カリスマへの階段 の商品レビュー
カリスマとは、人々の心を引きつけるような強い魅力である。カリスマを持つ者は、その強烈な個性――カリスマ性で人々を魅了し引き寄せ、そして偶像化される。一方で彼らの中には暴走し、信者や周囲の人間を巻き込んで自己破壊的な犯罪を実行する者もいる。 なぜ彼は取り巻き――上流階級や知識人...
カリスマとは、人々の心を引きつけるような強い魅力である。カリスマを持つ者は、その強烈な個性――カリスマ性で人々を魅了し引き寄せ、そして偶像化される。一方で彼らの中には暴走し、信者や周囲の人間を巻き込んで自己破壊的な犯罪を実行する者もいる。 なぜ彼は取り巻き――上流階級や知識人も含め!――を操ることができるのか。成功したにも関わらず、後年に自らの城を破壊するような選択をする者がいるのはなぜなのか。カルト、そしてその中心に位置するカリスマの本質を独自の視点で検証した評論。 カリスマ、そしてカルト(狂信的集団)は宗教に留まらず、政治や文化など様々な分野で発生し、主導権を握り、自らの理想や都合、つまりは妄想を今の現実に取って代えようと常に画策している、とても身近な存在である。 本書読後に周囲を見渡してみれば、著者の言う自らの幻像――妄想を自分以外の世界に押し付けたいという欲望、謂わばカリスマの芽を持つ者とそれに引き寄せられる者のいかに多いことか! これらの欲望の先にあるのが無慈悲さと野蛮さと狂気だということは諸人の認知するところ(革命からテロ、極端なアニメ絵排除運動から不快と感じる相手への脅迫行為まで)だ。 彼らから社会を守るには、カリスマとカルトの "本質" を認知する人を増やし、 "本質" が生まれにくい社会を構築する。それが社会の安定を保つ確実な方法ではないか。そう思うのだ。
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サヴァタイツヴィ、ジョンスミス、クロウリー、グルジェフと数々の心霊家や山師をコリンウィルソンが追いかける。霊能力と権力欲で自由を失っていくカリスマ達の運命を概略で押さえられる。
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