蒼穹のかなたへ(下) の商品レビュー
失踪した女の謎を追っ…
失踪した女の謎を追ってイギリスへ戻ったハリーの前に立ちふさがる壁。
文庫OFF
後半、真相が見え隠れしてくるとどうにも止まりませんね、ページをめくる手が。 「千尋の闇」もそうだったけど、ゴダードの作品って皆こうだったら凄いな。
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フォーマットはミステリではあるものの、文芸作品に分類した方が納得できる重厚さです。やたらと多い登場人物と錯綜した人間模様、こんがらがったプロットが印象的。読みきるのになかなか体力を要するゴダードの名品です。
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でゴダードの「蒼穹のかなたへ」 「闇に浮かぶ絵」が、ものすごい評判になっていて、それで名前に記憶がありました。で、古本屋で「リオノーラの肖像」をゲットして…打ちのめされました。 圧倒的な筆力と構成力、ただのゴシックホラー小説になりそうなテーマを、しっかり社会派でしかもヒュー...
でゴダードの「蒼穹のかなたへ」 「闇に浮かぶ絵」が、ものすごい評判になっていて、それで名前に記憶がありました。で、古本屋で「リオノーラの肖像」をゲットして…打ちのめされました。 圧倒的な筆力と構成力、ただのゴシックホラー小説になりそうなテーマを、しっかり社会派でしかもヒューマンにまとめるなんて、どんな人なんだと驚愕しました。 そしてわくわくして、ゲットした「蒼穹のかなたへ」 ギリシャの島で、落ちぶれた男がイギリス女性を観光案内する。その女性が、突然姿を消し、男は誘拐したと疑われる…。 ゴダードは、だめ男を描かせると上手いんだけど、この主人公は特にぴかいちです。 だらしないのに、かたくな。いい加減なのに、くじけない。人は、相反するものをそれぞれに抱えて、それのバランスを取りながら生きているのだと、へんに気づかされます。 そして、衝撃のラスト。 実はこの帯はね、って思うところがあるんだけど、帯を考えた人も、これ以外に言葉がなかったんだろうな。うん、絶対そうに違いない。そういうラストです。 ラストは、号泣もんでした。 この主人公、のちに「日輪の果て」で再登場します。 自分の知らない間にできた子供に翻弄される話。 これも、泣けます。
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