの名前だったり、トイレの貼り紙だったり、新聞の文体だったりする。そして散々不思議がったあげく、最終的に...

著者が日常で見聞きした小さな違和感をネタに書かれたエッセイ集。笑える。普段特に気にも留めないような「変なもの」を見つけてきては、疑問を深掘りしていく。それは例えばパソコン用ソフトの名前だったり、トイレの貼り紙だったり、新聞の文体だったりする。そして散々不思議がったあげく、最終的には「いよいよわからなくなってきた」「何がなんだかわからないことになっている」と言う。読んでも何も分からないし、何の知識も得られない。ただ一緒に面白がって笑うだけなのが楽しい。物事に安易な結論を出さない姿勢も好感が持てる。普通だと思っていることも、少し斜めから見るだけでずいぶん面白くなるのだな、という発見があった。

Posted byブクログ

2020/07/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

<内容> 劇作家、演出家である宮沢章夫によるエッセイ集。 1~3章では日々の出来事や新聞記事、人の発言などについて、宮沢の視点からメスが入る。4章のみ少々毛色が異なり、各文章が1冊の本にまつわるエッセイとなっている。 <感想> この本を読んでみようと思ったのは、星野源のエッセイ『いのちの車窓から』に紹介があったからだ。 【エッセイに夢中になったのは16歳のときである。 松尾スズキさんの『大人失格』、そして宮沢章夫さんの『牛への道』。名著と謳われる2つのエッセイ集を読んだことがきっかけだった。学校の中で小さな演劇活動をする最中、上演できそうな戯曲を探すために立ち寄った本屋の演劇コーナーでふと手に取った。文字を読んで腹を抱えるほど笑ったのは初めての経験だった。】ーー星野源『いのちの車窓から』の『文章』より引用 エッセイの面白さとの出会いを考えると、僕の場合は、さくらももこだった。小学生のころに『もものかんづめ』以降の三部作を、それこそ腹を抱えて笑いながら読んだ。 ふとそのときの楽しさを思い出し、星野源にとってのエッセイの源流に触れてみようと思った次第。 正直な感想としては「うーん、なんだこれ」といったところ。 もちろんおもしろいのだけど、期待が大きかっただけに、少々肩すかしを食らった気がした。 全体として、宮沢エッセイには「いやだなぁ」「へんだなぁ」といったボヤキ芸のような雰囲気が漂っている。 「無表情とはいったいどんな顔付きのことを示すのだろう」 「元相撲部のマネージャーだった女は実在するはずだ」 「紙袋ほど人の威厳を損なうものがほかにあるだろうか」 といったしょうもない着眼点から、へんだなぁ節が炸裂し、そう言われてみれば…とニヤリとしてしまう。 個人的にいちばんおもしろかったのは、まえがき。軽いコントのようなおかしみがあり、導入は完璧だった。『カーディガンを着る悪党はいない』の小松川先生とのやりとりもよかった。また、4章については書評のような側面もあり、読んだことのない本への興味が湧く。 とはいえ、基本的には「変なこと言ってるなぁ」で終わってしまう項目が多い。ナンセンス、と言えばそうなのかもしれないが、エッセイにおける“ハマる・ハマらない”は人間同士の相性みたいなものなのかもしれない。

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2018/10/18

だれもが目にしていながら見過ごしてしまうような世の中のスキマに鋭いツッコミを入れる、ナンセンス・エッセイです。 「だからなんなんだ」といいながら、最後までたのしんで読んでしまいました。

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2017/02/11

この文庫を読んでいると知人に尋ねられた。 「牛への道?・・・何の本?」 何の本?と聞かれてもなんといっていいものか 考えあぐねていると 「牛の本?でも『への道』だから牛になりたいって本なの?」 と矢継ぎ早に聞いてくる。 そう言われてもまだ読んでる途中で今の段階では牛はま...

この文庫を読んでいると知人に尋ねられた。 「牛への道?・・・何の本?」 何の本?と聞かれてもなんといっていいものか 考えあぐねていると 「牛の本?でも『への道』だから牛になりたいって本なの?」 と矢継ぎ早に聞いてくる。 そう言われてもまだ読んでる途中で今の段階では牛はまったく出てこないし、 そもそも『牛への道』ってタイトルすら忘れていたくらいだ。 ただ、読んでる途中でもわかっていることは この先、読み進めていても牛はきっと出てこないだろうし 出てきたとしても取るに足らないだろうということだ。 一体、牛との関係性をどう説明すればいいというのだ? 「牛は関係なくて。。その。。あの、、」 とアワアワしている私に業を煮やした知人は 「もういい!文庫の後ろの説明みせて!」 と文庫を取り上げ、説明を読み始めた。 どんどん曇る表情。 「確かに。。何だかわからん本だね」と 投げ返してきた。 その時は読んでいる途中だったし、 読み終わった今ならわかるはず! 改めて後ろの説明を読む。 『牛に向かってひたすら歩き続け『牛的人生』を探求する 岸田賞作家が、独自の視点で解き明かす奇妙な現象の数々。』 一体何を言っているのだ?

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2015/04/10

まえがきからいきなりやられました、電車等で読むのは要注意な本です。「なくてもやはり払いたまえ」は何回読んでも笑えます。

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2015/03/05

不思議な書名。どういうことだ? あとがきを読んでも? であるが、独特の視点に基づく面白いエッセイであることに変わりはない。第四章「読むという病」にある鞄に数冊の本を持って出かけてしまう人を『読書家はつくづく厄介である。』で一刀両断にし、奥付の発行年や刷数にわざわざ触れるところなど...

不思議な書名。どういうことだ? あとがきを読んでも? であるが、独特の視点に基づく面白いエッセイであることに変わりはない。第四章「読むという病」にある鞄に数冊の本を持って出かけてしまう人を『読書家はつくづく厄介である。』で一刀両断にし、奥付の発行年や刷数にわざわざ触れるところなどシンパシーを感じてしまう。私も皆さんもこの病に罹っている?!

Posted byブクログ

2015/02/24

前書きのスポーツドリンクの話が1番面白かった笑 あと牛乳をジッと見つめていた人の話や、難読の話も面白かったです。

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