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戦艦大和誕生(上) の商品レビュー

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2017/01/03
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1997年刊。  戦艦大和は零戦と並び、戦前日本の技術的高度さを示す存在として、他方、航空機戦主流の時代に取り残された遺物として喧伝される。  確かに、本書に言うように戦後昭和31年時で日本が建造量世界一となった原動力は、戦艦大和ほか日本海軍の造船技術の遺産なのは確かだ。  しかし、ただ単艦では造船数を増すことはできない。すなわち、大和の建造は当時は未完だった製造工程効率化の徹底、緻密作業と工数統制・材料統制等合理化との両立、軍艦建造の特殊事情の克服など、科学的建造手法確立を目指し、その実験とし得たからと評し得そう。  ところで、戦艦大和の長所はその巨艦ではなく、装備に比したコンパクトさにあるとする。  かような科学的建造方法とコンパクトさの追求を齎した中心人物が海軍の西島技術大佐である。  本書は、戦艦大和建造の現場担当であった西島の足跡と大和建造に至る経緯を軸に、大和建造を通じて見えてくる日本の造船技術の優秀性と問題点とを炙り出す。  上巻は西島の足跡、大和建造までの海軍の建艦技術問題史(友鶴事件、第四艦隊事件など)。  そして大和建造の開始まで。

Posted byブクログ