永楽帝 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
朱元璋の創業、永楽帝の登場と3年に渡った「靖南の変」、五度にわたるモンゴリア遠征(漠北征伐)、西蔵と安南、シベリアの対外政策、ティムールによる征明計画、日本の足利義満との関係、鄭和の南海遠征、『永楽大典』などの事業が書いてある。文体も面白く、読みやすかった。
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古本で購入。 明の第3代皇帝・成祖永楽帝。 彼は史上唯一、漢人皇帝として漠北への親征を行い、側近の鄭和に大艦隊を率いさせてアフリカ東岸にまで威令を及ぼし、『永楽大典』という不朽の文化事業をなした。 まさに中国史上屈指の英傑と呼ぶに足る男である。 しかし一方で、暗さがつきまとう...
古本で購入。 明の第3代皇帝・成祖永楽帝。 彼は史上唯一、漢人皇帝として漠北への親征を行い、側近の鄭和に大艦隊を率いさせてアフリカ東岸にまで威令を及ぼし、『永楽大典』という不朽の文化事業をなした。 まさに中国史上屈指の英傑と呼ぶに足る男である。 しかし一方で、暗さがつきまとうのもまた事実。 甥である第2代皇帝・建文帝を滅ぼして帝位を簒奪し、宦官に大権を与えたことで後々の宦官跋扈の種を蒔いた。 言ってみれば、永楽帝は大明帝国の光と影を一身に背負った皇帝だった。 著者は、当時の中国の充実した国力・社会に潜むエネルギーと、永楽帝個人の積極性・雄才大略との相互作用によって生まれたものが、活気あふれる永楽帝の時代であったとする。 「名君」よりも「英雄」という表現がふさわしい永楽帝は、明暗兼ね備えているからこそ強く輝く個性として映るのかも知れない。 気宇壮大な側面の一方に猜疑心・残虐性を強く持っていたというのが、逆に、ある意味で人間らしい。 波乱に満ちた生涯を送った永楽帝だが、評伝の類はかなり少ないそうだ(1996当時)。 この本は原書の出版から40年以上経っているが、内容は古びていないと思う。文章も読みやすくておもしろい。中公文庫の中国史人物評伝の常で絶版だと思うが、オススメ。
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