絹 の商品レビュー
本当にきれいな物語と文章。舞台のひとつが日本だからなのも理由だけど、翻訳なのにスッと入ってくる。 言葉の反復はバリッコのお家芸だと後で知った。ちょっと読み飛ばしそうにもなるけど、僅かに違ったりしているからニュアンスの細部にまで気を使っていることがよくわかる。
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本作を原作とした映画「シルク」は観ていないのだが、「海の上のピアニスト」(原作)がよかったのでバリッコに再挑戦。 さすが音楽学者でもある著者、本作も非常に音楽的で、詩を読んでいるような音楽を聴いているような、そんな錯覚に陥るような作品だ。 舞台は日本、ただ著者も冒頭で断っている...
本作を原作とした映画「シルク」は観ていないのだが、「海の上のピアニスト」(原作)がよかったのでバリッコに再挑戦。 さすが音楽学者でもある著者、本作も非常に音楽的で、詩を読んでいるような音楽を聴いているような、そんな錯覚に陥るような作品だ。 舞台は日本、ただ著者も冒頭で断っているように、あくまで西洋人から見たオリエンタルなイメージとしての日本を描いているので、正直、日本が舞台と聞いても違和感しか感じないのだが、まあそのあたりも予測しての断りであっただろう。 いずれにせよ、非常に私好みのバリッコ、次はシティあたりに挑戦かなあ。
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映画がなかなか良かったので。 散文詩みたいな短編小説。 こういう、西洋のあこがれとしてのシノワズリ的な、東の最果ての国の幻想みたいな文章は好き。ミルハウザーの短編小説みたいなもの。 最高級の絹は、無をつかむよう。
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著者自身もことわっているが、これは、「ヨーロッパ人のイメージする日本」であり、現実の日本の姿を映しているものではない。 しかし、これを読むと白川郷の合掌造りの風景が目に浮かぶ。 バリッコは写真か何かで白川郷を見たことがあったのかな。
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映画「シルク」の原作。 映画がなかなか良かったので、こちらはもっと良かった。 実はそんな予感があって読んだのだった。
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映画『海の上のピアニスト』の原作者(イタリア人)の小説で、日本が舞台の一つだというから図書館で借りてきました。 当時の日本の時代背景やなんやかんやの描写等、「それはどうなんだ現実的に」といった突っ込みどころはあるけれど、音楽的な文体はとても素敵で、『海の上の〜』とは違った雰囲気の...
映画『海の上のピアニスト』の原作者(イタリア人)の小説で、日本が舞台の一つだというから図書館で借りてきました。 当時の日本の時代背景やなんやかんやの描写等、「それはどうなんだ現実的に」といった突っ込みどころはあるけれど、音楽的な文体はとても素敵で、『海の上の〜』とは違った雰囲気の甘美な映像を見ているような気分になります。
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「海の上のピアニスト」の原作者のまたまた映画化作品。まえがきで著者が、日本語に翻訳されるとは思わなかった、と言い訳してます。日本人にとっては?な日本が出てきますが、西洋人とっては極東のこの国は不思議の国なのね。
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最も美しい絹を吐く蚕を求め、愛する妻を残し欧州から日本へ旅立った男が出会った、絹の衣を纏った少女。華美に飾らない文体が織り成す、幻想的で美しい東洋の世界は官能的な一編の詩のようである。バリッコ本人も日本で読まれることを想定していなかったと認める通り、日本の史実考証は大胆に無視した...
最も美しい絹を吐く蚕を求め、愛する妻を残し欧州から日本へ旅立った男が出会った、絹の衣を纏った少女。華美に飾らない文体が織り成す、幻想的で美しい東洋の世界は官能的な一編の詩のようである。バリッコ本人も日本で読まれることを想定していなかったと認める通り、日本の史実考証は大胆に無視した内容です(笑)。日本という概念にとらわれず、バリッコが書こうとしたのは、神秘に満ちた、西洋人の目に映る東洋の一国として捉えることができるかどうかで評価が分かれそう。私は大好きでしたけれど
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