奇跡の人 の商品レビュー
瀕死の重体から、回復するお涙頂戴の話だと思って読み始めたら違った。 自分探しの旅から、衝撃の過去が明らかになる。 忘れてしまったほうが良い過去。 でも、知りたくなる気持ちもわかる気がする。
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あらすじ(Amazonより)--------------------------- 31歳の相馬克己は、交通事故で一度は脳死判定をされかかりながら命をとりとめ、他の入院患者から「奇跡の人」と呼ばれている。 しかし彼は事故以前の記憶を全く失っていた。 8年間のリハビリ生活を終えて退...
あらすじ(Amazonより)--------------------------- 31歳の相馬克己は、交通事故で一度は脳死判定をされかかりながら命をとりとめ、他の入院患者から「奇跡の人」と呼ばれている。 しかし彼は事故以前の記憶を全く失っていた。 8年間のリハビリ生活を終えて退院し、亡き母の残した家にひとり帰った克己は、消えた過去を探す旅へと出る。 そこで待ち受けていたのは残酷な事実だったのだが…。 ------------------------------------------------- 真保さんといえばアクション・サスペンスのイメージだったけど、この作品は人間ドラマ・サスペンスといった感じ。 主人公が、失ってしまった過去を知りたいともがく様には共感したし、読者としての私も知りたくてのめり込んだけど、だんだんと執着が激しくなる主人公が狂気じみていて怖くなり、後半はイライラしてしまった。 主人公の執着に狂気を感じてしまうと、途中に挟まる母親の闘病日記も息子への執着が滲み出ている気がして、少し恐ろしく感じてしまった。 帯に「静かな感動を生む「自分探し」ミステリー」とあったけど、感動要素はほとんどなかったように思う。
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交通事故に遭って脳挫傷という致命的な大けがした主人公、相馬克己。 宮崎の病院で、彼は母の手厚い看護で九死に一生をえるが、その代償として事故前の記憶と知能を失い、「赤ちゃん」のようになる。 だが、母はくじけなかった。 事故前の克己は死んで、新しい克己が誕生したんだと、素晴らしい...
交通事故に遭って脳挫傷という致命的な大けがした主人公、相馬克己。 宮崎の病院で、彼は母の手厚い看護で九死に一生をえるが、その代償として事故前の記憶と知能を失い、「赤ちゃん」のようになる。 だが、母はくじけなかった。 事故前の克己は死んで、新しい克己が誕生したんだと、素晴らしい生命力と貪欲な知識力で、入院しながら、リハビリにあけくれ、日々成長する克己の世話をやいていた。 そして8年の月日が流れた。 ほとんど社会復帰できるまでに回復した克己は31歳になっていた。 克己の回復を誰よりも喜んだ母だったが、克己が退院するまでに、自分が病死してしまう。 失意の克己を救ったのは病院の医師と入院患者たちだった。 退院し一人暮らしができるように、 克己の勤務先と生活ができるような段取りをつけてくれた。 一人暮らしが始まって、克己はそれまで感じなかった事故前の生活を考えるようになる。 なにか母が隠しているような気がしてならず、 過去の自分を調べるために克己は独自で行動を起こし始める。事故以前、東京に住んでいたことをつきとめた克己は、ひとりで東京へ行く。 そして高校時代の級友と出会い、記憶がもどらないまま、昔の恋人の存在を知ってしまう・・・。 確かこの作品映画にもなったと思う。映画もみてなかったが、大怪我から復帰する主人公の生命力と頑張りには拍手だ。 社会復帰など不可能と言われた主人公が、立派な社会人にまで復帰できたので、「奇跡の人」と呼ばれているのだが、彼の奇跡はそれだけではないだろう。 昔の記憶が抜け落ちたおかげで全く新しい人生になるはずだった。 彼の母親はそれを願っていたのだが、運命は皮肉だ。 生まれ変わって、赤ちゃんのような純粋な気持ちのまま退院したのだが、 その純粋さを踏みにじられたとき、「昔の自分」が顔を出してきた。 自分ではどうすることもできない、もどかしさを感じたことだろう。 目次の「母のエピローグ」と「母のプロローグ」にも注目したい。 恋人の愛ではなく、母としての愛。 どちらの章も、克己という一人の人間に対する愛で満ち溢れていた。 「奇跡の人」は強い。何度でも、何度でも、スーパーマンのように奇跡的な甦りをみせてくれるだろう。それは「愛」で支えられているからだ。 数奇な人生を歩む主人公だが、 周りの人から愛されている、幸せな人だなと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前半と後半では、まるで展開が違います。 母親の手紙から始まり、全く社会性を身につけていない30歳過ぎの青年が、周りの支えと自己の努力で、就職もして、自立した生活を送りはじめる。 特に母親の同じ子どもを二度子育てするという部分には、親の愛情以外のなにものではなく、青年は本当にヘレンケラーのようだ、タイトルどおり奇跡の人だ、と感情移入していきました。 しかし、後半過去の自分探しが進むにつれ、もう一人の自分、過去の自分を知るにつれ、壊れていきます。「もう帰えろ」「もうやめよ」と何回思ったことか。 人の欲求、特に愛情の部分の欲求はこれほどまでに 留まることを知らないものなのかと、思いました。 後味悪いくらい。 そういうとこが、この作品のテーマだったのでしょうか。 とすれば、むっちゃ意欲的でもちょっとやり過ぎのような。 見た目は新鮮かつ斬新で悪くはなく、実際に食するとおいしんだけどなんか口に残る食感が気持ち悪い創作料理のようなかんじ。ちょっと言いすぎ?? それほどに私たちの根底部分には、見せたくはない、見られたくはない貪欲な欲求を持っているんだってことをストレートに表現されてしまった作品でした。 [ホワイトアウト]の次に読みましたが、全く別の作家かと思うほど、文体も表現も異なりました。多彩なものかきさんですね。 =====あらすじ[アマゾンより]============= 31歳の相馬克己は、交通事故で一度は脳死判定をされかかりながら命をとりとめ、他の入院患者から「奇跡の人」と呼ばれている。しかし彼は事故以前の記憶を全く失っていた。8年間のリハビリ生活を終えて退院し、亡き母の残した家にひとり帰った克己は、消えた過去を探す旅へと出る。そこで待ち受けていたのは残酷な事実だったのだが…。静かな感動を生む「自分探し」ミステリー。 ==============================
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交通事故が原因で昔の記憶をなくした主人公。 脳死判定直前の状態から普通の生活を送れるまでに回復して「奇跡の人」と呼ばれている。 一人しかいない親族の母親をなくして、病院から退院することになる。 母が残してくれたものに自分の昔のものが一切ないことに気づき・・・ 題名からもどんな風...
交通事故が原因で昔の記憶をなくした主人公。 脳死判定直前の状態から普通の生活を送れるまでに回復して「奇跡の人」と呼ばれている。 一人しかいない親族の母親をなくして、病院から退院することになる。 母が残してくれたものに自分の昔のものが一切ないことに気づき・・・ 題名からもどんな風に回復を遂げて奇跡を起こしたのかという話かと思ったら違った。 人と人の関わり?とか今の自分と昔の自分の戦いとか? そんなことがメインの話です。 意外な方向にストーリが転がっていってびっくりしたけど最後は展開が速かったように思う。 でも昔の自分を知りたい気持ち、そして戦う気持ちがうまく描けていたと思う。 日記のお母さんの優しさもよかった。 でもサスペンス性もある。 後半からはどんな人も楽しめる作品になっているんじゃないでしょうか。
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先が気になるストーリーだったので、どんどんページが進んだ。 でも今までも色んなミステリーを読んできたので、「もしかして最後はこういう結末!?」て思ってたら案の定、だいたい当たってた。。。。 面白かったけど、ちょい残念Σ(゚д゚;)
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救いがないと感じた。結局信じて見てあげられる人は母親しかいないのだ。自分は他人という甘え、世間体があって最後まで信じられない、自分の将来を預けられない。理想的な人間から程遠かった自分を知った時、絶望を超えられるのか・・・。
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交通事故で瀕死の重態から奇跡の回復を遂げた青年が失った記憶を求めていく。 途中まで先が気になり、一気に読破。 後半、ちょっと暴力的描写が増えてその部分は苦手でしたが、全体的にはおもしろかったです。 後は、昔の彼女がどうして今、そこまで思うのか?というあたりがちょっと共感できなかっ...
交通事故で瀕死の重態から奇跡の回復を遂げた青年が失った記憶を求めていく。 途中まで先が気になり、一気に読破。 後半、ちょっと暴力的描写が増えてその部分は苦手でしたが、全体的にはおもしろかったです。 後は、昔の彼女がどうして今、そこまで思うのか?というあたりがちょっと共感できなかった感あり。
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本棚整理のため約10年ぶりに再読。母親の遺した日記と主人公の現在が淡々と描かれていくので、ラスト手前までは割とさらさら進む。救いようのないクライマックスを迎えての、あまりにもウエルメイドなエンディングに、何だかがっかり。このまま救われない終わりを迎えてくれたほうが、人間という生き...
本棚整理のため約10年ぶりに再読。母親の遺した日記と主人公の現在が淡々と描かれていくので、ラスト手前までは割とさらさら進む。救いようのないクライマックスを迎えての、あまりにもウエルメイドなエンディングに、何だかがっかり。このまま救われない終わりを迎えてくれたほうが、人間という生き物の重みを感じられたような気がしてならない。
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交通事故により記憶を失った男の話。 “空白の時間に埋もれたもう一人の自分を探す”なんだか哲学的だね。 本の内容とは全く関係ないけど、自分を見失った人々が多いこの世の中で、「自分探し」という言葉がやたら流行っているが、簡単に見つかるようならそんなもん犬のえさにもならん。壁に当...
交通事故により記憶を失った男の話。 “空白の時間に埋もれたもう一人の自分を探す”なんだか哲学的だね。 本の内容とは全く関係ないけど、自分を見失った人々が多いこの世の中で、「自分探し」という言葉がやたら流行っているが、簡単に見つかるようならそんなもん犬のえさにもならん。壁に当たって、苦悩して一つずつ乗り越えて見えてくる姿こそが自分であり、それこそが人生だとふと考えた。
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